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日本人だらけの異世界で  作者: 猫目 潤
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千客万来

拙い文章を読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!

ブックマークと評価が増えていて、驚きと感謝でいっぱいです。


どうしてこうなった。


目の前には学ランとセーラー服の学生たち。


日本人ギルド内をわらわらと好き勝手にしている。


「マジ異世界!!」


「俺 賢者になる」


「あースマホ圏外だし~」


「充電器持ってるのにコンセントないっ」


「今日塾なんだけど」


「ないわー」


「インスタ上げたいんだけど」


「ねぇ帰れないの!?」



─────────────



私は「日本人ギルド」のオープンを明日に控え、ギルド内のレストランでリョウくんに何か作ってもらおうとしていたところだった。


突然入り口がバタン!と開かれ、どやどや入ってくる学生たち。

あちこちを物色し、物珍しげにする子。気だるそうに椅子に掛ける子。

スマホで写真を撮りまくる子。やりたい放題か。


「す、すみません・・・」


1人ワイシャツネクタイのおじさん。おじいさんか?定年間際に見えるこの人が先生か。


そこへ冒険者ギルドから通信が入った。

連絡をくれたタドンさんによると、中学生がクラスごと異世界転移して来たとのこと。本来であれば今日までは冒険者で日本人登録をするが、なんと別件で高校生がクラスごと転移してきて、その転移の際に神から授かった加護を「同級生から奪った」「奪ってない」で大揉めしているのだという。

事後連絡になってすまない、と同日にクラス転移してきた中学生たちをこっちに回した、とタドンさんに謝られてしまった。


経緯は分かった。やるしかない。


「き、君たち静かにしなさい・・・」


先生の言うことを全く聞かない。テンション上がってるのは仕方ないけれども。


全員 標準語。

ならば都会の子たちであろう。全部で35人か。

よし。


コンコン


私は生徒たちの前に立ち、木のテーブルを叩く。


コンコン


何人かが気付いて静かになる。

あと少し。


コンコン


ようやく全員が私を見た。

怒鳴るよりも静かに待ったほうが効果あるね。


「皆さん、『日本人ギルド』へようこそ。私は佐々木と申します。今からプリントを配りますので、記入してください。筆記用具をお持ちではない方は挙手を。」


ヒカリとリョウくんに手伝ってもらい、「日本人 受付用紙」を全員に渡す。


「それでは30分以内に記入してください。」


テストのような雰囲気になった。

もちろん先生にも記入していただきますよ。



────────────────



生徒たちは さくさく記入してゆくが、「これからやりたいこと、就きたい職業」の欄で手が止まっている子が多い。


記入から30分経過したところで、私は説明を始める。


「この世界は皆さんの予想通り、異世界です。今いるこの国はイリーリニウム王国のグリードヴィット領の中にあるアレッシオという街です。冒険者ギルドからここへ来る途中で見たと思いますが、街には日本人が多くいます。1番気がかりなのは『元の日本へ帰れるか』だと思いますが、現状では『分からない』というのが正直なところです。」


すすり泣きしている女の子がいる。

そうだよね、中学生っていったらまだ15歳くらいだもんね。


「今 記入してもらった用紙は一旦回収しますが、やりたい仕事が見つかったらいつでも申し出てくださいね。」


そして日本人の為に用意していた、その名も「日本人のための異世界のしおり」という冊子を全員に渡した。

そこには私なりにこの世界、国々、イリーリニウムの通貨、文化、職業や仕事内容、簡単な歴史などなどまとめてあった。ヒカリのイラスト付きの力作ですよ。

あくまでも私の知る範囲のことしか書いてないけど。


1部作れば魔道具でコピーできるのだが、製本は予算削減の為にホッチキスみたいな道具で手作業でやった。

念のため100部 作っておいて良かった。


「先生も大変だとは思いますけど、生徒さん達の精神面、気遣ってあげてくださいね。何かあればいつでも仰ってください。」


こっそりと先生に告げると、


「・・・ありがとうございます。」


伏し目がちに礼を言われた。

先生だって日本に家族がいるだろうに。

この世界に精神科医がいるのか、アランさんに聞いてみよう。



──────────────────



今日のところは生徒達は街の宿に泊まってもらう。

35人同じ宿は無理だったので、男女別になった。

1人用の個室で、トイレは各階にあり、風呂は大浴場というか中浴場がある宿。食事は宿の一階が食堂。この街ではごく一般的。

もちろん経費で落とします。


私が気になる公衆浴場は 今建設中とのこと。

アレッシオの街は広過ぎて、まだ全体を把握しきれていない。

そんな街を網羅する町内アナウンスって、なかなかすごい設備ではなかろうか。


「「「はーーー」」」


中学生たちプラス先生ご一行を、街を案内しながら宿へ引率し、着替えと日用品を手配し、日本人ギルドへ戻ってきた私、ヒカリ、リョウくん。

オープン前日からぐったり。


いや国ごと召喚してくるよりはマシか。


「リョウくん、疲れてるところ悪いんだけど、何か食べるも」


「あれー!手伝いに来たけど もう片付いちゃったんだ!」


出たなチャラ男。


「そんな迷惑そうな顔すんなよー。せっかく賓客を連れて来たんだからさー」


ひんきゃく・・・誰?


チャラ男の後からギルドに入って来た人物。

ギルド内を見て、それから私で視線が止まる。


チャラ男曰く、


「こちら宰相サマ。」


「・・・・・」


うそーー!!!!



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