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わらより簡単 イチローの家

 このたび、母さんブタにめでたく赤ちゃんが生まれた。家が手狭になったので、母さんブタは大きくなって場所を取るイチロー、ジロー、サブローを家から追い出すことにした。3匹はぶうぶう文句を言いつつも、それぞれマイホームの建築に取りかかった。


 イチローは長男でありながら兄弟一の怠け者である。家をつくるならせいぜい藁を寄せ集めて立てかけておくだけでいいやと思っていた。


 しかしもっと手軽な方法を見つけた。ぼろっちい空き家があったので、そこに住み着くことにしたのだ。幸運なことに、この空き家にはまだ使える家具があり、電気もガスも水道も健在であり、手ごろな食品も備蓄されていた。


 ある日イチローがワイドショーを見ながらカウチポテトしていると、空き家に侵入者があった。


「おいおい、人の家に無断で上がってくるなんて、ずいぶんな客じゃない?」


 イチローは起き上がりもせずに言う。


「そいつは悪かったな。だがそのセリフ、そっくりお前に返す」


 侵入者はギラリと光る牙をむき出しにした。


「ここはもともと、オレの家だァー!!」


 イチローはオオカミの叫び声に飛び上がった。


「こんにゃろう、人の家で勝手に寝泊まりしやがって! 食ってやる!!」


 イチローはポテチをまき散らしながら、命からがら逃げのびた。

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