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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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激物注意

初めて書いた拙い文章を読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!

ブックマークと評価が増えていて感激で泣きそうです。

語彙力ないですがありがとうございます!!


紅茶のお代わりを淹れる為、私が応接室から出ると ギルドのレストランキッチンから良い香りが漂ってきた。


「リョウくん、何作ってるの?」


「ミサオさん、『紅茶のお代わりと一緒に宰相に菓子を出せ』ってサマヤさんに言われて」


カウンターに頬杖をついているサマヤことチャラ男。


ふふん、といった顔をしている。


「宰相はね、激甘がお好きなんだよね~」


なんという情報。

いや確かに紅茶に何杯も砂糖を入れていた。

ギルド長もアランさんも気にしてなかったけど、昔からそうなのか。


「サマヤさんに言われた通り、果実の蜜漬けを使った激甘のパイにしてみましたけど・・・」


けど?


「味見すれば分かります」


リョウくんに言われて、一欠片食べてみる。


うっ


これは一欠片でもしばらく甘いものは遠慮したいレベル。

こんな激物をお好きなのか?

あのスレンダーな体型を維持しているのも謎だけど、よく糖尿にならないな・・・


紅茶と激物をワゴンに乗せ、仲良し3人組おじさまのいる応接室へと戻った。


「紅茶のお代わりと、パイをお持ちしました」


「もらおう」


即答の宰相。


「俺たちは紅茶だけでいいから」


ギルド長とアランさんは全てお見通しか。


パイを切り分けようとしたリョウくんを制し、「そのままでいい」と宰相。

そのまま?ホールですよ?


リョウくん、顔に出てる出てる!


ホールパイを目の前にし、宰相はフォークで優雅にガツガツともの凄い勢いで食べ始めた。優雅とガツガツって共存できるんだ・・・


物珍しさで最初は見ていたが、見ているだけで胃もたれしそう。

アランさんとギルド長はなるべく見ないようにしている。

味の感想を聞こうと待っていたリョウくんだったが、宰相の食べるスピードの速さに唖然としている。


あっという間にホールのパイを平らげ、


「悪くない」


満足げな宰相からまずまずの言葉をもらい、ホッとしたリョウくんはお礼を言って部屋から出ていった。


「ギルド長、冒険者ギルドのほうの学生たちは問題点全部片付きました?」


「あ~ なんとかな。後で書類全部ミサオに引き継ぐぜ」


クラス全員分のデータに目を通すことを想像して一瞬クラっとした。


宰相は既にクラスまるっと転移2つ分の件をご存知だったようで、


「今後の身の振り方が分かれるだろうな」


至極冷静である。


「私のほうは中学生、つまり13から15歳なので、特に希望がなければあと3年くらいは教育を受けて欲しいですね。日本ではまだ子供です。」


「冒険者ギルドに来た奴らは加護やスキル持ちが多くてな、既に冒険者登録した者が多い。」


加護を盗んだ、って件はどうなりました?


「どうやら盗んだことに間違いはなさそうだ。その現場を見ていた学生がいる。かといって盗んだ加護を返せる方法も見つからない。」


じゃあ泣き寝入りしかないんですか!?

酷い・・・


「いや、さすがに野放しには出来んが、罰する法律もない。俺の権限で盗んだヤツは『冒険者ギルドへの登録不許可』の処分だ」


「冒険者になりたければ他国へ行くしかないな」


宰相、日本人が他国へ流出しちゃっていいんですか?


「盗っ人の面倒までみる気はない」


でもすごい加護やスキルを持ってたら、この国に害をなすかもしれないでしょ?


「その時はその時だ。相手になろうではないか。」


フフフ、と宰相サマの不敵な笑いが怖いです。


「ミサオ、一つ宿題を出そう」


えっ宰相からの宿題って嫌な予感しかないんですけど。


「なんでしょうか」


「ミサオから見たこの国の改善点、問題点があれば書き留めておくように。」


う~ん それくらいなら出来そう、かな?


「分かりました。期限はありますか?」


「通信魔道具を渡しておく」


つまり随時ですね・・・あはは。


「やってみます」


頑張ります、と言わないところが逃げのアラフォー。


これからアレッシオの街を見回ってから領都へ行くという宰相を見送ることになった。


リョウくんが手に風呂敷包みを持っている。箱?


「宰相閣下にと思って。」


まさかあの激物パイをお土産に持たせるとは、なかなかやりおる。


少し離れて見守っていたら、リョウくんが風呂敷包みを手渡し、宰相の顔が少し柔らかくなった。

ローブの中にバッグがあって、A4サイズほどなのに大きな箱がシュッと入ってしまった。

もしかして無限鞄(マジックバック)ってやつですか!?初めて見た!!


「良い人材だ」


「ミサオかい?」


「確かに仕事が早ぇな」


「視点が面白いし、細かなことにまで気が付く」


「うちの子だよ?」


「アランも結構 気に入ってるじゃねぇか」


「貴様もであろう」


キラキラする目で宰相の鞄を見つめる私を他所に、宰相、ギルド長、アランさんの会話が私に届くことはなかった。


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