就職、武具購入、戦闘
今回も2000文字を越えると思っていたお前たちの姿はお笑いだったぜ(1900文字)(悔しい)(2000文字行ってると思ってた)
光を抜けた先には街があった。
広がった光景は、俺が生まれ育った日本の光景とはまるで違っていた。
街の情景を例えるなら、中世ヨーロッパか。
「美しい…」
ここが、本当に現実ではないのか。
システムの理論は言葉にするには簡単だ。
脳に繋がる神経に思考加速装置を応用する事で干渉し、ヘッドギアから発生される電磁波で、干渉出来る範囲等を弄る。
そうする事によって、映像内で起こった事象を、現実で触った様に脳に錯覚させる事が出来るようになる。
だが、それを実証段階へ持っていけるだろうか。
思考加速があってもなお何年かかるのか。
「……まぁ、それ程までに人間がこれを待ち望んでいたと言う事か。」
さて、俺が来たのが王国と言う事は、右側に進んで3度目の曲がり角を右に、次の角を左に行くと見える武器のマークがついている建物が転職所だったか。
「行こう」
俺が手に入れた『天才』は万能型。
なら、当然俺が最初に就くジョブも万能型のジョブであるべきだ。
その場合選択できるジョブは3つ。
そして俺が最初に選びたいのは後衛ジョブ。
……なら、もう1つしかない。
俺は転職所に辿り着き、転職の書を開く。
そして開いた本から1つのジョブ名を触れる。
「俺が選択するジョブは、【開放者】だ。」
【開放者】
そのジョブが初期状態で持っているスキルは、【開放】。
武器であればSTR・VIT等効果を上昇、
アイテムであれば効果の上昇、
プレイヤーなどのジョブ持ちであれば、
ステータス1.2倍上昇・ジョブ未獲得スキルの一定時間開放
強力なスキルだが、このジョブを取っている人は今現在かなり少ない。
何故か?ステータスの上昇率が低いからだ。
万能型のジョブと判断されたのは、全ステータスの上昇率が同じ位だったからだ。
だが、戦闘職としてはその上昇率は非常に低い。
その低い上昇率は、ゲームをプレイする中で必ず枷になる。
ゲーム内で死亡した時に起きるデスペナルティは24時間のログイン制限とゲーム内で2日間のEXPの25%減少。
もしも、その24時間の間に特殊イベントが発生したら。
ゲーム内で4日間経過する24時間、その間に何かが起きる可能。
後続に抜かされる危険。
それを軽視していい理由は無いだろう。
それ故に、プレイヤーはステータスの上昇率を基本的に気にする。
だからこそ強力なスキルを持つ代わりにステータス上昇率が低い【開放者】は人数が少ない。
だが、俺はそれでも良い。抜かされる心配なんて無いんだから。
そして何より、俺にそれは関係ない。
「……さて、次は装備だな」
武具屋は転職所の隣だ。
まぁ、そもそもあまり沢山買うわけでは無いが
軽装備に膝アーマーと肘カバー、その装備品と合わせて黒系統の服。
後、弟子が作ったという試作品の小型アイテムボックスをも4つ。
剣を1つも買って、後は小回復薬を25個程度。
ドロップアイテムを多く回収して、なるべく金を手に入れたい。
そろそろ狩場に行こう。
スキルの使い方をしっかりと学ぶ為にもな。
「前方に3匹、背後に2匹、影に隠れているのが5匹」
先に1匹狩ってわかったが、スキルを使うまでも無いな
俺は剣を抜き、脱力して構える
脱力していると、全てが静かに伝わってくる。
見える。モンスターの静かな情報伝達の動きが。
伝わってくる。
………今だ
「ッ」
目を見開き、襲って来るモンスターの首を断つ。
このゲームの中では、基本的に首がモンスター、人間問わず一番の弱点だ。
首を断てば、魔法を使おうと意味の無い確実な死が襲いかかる。
……次に来るのは右後方と左前方、その次は影のモンスターが一斉に来る。
「ッッ」
右足を軸にして全方向のモンスターの首を断つ、所謂回転斬り
影の奴等が出てくる前に地面を蹴って飛び上がり、俺自身が影に隠れる。
標的の居場所が変わり、多少動きが鈍る間に1匹の首を断つ。
次は地面を使わず木の枝を伝って別の位置の1匹を中心から2つに両断。
「……知能が低く設定されているようで助かる」
俺が狙ったのは影の中で全体の指揮をしているように思えた1匹と、そのサブで活動していた1匹。
予想は当たりの様で、全体の指揮系統が崩れ、モンスター達が私怨で襲いかかって来る。
ここまでくれば、適当に相手取っても問題は無さそうだな。
力を抜くでも力を込めるでもなく、単純作業として首を落す。これで終わり。
「……呆気ないな。」
まぁ、初心者向けだ。上級者向けの所なら、もっと知能指数が高くプログラムされたモンスターも居るはずだ。
今は多分ステータスが足りないが、
いずれステータスがもっと上がり、上級者向けの狩場に行けるようになれば、今回よりも多少なりやり甲斐もある事だろう。
「……そんな事を考えるよりも今はレベル上げだな。」
今日は何匹位狩って終わりにしようか。
無意識の内に頬は釣り上がっていた。
これは予約投稿なので誰が見てて誰が反応したとかがわかりませんが、見ていただけるなら嬉しいです