それはブラックです
拙い文章を読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!
ブックマークと評価をしてくださった方がいて、驚きと嬉しさで涙出そうです。
m(_ _)m
木陰亭で支払いを済ませてくれたアランさんと、泣き腫らした赤い目のリョウくんと3人で、冒険者ギルドへ向かう。
「あの、なんで俺にこんなに親切にしてくれるんですか?」
恐る恐る訊いてくるリョウくん。
「アランさんは、日本人の『保護司』みたいな立ち位置なのかも?右も左も分からない私に色々教えてくれるし。」
いくら冒険者ギルドが忙しいからって、ここまで良くしてくれるなんて、恩を返さないと気が済まないわ。仕事を見つけて宿泊費や食費を払いたいよ。
「え?俺がこの世界に来た時はそんな人居なかったのに」
「リョウくんはどうやってこっちに?」
「崖から落ちて、気がついたら『ブレイドリア』って国にいました。」
崖かぁ。新しいパターン?そうでもないか?
私達の話が聞こえたのか、アランさんが教えてくれる。
「ブレイドリアは中央大陸の端にあって、ここからだと馬で半年以上かかるんだよ。」
半年!?中央大陸デカっ!!
「ブレイドリアは日本人を大切にしない。」
ん?技術とか知恵を利用する為に大切に扱うのでは??
「大切に『軟禁』するんだよ。」
初めて聞く、アランさんの怒りを含んだ声だった。
「日本人狩りがあるって噂で知って、だからブレイドリアから逃げることに精一杯で、途中たまたま知り合った日本人パーティーに入れてもらえて、チートじゃないから雑用ばっかりだったけど 俺には他に出来ることもなくて・・・」
饒舌になってきた。
しかし「軟禁」ときたか。
私、ブレイドリアに転移しなくて良かったぁあ。一生籠の鳥は勘弁してほしい。
「囲い込もうとする国が多いんだよ。で、イリーリニウムに逃げて来る日本人が増えてゆく。」
そりゃ軟禁されるって知ったら逃げるでしょ。
「ますます俺らの仕事が増える訳だな」
うおっ びっくりした!
突然背後に立たないでくださいギルド長!!
街中でギルド長に会うなんて思ってないから余計驚いたわ!
「マーカスト、また抜け出してきたのか?」
「人聞きの悪いこと言うな。昼メシだよ」
「タドンが怒ってるだろうな」
「だろうな」
イケオジ同士の会話って、なんでこんなに素敵なんだろう。
マーカストさんはリョウくんをじろじろ見て、今度は私に言った。
「ミサオも居て丁度いい。話がある。」
私?
────────────────
冒険者ギルドに戻ったマーカストさんは、案の定タドンさんに抜け出したことをネチネチ言われてしまったがどこ吹く風で、まずはリョウくんの登録をする事となった。
「日本人が国に日本人登録を推奨」しているのはイリーリニウムだけではないけれど、各国共通仕様ではないし、リョウくんは今まで冒険者登録もしたことがなかった。
「でも今まで冒険者パーティーにいたんでしょ?」
問いかけにリョウくんは諦め顔。
「冒険者登録してた日本人パーティーに、同行させてもらってた、というのが正確なんです。どこの国へ行っても『冒険者登録するとブレイドリアから追っ手が来るぞ』って言われたし・・・」
冒険者パーティーの荷物持ちという名の雑用。
各国を転々としながらダンジョンで得たアイテムを売り、旅を続けていたが、リョウくんは無給だった。
何その「面倒見てやってるんだから当然無給だよな」的な感じ。
許せないね。
僅かな食費で料理を作り、荷物持ちをし、野宿の設営や後始末、街では宿の手配。しかし全てに文句を言われ、ケチをつけられ、見下される日々。
「よく耐えたねぇ。」
私ならブチ切れちゃって無理だわ。
「もしかして、『料理人スキル』あったりする?」
「あ、はい、一応。」
職ゲットだぜ!!
私じゃないけど。




