表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/150

新たなる辺境伯の人外嫁たちの夜這い

「いやー、まんぷくまんぷく、もう食えないっす」


 膨らみまくったお腹をさすりながら、息も絶え絶えなヒーラを見てグラトニーとモニカは落胆する。


「それっぽっちでもう食えないのか? ガッカリだぞ」

「好物の鳥を死ぬほど堪能したんで、もう亀は食えないっす」

「ひよっこじゃのう」

「私は元々の身体がモニカさんみたいに大きくないっすからそんなに食えないっす」

「人間のグラトニーがこんなに食えるのにその言い訳はないだろ」

「そうだぞ、ひよっこ」

「いや、人間なのにそんなに食いまくるグラトニーがおかしいんす。普通の人間のビアンカなんて私の百分の一も食べてないのに苦しそうな息をしてひっくり返ってるっす」

「まあ食べられないと言っているひよっこに無理に食わすのももったいないから、じゃあ亀はグラトニーと私で堪能するか」

「そうじゃな、ただ早食いはせんぞ。負けるのがわかってるんでな、自重する」

「ではいくぞ!」

「おおー!」

「うりゃりゃりゃうりゃ!」

「ぐおーー! ガツガツバクー!」

「おっさん、なかなかやるな」

「モニカもな」


 全然早食いを自重してない二人であった。

 そんなことをしているとマンイーターからボーイッシュな女の子が現れた。

 食べるのを止めて警戒するモニカ。


「お前は誰だ?」

「もう忘れてるって水臭いんよ」

「その喋り方は……狼なのか?」

「あ、ごめんよ。姿を変えてるのを忘れてたんよ。今は人間の姿をしているけどヴァナルガンドのフェリなんよ」

「なんで人間の姿になったんだ?」

「さっきアジトの奥でお風呂に入ろうと思ったんだけど、狼の姿だったせいかスケルトンとかリッチとか湧きまくって大変だったんよ。慌てて人間の姿になったんだけど手遅れでずっと戦っていたんよ。もしかして!?」


 語気を強めるフェリ。

 あまりの迫力に思わずヒーラに震えがはしった。


「モニカさん、エサにしようとしたのがバレてめっちゃ怒ってますよ! どうするんですか? やりますか? やりましょう!」

「まずは戦いの前に私の華麗なる話術スキルでなだめよう」

「実はな……」


 モニカの説得が始まる前にフェリから放たれる咆哮!


「うおおおおおおおお!」

「こ、これは!」

「デッドリー、トータスの!」

「伝説の料理なんよ!」


 ご馳走を前によだれをダラダラと垂らすフェリ。

 犬かよ! と思うモニカであった。

 尻尾をぶんぶん振って、物欲しそうな目で見つめてくるフェリ。


「これ食いたいのか?」

「うんうん!」


 尻尾が千切れるんじゃないってぐらい振りまくっていた。


「よし、じゃあみんなで食うか!」

「おー!」

「ありがとうなんよ!」


 再び亀の大食い大会が開かれた。


 *


 亀を食って地面に転がっている3人。

 みんな苦しそうに息をしている。


「大食い女王がいたとしてもデッドリートータスを3人で食うのは少し無理があったな」

「食えたんだから問題ない」

「こんなにおいしいものを沢山食べれて幸せなんよ」


 幸せそうな顔をするフェリ。

 そういえばなんで試合に出てたのか聞いてなかったのでモニカは聞いてみることにした。


「フェリはなんで勇者試験に出たんだ?」

「勝ったら英雄の爺さんと結婚できるって話だったから出場したんよ」

「あんな爺さんが好きなのか?」

「あの強さが欲しいんよ。今のヴァナルガンド族は昔ほど強くないんよ。そこで子どもを身ごもり勇者の血を取り込みヴァナルガンドを強くするのが私の役目だったんよ」

「あの爺さんは結婚してくれないと思うぞ」

「そうなん?」

「最近理想の嫁を貰ったらしく、浮気はしない主義らしい」

「騙されてたのか……。どんな顔をして里に帰ればいいんよ」

「でもよかったな。私と出会えた幸運を喜べ」

「ご飯を沢山食べたことをか? それなら感謝してるんよ」

「違う! 英雄の子供を産めるぞ」

「ほんとうなんよ?」

「ああ、私に任せろ!」


 *


 ということで戻ってきたアルティヌス邸。

 ラーゼルの部屋の扉を開けると、事後なのかラーゼルとラネットが腕枕をしながら語っていた。


「ラーゼルさん、あなたと久しぶりに……うおっ! モニカたち、なんで入ってきたんです?」

「夜這いに来たぞ! 子づくりしてもらいに来た」

「ちょいまて、夜這いならみんなが寝静まっている時間に来い! というか、今日はラネットさんとしたばかりだからもう無理だ」

「それなら安心しろ。これを食えば朝まで元気になれるそうだ」


 手に持っているのはグラトニーのおっさん製のデッドリータートスの山賊焼きだ。

 普通の人間なら3日は寝ずに頑張れる精力が付くとグラトニーが言っていた。


「いや、今日はラネットさんともう少しこうして……」

「つべこべ言わずに食うんだ!」


 無理やり口の中に放り込まれ食べさせられた。

 効果はすぐに表れた。


「うおおお! 身体中に血がたぎって止まらん! 体中にパワーがみなぎるううう!」

「私たちもそれを食べまくったので血のたぎりが止まらないんだ!」


 そして、ラーゼルとモニカとヒーラとビアンカとフェリ、ラネットさんと、騒ぎを覗きに来たメイミーも混ぜて夜のお遊戯会が行われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ