中編【出会い】
魂が体に憑依するような感覚が訪れる。ゆっくりと自然に目が開く。
空から照らす日差しが熱い。選択が間違っていると自分を責める様に。
未だ続く睡魔に戦いながら通学路を歩いていく。
そして、信号を渡ろうとした瞬間、何かに引っ張られる。
「危ない!」
少女の声が後ろからした。私は急に引っ張られ、転びそうになる。
後ろからはトラックのクラクションの音がした。
どうやら交通事故に会いそうになったらしい。
「あなた大丈夫?信号赤だったよ?」
クリーム色の髪を降ろした少女は自分にそう話しかけてくる。
奥からは彼女の友達か、3人の男女が慌てた様子で走ってくる。
眠い。もう死なせてほしい。
だが、善意あって助けてくれたのだ。お礼を言わない事は、人として恥ずかしい事だと私は思う。
「助けて頂き有難うございます。」
私は彼女に向けて頭を下げる。
「あなたその制服・・・。もしかして私たちの学校の生徒じゃない?」
自分の制服は、この近くの学校御伽桜高校の制服だった。
今日その学校に転校する予定だったが、彼女も同じ学校だったのは驚いた。
「私の名前は、神坐 奈子と言うの。これからよろしくね」
私は彼女に手を差し出す。彼女なら、私を救ってくれるかもしれない。
「初めまして!私の名前は篠崎 美優っていの。よろしくね!奈子さん。」
彼女は明るく手を握り返してくれた。
「みゆっち大丈夫ー?」
他の3人も駆けつけてくる。
「大丈夫~!皆にも紹介するね!この子は新座 奈子ちゃんって言うんだって!」
彼女が他の3人に自分の名前を教える。
「始めまして! 私の名前は朔氏 恵理子って言うんだよろしくね!」
ツインテールの少女が挨拶をしてくる。彼女は美優さんより明るい性格のようだ。
「初めまして。僕の名前は風間 英治だ。よろしく、神坐さん。」
メガネを掛けた男の子が話しかけてきた。彼はこのグループの中でとても知的なようだ。
「俺の名前は、滝沢 光令っていうんだよろしくな!」
彼の体格はしっかりしている。おそらく運動をこまめにやっているようだ。
「よろしくお願いします。」
私は、この4人に淡い期待を密かに持ち始めていった。
中編になります。
主人公に新たな人物が接触。
主人公がどうなっていくのか、見守ってください!
今回も感想や意見などありましたら書いていただけるとありがたいです。