プロローグ
僕、天音莉久が告白を決意したのは、高校一年の秋の日だった。
人生で初めての告白だ。
相手の名前は、斎藤凛。
亜麻色の緩やかにウェーブする髪。無邪気に笑う姿はクラスのみんなの心を癒す。異世界からきたのではないかという程、真っ白で綺麗な肌していた。
斎藤さんは小動物のように愛らしく、また一生懸命に頑張る姿は誰から見ても好印象を与える。その評判は別の高校にまで及んでいた。
そんな頑張り屋の彼女の隣にはいつも綾瀬玲奈さんが立っていた。斎藤さんとはまるで双子のように雰囲気だけ似ている気がするのだが、幼なじみだという。
綾瀬さんは、黒髪ロングの美人。モデルのようなで、出るとこは出て健康的なスライルをしている。優しい姉のような性格で、斎藤さんを妹のように接しているようにすらみえる。
二人とも学校内で人気者で両者共ファンクラブもあり、どちらかを好きになるというのは大変なことで当然、恋敵は多い。
二つのファンクラブはいつも争いをしているが、その側を二人が通るだけで争いは収まり、敵であったファンクラブに編入することが起きるとか起きないとか。
僕は入学して少し時間が経った後に斎藤さんと綾瀬さんの存在を知ることとなる。はっきりいって一目惚れだった。だが彼女のことを知ると遠い存在なんだなと。遠くから見ているだけでもういいや、思いが先行し、初恋を諦めることにした。
――僕には勝ち目がない――
僕は全てが平均的。レールの上を真っ直ぐ歩いてきたただの凡人。これといってなにかに興味も出ず、ただつまらない人生を歩んできた。そんなやつに惚れる要素なんてあるのだろうか。試合が始まる前に勝負はついていた。
だが運命というやつはどうなるかなんてわからない。不思議なものだ。これが本当に正しい選択なのか、考えただけでキリがなくなるくらい僕に偶然が舞い降りる。
僕は、身をもって知ることになる。
これから起こるであろう偶然、残酷、奇跡ともとも言える運命を。
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