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後の英雄、指輪の問題を知る

「指輪ですから、指に嵌めないと効果が出ないんですよ」

「それって……」


 当たり前のこと過ぎるだろ。

 剣は手に持たなければ効果がない。

 鎧は着ないと効果がない。

 そのレベルの話だ。

 何をいまさらそんなことを言い出したんだろう?

 意味が解らず。


 *


 LUKポーションを飲みまくっていると、今度はステータスアップ以外の特殊な指輪も出始める。


・『鑑定の指輪』

  鑑定が出来るようになる。


・『偽装の指輪』

  ステータス偽装が出来るようになる。


・『アイテムボックスの指輪』

  アイテムボックスが使えるようになる。

 

・『通常攻撃の指輪』

  通常攻撃の与ダメージが倍。


・『全体攻撃の指輪』

  攻撃が全体攻撃になる。


・『二回攻撃の指輪』

  攻撃が二回攻撃になる。


・『慈母の指輪』

  ポーションの効果が二倍になる。


 すでに指輪は10個ほど出ている。

 指輪出まくり!

 これ以上指にはめられない。


「10個ならまだまだいけますぞ」

「そうなんですか?」

「人差し指、中指、薬指なら2つは付きますよ。それと足の指にも付けられますぞ」


 足の指って……。

 熟練冒険者はそんなところにまで指輪を着けてるのかよ。

 すごいな、おい。

 一度つけているところを見せてもらいたいものだ。


「バルトさんは足にも指輪を着けてるんですか?」

「ご冗談を。足に指輪なんて付けたら歩けなくなります」


 冗談だったのかよ!

 普通のアドバイスだと思ったわ。

 バルトさんは真顔で冗談を言うので嘘か本当かわかりにくい。

 もしかすると、さっきの『指輪ですから、指に嵌めないと効果が出ないんです』ってのも冗談だったのか?

 わかんねーよ、そんな冗談!


 慈母の指輪のポーション効果増強のせいか、ラックポーションの効果が増強。

 上がる幸運値が2倍に跳ね上がる。

 幸運度の上がるペースも早くなり、段々と宝箱から出るアイテムがエグくなってきた。

 既に指輪だけじゃなくボス前部屋の宝箱からは出にくいといわれる装備まで出てくるようになった。

 しかも英雄が装備するような激レア装備ばかりだ。


・バイパーシリーズ

 冥界神の眷属『毒蛇バイパーファング』の猛毒を宿す反撃効果が発生する暗黒鎧。

 これを装備した勇者がハイオーガの砦で昼寝していただけで砦の敵を全滅させた逸話もあるレジェンダリー装備。


・ペガサスシリーズ

 天馬ペガサスから授かったとの伝承のある神聖鎧。

 防御力は平凡だが、凄まじい勢いで空を飛べるようなるレジェンダリー装備。


 さすがにこれらをダンジョンの外に持ち出すのはあまりにも危険とのことで、泣く泣くリリースすることにした。


 そして、三日ほどダンジョンに潜り続けると……ついに!

 

「リミットブレーカー!ですな!」

「はい! リミットブレーカーです!」


 俺とバルトさんは抱き合い喜んだ。


 *


 ダンジョンを後にしてバルト邸の地下室に戻ってきた俺たち。

 早速リミットブレーカーの指輪を嵌めてレベルの上限を上げることにする。


「ラーゼル君の身体の中に貯まった『潜在経験値』をその指輪に流し込むのです」


 潜在経験値とはレベル上限が訪れて取得していたが使われなかった経験値。

 そんなものが俺の身体の中に潜んでいたのか。

 俺は指輪にありったけの潜在経験値を流し込む。

 生活魔法の『フリント』のような簡単な魔力操作と要領は一緒だ。

 指輪が輝く。

 それと同時に俺の身体に凄まじい重圧が……。


「ぐおおおお!」


 俺の上にまるで巨大な山が圧し掛かってきたような感覚。

 急激なレベルアップに耐えられない俺の全身の骨が砕け散る。

 その瞬間レベル上限アップによりさらに強固な骨格を形成。

 そして新たな衝撃が俺を襲い……。

 俺は破壊と再生を繰り返しレベル上限を45まで上げた。


「はぁはぁはぁ」


 なんという衝撃!

 息も絶え絶えといった感じだ。

 一歩間違えば死んでしまったかもしれない。

 バルトさんが感心している。


「まさか、上限がレベル45になるほどの潜在経験値を稼いでいたとは……」

「冒険者を10年以上続けてきましたからね。雑魚なら数えきれないほど倒してきました」

「それにしても凄まじいですな」


 俺は差し出された水で喉を潤す。


「さてと、私はラーゼル君の望みを叶えました。今度は私の願いを叶えてもらう番ですね」


 すると、バルトさんは今まで一度も見せなかった背筋も凍るほどの悪い目をした。

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