仲間入手
この回は進展無し回だったとは言え、回を追う事に文字数が減っている……!?
「2度目になりますが、助けて下さりありがとうございました!」
カフェのテラス席で飲み物を待っていると、ラドがそんな事を言って来た。
「いや、ただ近くにいて興味が湧いたから行っただけだから、そんなに感謝されるような事じゃない。」
「だとしても、こちらは命を助けて貰った身です。感謝してもしきれません」
「そういう物か」
「そういう物です」
命を助けると言っても、ゲームだからな。
まぁ、俺自身がゲームでもリアルでも死にかけた事がないから分からないんだが。
「……俺だったらそんなに感謝しないけどな」
「…死にかけた事が無いからそんな事が言えるんですよ、実際その状況になるまで僕もそんな重要に思っていなかったですし」
「逆にその状況になるのが楽しみだな…!」
「零刻さんは狂人か何かですか?」
ラドこいつ意外と毒舌か?
それから少し雑談をして待っていると、頼んでいた飲み物が届いた。
「……ちゃんと味がする。」
ゲームの中で食べた物はちゃんと味覚に作用するのか。
「ちゃんと味がするのは良いですね、何の味もしないんじゃ損した気になりますから。」
「ああ、もしそうだったらイートエリアに二度と来なかっただろう。」
さて、今日倒したモンスター全体で得られたドロップアイテムの数は149個程度。
記憶通りであれば2万ゼル程度。
俺が頼んだミルクコーヒー1杯で3ゼルだったから、1ゼルは日本円に換算して100円程度の筈。
つまり今日の収入は20万円。
2010年代後半の大学卒の新入社員の月収位か。
今日買った剣が一本で2000ゼル、つまり2万円
中世の剣の値段と大体同じ位だったか?
まぁそれ位。
さっきは一番安い剣を買ったが、もう少し良い武器を買える筈だ。
ならこの剣は……うん?
「おいラド」
「はい、なんですか?」
「……お前、防具はどうした?」
今気がついた。
ラドは何故か防具をつけていない。
初期設定の時に渡される、防御力の無いただの服を着たままだ。
「……あっ、えっ?」
ラドが何かに気付いたかのようにステータスウィンドを開き、弄り始め……そして数秒後、ラドはしっかりとした装備を身に付けていた。
「いやー、あはは……つけるの、忘れてました……」
「………お前……」
毒舌か天然、どっちかにしろ、突っ込み切れん。
まぁ、これでラドも装備品は付けないと意味が無いという事を理解した筈だろう。
よし、俺が気にする事はもう無くなった。取り敢えず今からは明日以降の方針を決めるべきだ。
ある程度レベルアップと金集めもした。剣の少しいいのを買ったとしても1万6千は余るだろう。
なら、明日はスキルを強化したい。
スキル強化するなら、人がある程度集まっている中級者向けの狩場がいいだろうな。
だが、俺のステータスを傍から見ればただの雑魚。
レベルしか見ないアホは、カモだと思って襲って来る可能性が少なからずある。
その可能性を下げるために、誰か後一人位連れて行きたい。
だが、俺に付いてきてくれそうな奴なんて……あ、丁度いいのいるな。
「おいラド」
「はい何でしょう」
「明日、狩場行くの付き合って欲しい」
「わかりました、付き合わせていただきます」
よし。
俺はラドを仲間にした。
流石にこれは少ないので、昼に追加で更新します(やめろストックは4つも無いんだぞ)