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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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大判焼きに蜂蜜は掛けますか?

初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!

いいね、ブックマーク、評価が増えていて驚きと感激で泣きそうです。

語彙力ないですがありがとうございます!!

豊穣を願って農業神様へ祈る。

そんな人々は多くは農村にいる。そして、作物を植えるのに善き日などが書かれた農業暦を配布する為に、司祭や神殿の使いが国中の農村を巡る。


各地の農村で、アレッシオの農業神様の神殿の賑わう様子が司祭や、村を通る旅人や旅芸人からも語られ、農民たちへ伝播してゆく。

それは風に揺れる小麦の穂のように、さわさわと広がってゆくようだった。


後に「女傑」や「蛇大商人」と呼ばれるようになる女商人ミーナガは、屋台村の賑わいにいち早く目を付け、アレッシオから程近い山で温泉を掘り当て、一大観光地を作り上げるのは数年後のこと。



───────────────



屋台村オープンの少し前。


「貴様は私の仕事を増やすことしかできんのかぁ!!」


なんだか宰相サマの私へのお小言が冒険者ギルド長に対するものと同じになってきた。


「マーカストは働かんから蹴り飛ばせばいいが、貴様はなぜ仕事を複雑にしていくのだ!!」


えへへ・・・

でもね、


「日々の勤務による問題点を洗いだし、改善策を出したまでです」


大人ですから堂々と言ってやったぜ。

良くなれと思えばこそ、ですからね。


”日本人ギルドのレストランの混雑解消”を目指したのに、いつの間にか ”お伊勢詣(いせもう)で祭り”になった感は否めないけど。


まさかこんなに大事(おおごと)になるなんて。計画してから素案がどんどん大きくなってしまった。最初はしばらく様子を見て、上手くいかないなら屋台をやめて別のレストラン混雑解消方法にしようと考えていたのに、屋台村はオープン前に継続することが決まってしまった。


そして屋台村の話を事後承諾のような形で知った宰相サマは、慌てて「日本人ギルド」へ転移魔法でやって来たのだった。


「まずはこちらをどうぞ」


屋台村の準備に忙しいリョウくんから預かっていたブツを、額に手を当てている宰相サマに出す。


「む?これは?」


「宰相サマ専用 大判焼きです」


用意しておいた紅茶を淹れて大判焼きの隣に出す。


「フン、悪くない」


食べるのはやっ!!


実はこの大判焼き、中身の餡が激甘チョコで、皮も激甘の味付けにしてあるのだ。

紅茶にはもちろん大量のお砂糖。


・・・うぷ。


私は冗談で、


「蜂蜜もお持ちします?」


って訊いたら、「そうだな」ってしれっと返されてしまった。

この人どんだけ。


「で、上手くいきそうなのか?」


屋台村のことだろう。


「準備は大変でしたが、日本人が神殿へ参拝する数が増えるのは間違いありません。万が一、突発的な問題が発生すれば随時対処していきます。」


そう、最初は

・屋台の座席の準備数の削減

・日本人ギルドレストランの混雑解消

・神殿への参拝客誘致

の3つを目標にしていたのだが、それに加えて

・雇用の創出

・観光客による経済の活性化

・神殿の収益増加による税収アップ

も見込めるのだ。

屋台の座席に関しては、そんなに削減できなかったけど。


日本人は特に宗教に対してはお祭り感覚だ。教徒じゃなくても神社仏閣へ行く。

花火大会もハロウィンも同じなのだ。

そんな日本人たちが、観光がてら農業神様の神殿へ行く。イメージは浅草寺。


「貴様に任せたのは『日本人ギルド』のはずだったのだがな!」


ほんとですよねぇ。

あ、いただいてる宿題のことは忘れてませんよ。


そこへノックの音が。


「失礼しますよぅ。宰相様がお見えだそうで、是非ご紹介くださいよぅ。」


この喋り方、


私は宰相サマをちらと見た。

顔が不機嫌になっている。


私はドアを数センチ開け、


「ミーナガさん、今はちょっと・・・」


「あらぁ、そうですかぁ、残念ですぅ。また次の機会ですねぇ。」


断りに気を悪くした様子もなく、ホホホ、とミーナガさんは去って行った。

宰相サマ、転移魔法で王都から日本人ギルドに直接来たよね?どうやってここに居るって知ったんだろう・・・突然商談室へ押し掛けるなんて、失礼を通り越して商人恐るべし。


「ミーナガは、隙あらば王都の官僚を接待しようとしてくるから面倒なのだ。」


まぁ商人ですし、宰相サマや官僚さん達とお近づきになって便宜を図ってもらおうとするでしょうね。


「あやつの陳情がいくつあると思っている!聞くだけ時間の無駄だ!!」


ミーナガさん、野望が大きそうですもんね・・・。


お土産の宰相サマ専用の激甘大判焼きを渡すと、少しは機嫌が直ったようで、無限収納鞄(マジックバック)に仕舞い、宰相サマは颯爽と転移魔法で帰って行った。



──────────────────────



「ねぇ、宰相サマと一体どんな関係なの?」


今まで聞きそびれていた疑問をサマヤことチャラ男にぶつけてみた。


屋台村の準備に追われ、忘れていた、っていうのが本音だけれど。


相変わらずヘラヘラしているチャラ男。


日本人ギルドのレストランのカウンターに(ひじ)をつき、


「よく分かんないけどさぁ~、俺のこと買ってくれてんだよね~」


かう?まさか・・・


「今 なんか変な想像したでしょ」


うん。


「気に入ってくれてる、ってこと!」


へ~ いや人の好みはそれぞれだからね。否定はしないよ。


「だからそういうのじゃないんだって!!」


じゃあどういう・・・


「まぁ 便利に使われてる、ってところかな~」


そういえばサマヤのこと、私よく知らないわ。


「え?なになに!?俺に興味出てきた!?」


いえ。


「ちぇ~」


アンタね、いい歳なんだから ちぇーとか言わないの、

と言いかけてブーメランになるからやめた。




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