今さらですが領都編
初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当ありがとうございます!
感想、評価、ブックマーク登録等応援をいただいて泣きそうになっています。
感謝をこめて。
「危険な目に合わせて申し訳ありません。」
ピリッカさんは平謝り。
「いえ!はぐれて落ちただけなので、私は大丈夫ですよ。」
歩きながら私は、領都の街に目を奪われていた。
街に張り巡らされた水路。川幅の広い水路は、水深が深いのか舟が行き交い、運河のように利用されている。
話には聞いていたが、グリードヴィット領の領都ネイデルテレスは、「水の都」として有名なのだ。
アレッシオより高い建物が多いな~、人も多いな~、獣人に触りたいな~、何食べようかな~ とすっかり観光気分に浸っていたら、
「こちらです。」
とピリッカさんが立つのは古そうなお店の前。
何屋さん?
とにかく入りましょう、と促され店内へ。
私には何に使うのか全く分からない道具が大小所狭しと並んでいる。
「魔術道具屋です。本来であれば、この店の奥に転移するはずでした。」
転移する場所を決めておかなきゃ、危ないもんね。
突然道に現れて、通行人とぶつかったりしたら事故だもん。
「そういえば『阻害された』って言ってましたよね。何か問題があったんですか?」
「いえ、通常では有り得ません。転移の瞬間の、無防備になる瞬間を狙われました。」
無防備って、それじゃ転移する時怖いですね。
「魔術師は結界を張りますが、魔力のない者だと結界が一瞬遅れます。」
へぇ~ 魔術師って連れの結界を張ったり、大変なんですね~。
のほほんと私が労うと、
「狙われたのはミサオさんかと。」
え?なんで!?
ピリッカさんが私の驚きを無視し、店の奥の方を向いてペコリとお辞儀する。
そこには魔法使いの格好のおじいちゃんがいた。
フォフォフォって笑いそうな老師。いやダンブ○ドア先生!
「転移の瞬間を狙われるとは、まだまだじゃのう。フォフォ」
ホントにフォフォって笑った!
って、そこじゃない、私。
「あの、なんで私が狙われるんでしょうか。」
「さぁてのう。可能性はいくらでもある。人違い、人質、飼い殺し、嫌がらせ、逆恨み。」
えー
そんにたくさんあったら、理由がハッキリしない・・・。
「一つ忠告じゃがの。『日本人ばかり優遇されている』と思い込んで、恨みや妬みを持っている者もおることを忘れんようにの。」
日本人ばかり優遇って・・・
異世界に住む人々からは、そんな風に見えるんだろうか。
突然現れた人間が、今までの常識からは考えられない能力や物、知識を持っていたら、純粋に尊敬だけを集めるか?
答えはきっとノーだ。
頼りになるからとあてにするのはまだいいほうで、利用したり、騙してでも自分の物にしようとするのではなかろうか。
嫉妬や妬みの対象にもなるだろう。
残念ながら、異世界の人に殺されてしまった日本人が過去にいたというのは事実だ。
しかし日本人の立場で考えてみると、
無一文で着の身着のまま知らない世界に放り出されたのだ。
訳も分からないながらも異世界で生き抜こうと大半が思うだろう。
そうして日本人の技術、スキル、現代日本の文明が持ち込まれ、この国は豊かになった。
イリーリニウムの住民全てが恩恵を受けている。
技術の発展により職を失った者もいたけれど、新たな雇用が生まれたと聞く。
それなのに、未だ日本人を快く思わない人がいるなんて・・・
日本人ギルドでの日本人への融資がそう思わせるのか?それとも仕事や住まいの斡旋が「優遇」と受け止められてしまうのか?
「そんなに落ち込むでない。この国の者の妬みじゃとは限らんからのぅ。フォフォ。」
それならまだ理解できるよ。
「他国がこれ以上繁栄するのは許さないぞ!」っていう外国からすれば、イリーリニウムの日本人は少ないほうがいいもん。
「日本人ギルド、護衛つけたほうがいいかな?」
ピリッカさんに尋ねたら、
「『すでに護衛はつけてある、愚か者!』と宰相から聞いています。」
さすが宰相、仕事が早いね。
「ふむ、お嬢ちゃんの護衛も増やしたんじゃのぅ」
お嬢ちゃんって私のこと?
護衛を増やした?
「ミサオさんに見えないように店の外に護衛が何人かいます。気になさらないように。」
コソっとピリッカさんが教えてくれた。
護衛って、忍者みたいな感じかな?
それともラノベで読んだ「デーモンスパイダー」とかいう可愛い蜘蛛ちゃんたちかな?
おじいちゃん魔術師は、私を見て呆れていた。
「お嬢ちゃんは もうちと緊張感を持つようにの。」
すいません。
ここまで読んでくださったことに土下座。
週1度程度のノロノロ亀更新にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございます!




