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ギルド

結局寝ないで寝る前の私が作った。

その日の失敗はその日に片付け、自分の行った違法作業も自分で片付ける、それが公安です(キリッ)

PK遭遇からゲーム内で3週間。つまりパーティー結成から3週間目の今日、俺とラドはギルドに来ていた。


ギルドとは、プレイヤーが仕事を受注する、つまりドロップアイテムの売却以外で、

基本的に唯一金を得る事が出来る場所、組織だ。


ドロップアイテムを売るのは、装備品などにも加工可能なアイテムを売り流してしまう行為であり、安く買い叩かれる事もある為、

最悪、殆ど利益を生み出さない結果となり、逆に損をする場合もある。


しかし、ギルドの仕事の場合、指定された物を集める、倒す、運ぶ、等の特定された仕事をこなす事で、ドロップアイテムを売るより利益率が高い。


……が、俺達は別に金を稼ぐ為に来た訳ではない。



「いやー、やっぱり毎日レベル上げだけじゃ、飽きちゃいますからねー」

「ああ、新しい物に手を出すのは、興味を長続きさせるには良い手だ。」

「零さんは、リアルでそうやって色んな事をやって来たんですか?」

「うん?ああ、そうだ。両親が色んな事をやらせてくれたんだが、やはりそれも途中で飽きる事が多くてな。

始めて数週間でやめるのは流石に親に悪いと思い、その中でやれる事の幅を広げてみたりした。」

「零さんの話聞くのって楽しいんですよね。

一昨日話してくれたジャングルの秘境を旅して、新しい民族を発見した話とか。」

「最初は槍を持って襲いかかって来たが、巴投げで何度も投げ飛ばしていたら仲良くなった。

民族料理も御馳走してもらったな。」

「それでその後、信仰してる民族神の御神体を見せてもらったり、近くのパワースポット的な場所に連れて行ってもらったりで、結局2週間位滞在したんでしたっけ?……ふふふっ、すごい話ですね。

………あ、このクエストどうですか!」


……ラドが初めてあった頃より、ここ数週間でかなり変化している気がする。

そんな事を考えているとラドが1つのクエストの依頼用紙を手に取って見せてきた。



「【隣の都市、『商業都市 ラーナ』までの道中の護衛、2日間 3万ゼル】…か。なかなか良いな。」

「報酬も潰したい時間も丁度良いですし、これにしますか?」

「俺は構わない。」

「じゃあ、受注して来ますね。」


依頼人との合流は昼に西門前となった。

それまで、俺達は暇潰しに初心者向け狩場のモンスターを殲滅して小遣い稼ぎをし、

その稼ぎを使って、ちょっと良い保存食を買って、旅に備えた。


そして昼12時丁度、西門前。



「今回は依頼を受けて下さりありがとうございます。私は商人のガラナ・マズカートといいます。2日間よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。僕は【魔法剣士】のラド・グマーナです。」

「俺は【錬金術師】の零刻だ。護衛の仕事、完璧にこなしてみせる。よろしく頼む。」


3週間の間で、俺は【開放者】の次に【拳闘士】をカンストさせ、その2つ共をリセット。

そして今は【錬金術師】のジョブを体験している。

そしてラドは、【速騎士】と【盾騎士】をカンストさせ、今は【魔法剣士】のジョブについている。



「はい!では早速出発させていただきます!

仕事内容は、グマーナ様と零刻様は荷車の座席で待機と警戒、荷物の護衛と、周辺の確認をお願いします。

本日の予定としては、夕刻までに山を越し、平原にて野営をさせていただく予定となっています。」

「了解しました。……じゃあ、夜の間の護衛どうします?」

「俺は錬金術師のスキル【夜間行動】の効果で眠る必要が無い。俺がやろう。」

「わかった。……零さんにそんなスキル持たれちゃ、夜襲うような人達は気の毒だな…」

「うん?何か言ったか?」

「いや、なんでも無いです。じゃあ、夜の護衛は任せました。」


さて、初めての依頼だ。気を引き締めて行こう。




« 視点 ・ リーダー »



『リーダー、対象は街を出て、西門から隣街に向かう様です。』

「了解した。何かまた行動を起こしたら伝えろ。接近し過ぎると気付かれる危険性がある。

注意して監視しろ。」

『了解しました。』



……西門から隣街へ、と言う事は、我々【黒夜の影】の拠点である山を通る筈だな。


丁度良い、私の顔に泥を付けた事に対する報いを受けさせてやろうでは無いか。



「セリカ、戦闘準備だ。この前のレイナとアイリを負かしたプレイヤーが拠点付近を通る。

戦闘には私とお前だけ……いや、私だけが参加する。お前は結界を開き、逃さない様に捕らえろ。」

「了解しました、リーダー。」


せいぜい私を楽しませろ、零刻。

次こそ寝たあとの俺に託す、頑張れ左!お前は今日までよく頑張ってきた!(エタリ✕2)今日も!明日も!その先も!左が折れることは、決して無い!!

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