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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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訪問者

初めて感想をいただいて有頂天になっていたら、なんと素敵なレビューまで書いてもらえて、しかもブクマ新着通知設定までしてくれているとのことで、飛び上がりそうになりました。

感想お二人目の方からもエールをいただきました!なんという光栄。

亀更新なのに本当にありがとうございます!ご期待を裏切らぬよう精進しますm(_ _)m

私は異世界に転移か転生か知らんけどやって来てしまった。


帰れる可能性は低いらしい。


「日本の自分ちの押し入れと異世界が繋がっている」という日本人Aさんが、異世界の現地民Bさんを連れ、押し入れを通って日本と往き来していた。

そしてAさんは異世界で出会った日本人Cさんも連れて押し入れから日本へ行こうとした。

しかし通れたのはAさんとBさんのみ。Cさんは「何か」に阻害されて通れなかった。

BさんとCさんの違いは何か。私が考え得るに、それは「世界線」。

AさんとBさんは「物語(せかい)」が違うのだ。

だからAさんはこの異世界で出会った現地民Bさんとストーリーを進められる。

「関係のない」Cさんは、「同じ日本人」というだけでは、Aさんの押し入れから日本へ帰れないのだと思う。


それならばせめて日本の家族への手紙をAさんに託す。

現在Aさんは郵便屋さんみたいになっているらしい。

自分の家の押し入れから日本へ出て、日本のポストに預かった手紙を投函する。

大量の手紙を一度に日本各地へ。しかも行方不明者の関係者へ。

それは怪しい。だから消印から怪しまれぬよう、日本中のあちこちへ移動して少しずつ投函するという念の入れよう。


「遠くで元気にやっているから、心配しないでほしい」と、手紙で伝えられるなら御の字。

家族に何も伝えられなかった事が心残りだったから、私も手紙を託す。


でもいつか日本へ帰れる道が拓けるかもしれない。

可能性はゼロではないはずだし。


この異世界に残るのか、日本へ帰るのか、往き来できるようになっているのか。

それはその時がきたら考えることにしよう。

それまでは、やれることをやって生きてゆく。


異世界で仕事を探して働き、のんびり暮らしていくつもりだった。

通称「日本人ギルド」責任者という職場での地位。もしかして「ギルド長」ってやつではなかろうか、と気づいたのは最近。


日本のメガネ拭きが欲しいです。そして生理痛による頭痛がピークです。

生々しくてすいません。

でも生きてるんですもの。


農業神様の屋台村は予想以上の賑わいで、予想外の問題が発生していた。

簡単に言うと、大混雑。

問題解決の為にやったことが、さらなる問題を抱えてしまった。


これは解決するしかないでしょうよ!


屋台村の場所を広げるのは神殿の敷地面積の関係上 難しい。では丘の麓に広げようとすれば、そもそもの道幅が狭い。今だって物流が滞ったりしているのだ。道の拡張や新設は時間がかかる。


つまり人を分散させるしかない。


あまり参拝客が来なくて、街の外れにある神殿、他にもないかなぁ。


チャラ男が作成したこの街の地図と にらめっこしながら頭痛に耐えていると、ギルド職員から来客の知らせが。


「来客ってどなた?」


「正確には来客の先触れが いらっしゃってます。」


先触れ?

宰相サマなら転移で ぴゃっと気軽(?)に 来ちゃうから違うし、他に思いつかないけど。


とにかくお会いしなければ。



──────────────────



先触れは「侯爵令嬢がアレッシオにしばらく滞在するから挨拶したい」だった。


なぜに私に挨拶したいのだろう。

ていうかお貴族サマのマナーとか知らないけど大丈夫か私。


「アレッシオの屋台村観光に来たから、創立者に会ってみたい、ってところかな。」


首を(かし)げる私に、日本人ギルドまで頭痛薬を届けに来てくれたアランさんが教えてくれた。

カターニャさんは今日はお休みで、アランさんと一緒にギルドで昼食だ。


「ミサオさん、有名人ですか?」


屋台村を人に任せられるようになったリョウくんも今日はギルドのレストランにいる。


「いや、そんなことはないと思うんだけど・・・」


「もしかしたら、その侯爵令嬢、何かあるのかもね!」


いや カターニャさん、変なフラグ立てないでください。


しかしこのフラグ、ちゃんと立っていました。



────────────────────



「はじめまして、(わたくし) ハイレイン侯爵が子女、シャニア・ランビリスと申します。」


「お会い出来て光栄です。ハイレイン侯爵令嬢。アレッシオ日本人ギルド責任者のミサオ・ササキです。」


私はカーテシーという膝を曲げて挨拶する教育を受けて育っていないので、日本人らしくお辞儀した。

身分は侯爵令嬢のほうが上なので、令嬢は私にカーテシーをする必要がない。


令嬢はいかにも西洋人といった容姿。美しいけどキツそうな目が印象的。

20歳前後だろうか。背筋がピンとして、腰より長い手入れされた髪。高そうな生地のロングワンピース。


外国人のスーパーモデルってこんな感じだろうな~としげしげと見つめてしまった。いけない、じろじろ見ると失礼になるもんね。


そんなに広くもない日本人ギルドの応接室。紅茶とリョウくん特製チーズケーキを用意し、令嬢と向かい合って座る。


令嬢は侍女に人払いを命じた。

そして侍女も出て行ってしまった。


いやいや相手が(わたし)といえども初対面の人間と2人っきりになっちゃダメでしょうお嬢様!


「ふふ、大丈夫ですのよ。ミサオ様。」


顔に出てた?


「この部屋に遮音魔法をかけました。」


「遮音?密談でもするおつもりで?」


私の嫌味に対して、令嬢は薔薇のように微笑んで言った。


「えぇ。実は私、前世の日本人の記憶がある『悪役令嬢』なんですの。」


前世系 悪役令嬢キターーー!!!





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