クビになったなんちゃらは
拙い文章を読んでくださって、本当に本当にありがとうございます!
ブックマークと評価をしてくださった方がいて、驚きと嬉しさで涙出そうです。
m(_ _)m
お待たせしました~!とウサ耳女性が料理を運んで来てくれた。
マカロニグラタンと海老チリ、ベーコン入り野菜炒め。最後にテーブルに置かれたのは、味噌汁だった。
「白米も頼むかい?」
「ぜひ!!」
喰い気味に答えた。条件反射、恐るべし。
アランさんにはフォークとスプーンだけど、私にはさらにお箸もあった。
このお料理も、お箸も、日本人の影響分かりやす過ぎる。
「いただきます」
私の合掌にアランさんはもう慣れたもの。
周囲の席でも日本人からは「いただきます」と「ごちそうさま」が聞こえてくる。
この味!若干の違いはあれども、懐かしいね、美味しいー!!
味噌汁は私の食べ慣れた合わせ味噌ではなく赤味噌だったけど、まさか異世界でお味噌汁をいただけるとは。
私の食いしん坊っぷりにアランさんは安心したように目を細めた。
アランさんも食べ始めた頃、離れた席から声が聞こえてきた。
どうやら冒険者パーティーの諍いらしい。
何気ない風を装い、後ろを振り返る。
「だーかーらー、お前は役立たずだ、って言ってんだよ」
「でも、俺、このパーティーしか居るところがないし・・・」
「もうっ、クビだって言ってんでしょお」
「新しいメンバー決まっちゃってるし~」
「そういうことだから、じゃあな」
ガタガタと男1人、女2人が立ち上がり、ポツンと取り残された男1人。
テンプレか。そういう物語なのか。
私はアランさんをチラリと見る。
アランさんは私と目が合い、溜め息をついた。
「またか・・・」
「最近多いんだよ。パーティーをクビになる日本人。」
「そういうのはどうするんです?」
「クビになった後になって、有能なことが判明するから、マーカストに報告してから能力に応じて仕事を斡旋するんだ。」
また仕事増えますねぇ。
「声を掛けてくるよ」
どうぞどうぞ。
しかし、同じパーティーだった男も女達も、日本人だろうに。
異世界の人より、警戒すべきは同じ日本人かい。
食事を続けていると、アランさんはクビになった青年を席に連れてきた。20代後半かな。人を見ると年齢換算しちゃうのは、己の年齢を気にし過ぎてるからだろか。
青年は色白でシュッとしてるのに、見るからに憔悴している。
そんな彼にアランさんは食事を勧める。
落ち込んでるなぁ。そりゃそうだよね。
「彼女はミサオ。昨日 日本から来たばかりだよ。」
「はじめまして。佐々木操です。」
箸を置いて取りあえず挨拶する。
「俺は、新田 良です・・・」
声ちっさ!
「アランさん、彼はリョウ・ニッタと名乗ってます。リョウくん、彼はアランさん。薬師さんだよ。」
なぜか私が紹介することに。
「・・・どうも」
「よろしく。」
「リョウくん、悪いようにはならないってことだから、とにかく今は食べて元気出しましょ!」
あ、ここはアランさんの支払いだった。
「そう、ですかね・・・」
私の未使用だったスプーンを渡し、小皿に料理を取り分けてやると、渋々といった体でリョウくんは口をつけた。
俯いてもそもそ食べるリョウくんに、さっきアランさんから教えてもらったばかりの彼の身の振り方を伝える。
「俺、もう自信ないっす・・・」
「大丈夫だって!あなたには何かしらの才能があるはずだから!」
多分ね、とは言えない。
「見てたんでしょ?俺がたった今クビになったところ。役立たずだ、って。俺には何の取り柄もない。昨日 こっちに来たばっかりの佐々木さんに何が分かるんすか・・・」
「う~ん、確かに異世界はまだ分からない事だらけだけど、リョウくんよりは人生経験あるし。
大体『パーティー』って仲間でしょ?対等でしょ?人を見下すヤツは仲間じゃなくてクズって言うの。
それに、さっきの奴らより、私は選ぶとしたらリョウくんと働きたいと思ったよ?」
「・・・・」
説教臭くなってしまったが、リョウくんはどうやら下を向いたまま泣いてるようだ。今まで一体どんな扱いをされてたんだろうか。
「お゛い゛じ゛い゛で゛ず゛」
泣きながら食べてる。
よしよし、弟ができたみたいでおばちゃん嬉しいよ。




