部下を励ましたい(千鶴)
技術が発展したこんにちの日本。
私たちの暮らしは便利になっていく一方で伝統文化は危機に瀕している。
今に始まったことではないのだけどね。
電卓が出てそろばんがなくなったり
ゲームやスマホの登場で昔ながらの遊び、おはじきや折り紙と行った遊びもしなくなった。
こうした日本の伝統文化がなくなっていくことを危惧した
文化庁から昔の遊びの個展を開きたいという要望を受けパソコンを
使って今日は昔の遊びを調べている。・・・のだけど
「はぁ、俺はどうせダメなんだ。あ〜」
隣の後輩職員がうるさい。
いかにも構って欲しいと言わんばかりだ。
・・・まあ、雑音程度なら支障が無いからいいけど・・・
「千鶴さん。俺どうしたらいいんですか」
・・・仕事すればいいんじゃ無い?・・・
さっさとパソコンのキーボードを打って仕事をしてくれないかしら
山田、時間に対しての成果物を作れないなら税金泥棒と言われても仕方がないわよ。
「千鶴さん、千鶴さん」
話しかけてくるが、無視する。
昔の遊びとはいえ1つ1つの遊びに歴史があるのだから、
その辺も資料に加えたいけど全部写しても読み手の人も疲れるわよね。
大事なとこや共感できそうなとこ、時代の流れを振り返れそうな場所だけに絞って。
あとは文化庁の職員や当時のことに詳しそうな人が公民館で教室をなされてたから
そこから情報を集めましょう。
「山田、山田」
「マダオに何かご用ですか千鶴さん」
と、試験勉強で集中力の切れた学生のように机に突っ伏している。
「時間があるから隣町の公民館に行くわよ。
あとあんたやれば仕事できるんだからきちんとしなさいよ。
プライベートはマダオでいいけど。仕事中はやるおになりなさいよ」
マダオと自虐しているがこの男も大学は出ているのだ。
ただ、自信を喪失するとこの通り全財産をだまし取られたような心ここに在らず状態になる
何が、あったか知らないけど励ましてあげたいわね。
・・・・・・・何も思い浮かばない
後輩が落ち込んだ時ってどうやって声をかけたらいいのかしら?
マダオをやるおに変える言葉を誰か教えて欲しい。