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ログアウト・現実

とりあえず書く気が湧いてるので今のうちに書きます!!止めるな!!!

さて、装備も揃えて準備は万全。早速新しい狩場にでも行ってみよう…等と思っていたのだが。



「すみません零さん…そろそろ時間が…」

「あぁ、そういえばそろそろか。」


ラドは日本人ではない。ゲーム内で国籍の違いなど些末な問題だが、住んでいる国が違ければ当然時差が生まれる。

そして本人曰く、この時間帯から夕方辺りまで、または7時まではゲームをする時間が無いようで……まぁ、つまりは学校か仕事かがあるらしい。

ゲーム内で現実の話をするのは当然マナー違反なので、特にとやかく聞く気は無いし、相手の都合を受け入れるのが同じパーティーのメンバーとして良い在り方だろう。



「では、次ログインできたら再合流…チャットの一つでも送るかされたならすぐに向かおう。」

「それでは、そうさせていただきます…また夜頃に。」

「ああ、そうしよう。」


ステータス等の画面が出ているのであろう空中をポチポチと操作した後、手を振りながらラドは粒子になって消えていった。



「さて…。」


どうするか。装備品の試運転に行っても別にいいが、なんだか気分が乗らない。最低でも、一人で行くような気分ではない。

だからといって、特にやることがあるわけでも無し。

金に関しては例の奴で凄まじい桁になっているので、急いで依頼を受ける意味も無い。


……いや、そもそもゲームをやることだけが全てではないだろう。

最近ずっとこのゲームをやっていたせいで、常にこれをやることばかりしか…というより、ここが自分のいる世界だと無意識に考えていた。

俺だって人間、ラドと同じように現実がある人間なのだ。冒険者(人種)ではない。


先程のラドと同じように画面を操作し、ログアウトボタンを押すと、足元から体が粒子となってほどけていった。



▽▽



夢から醒めて、全身の神経に覚醒の鼓動が響くような感覚が。

身体に異常無し。強いて言うなら半日近く布団の上に転がっていたのと、ゲーム内との運動能力の違いで、体が少し重く感じる位か。後は……



「おはよう、玲……まぁ夜だけどね。」

「姉さん、勝手に部屋に入るのはやめてくれ。」

「いいじゃないか、姉弟だろう?」


だとしても…というより、それこそ親しき仲にも礼儀ありというやつだろう。まぁ言っても聞かないだろうが。



「VRギア…それはDream worldのか。酷いなぁ、私がプレゼントしたやつは断ったのに。」

「勝手に見るな……はぁ、自分のやりたいものは自分で手に入れる、それが(うち)の決まりだろう。」


家……刻時家は、代々天才の血筋だ…否、そうなるよう組み合わされた血筋、というのが正しいだろう。

家系図を詳しく、広い範囲で見ていけば、先祖にはアルキメデスやガリレオ・ガリレイ、レオナルド・ダ・ヴィンチ等々。

真偽は不明だが、記録上は『そうである』とされている。


そして、その血筋の優秀さを体現する『天才』が俺、刻時 玲(こくとき れい)と目前の姉、刻時 九十九(こくとき つくも )といえるのだろう。まぁ、姉は俺と違って特化型だが。


そんな優遇された血筋に産まれた者は、幼少の頃から厳しく指導を受け、家訓を脳裏に刻みつけられる。

『天より与えられし才覚に身を落とすべからず。寵愛に甘えず、心身を鍛え、智力を高め、神仏へ感謝の気持ちを努忘れずに。個々の在り方、此自由自在なりて、己が往く道へその才覚を発揮すべし。』

…つまり、『自惚れずに自分を鍛えて、それを与えた神仏に感謝し、自分が進むべき道を探してその鍛えた全てを使いなさい』という事だ。

なので、昔からやりたい事をするための環境は、何か言い出せば即座に用意してくれたが、それ以上はなかった。


()()()()()()()()()()()()()()、それが決まり事。暗黙の了解。


…だが、姉さんは本当に家の血筋で、俺と同じように教育を受けているのかと疑う程に干渉してくるし、相談事も投げてくる。

冗談半分に投げられたミレニアム懸賞問題を解いてみせた時の反応を見るに、本当に天才(同列)なのは間違いでは無いのだろうが……その後大金持ちと言いながら踊り出したので総計0だ。なお分け前はやらなかった。


一言で表すなら異質、特殊……いや、自我が強い?…と言うより全てか。そんな女だ。



「…で、何の用だ。流石に家の会社のトップ勤め始めた姉さんが暇が理由で来るわけも無い。むしろ仕事させに来たまで有りうるな、やらんぞ。」

「かーっ!けちんぼ!玲の多数同時処理能力は正直私も欲しいしコツがあるなら教えてもらいたい位でなんなら出費がかさんででも雇いたいのに~!!……ん~ま、用件は2つよ。いい話と悪い話どっちから聞く~?」


気の抜くタイミングと真面目になるタイミング、その二つをしっかりとらえて切り替える事によって湧き出る風格。会話相手に自分を掴ませない会話術だ。

姉さんはそういったテクニックを多数自力で身に付けている。端的に言って姉さんは『社会で上まで上り詰める技術』に特化した天才だ。当然それに必要な頭脳も持ち合わせている。

故に、姉さんにはミレニアム懸賞問題は解けないし、数百の事象を同時に最適解で解決することも出来ない。

しかし、口論や取引においては無敵の力を誇り、俺も本気状態の相手は厳しいと思える。

それほどに姉さんは口が回り、軍団指揮能力があり、策略の根で知らぬ間に相手を絡めとる事に長けているのだ。恐ろしい特化技術だ。


さて、投げられた問いに答えよう。上記の通りの力を持つ彼女が俺に持ってくる話題、どうやら面倒事なのだろう。なら…



「後の核弾頭を身一つで受ける前に、糖蜜の池で身体を癒しておこうか……いい話から」

「おっけ~!!そいじゃあ、まず大きな見出しを張り出してみようかなぁ!!」


どぅるるるるる~、と人力ドラムロールを行い屈みに屈んで…バッと立ち上がり、告げた。




「Dream worldの会社、いろいろあって倒産寸前になっていたので会社(うち)に取り込む事が決定しました~~!」





………はぁ?

次回で現実編(ストーリーの伏線張り)終了予定だから、次回のあとがきで忘れてなかったら、もしくは完成時眠くなかったら主人公のリアルステータスミニまとめかくわ。

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