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彼女と僕

彼女はなりふり構わずご飯にがっつき、あっという間に完食してしまった。


お茶をすする音がひびく。


「ふぅー、食った食った。感謝するぞ少年」


げっぷをしながら言った。せっかくの容姿が台無しだ。


「いえ、お気になさらず」


「そういえば自己紹介がまだだったな。私の名前はアリエル=フィネガンスだ。君の名前を教えてくれ。」


—外国の方なのかな?


「はぁ、僕の名前は鈴原 桐一です。」


「そうか。君はこの状況に驚いているかもしれない。しかし、私と君との出会いは偶然ではないのだよ。これは必然なのだ。そして私と君が出会ったのは()()()ではない。」


—何を言っているんだ?


「どういうことでしょうか?」


「あぁ、そうだったな。これの理由を知るには、まず私のことについて話さなくてはならない。」


「私は過去から来たのだよ。アトランティスという名の文明を知っているだろうか。」


—聞いたことのある名だ。何かに載っていたな。なんの本だったか。


彼女はお茶を手に取り語り出した。


「まぁ、知らなくてもいいさ。これから知ることになるのだからな。過去のアトランティスには現代の科学技術とは到底比べることが出来ないほどの技術が存在するんだ。そこには様々な物があるんだ。現代においてのオーバーテクノロジーってやつだ。色々なことを研究していくうちに私たちはある疑問を抱いたんだ。」


茶請けのお菓子が少なくなってきた。


「なんの疑問ですか。」


「なぜ世界は存在するのか。私たちはなぜ生まれて来たのか、という疑問をね。そして私たちはひたすら研究をした。仮説、実験、失敗これの繰り返しだった。あの頃はただひたすらに楽しかった。」

彼女はとても懐かしそうであった。


「そして、とうとう私達はこれらの研究から結論を得た。」


「どんな結論を?」


とても神妙そうな、辛そうな顔をして言った。


「私達は神に造られたのだよ。」


僕はあっけにとられた。


「ん?宗教的考えだとそうなんじゃないんですか?」


「すまない。言葉が足りなかったよ。神というのは人なんだ。つまりだな、この世界は仮想世界っていうか、宇宙人的存在によって造られた場所で、彼らにとっての実験場であらゆる生物が観察対象なんだ。」


—この話聞いたことがある。


「そしてその真実を知ってしまった私達は神の手に滅ぼされた。その時にこの時をつかさどるペンダントでここに逃げてきたわけだ。」


—僕の持ってるペンダントに似ている…。なんだこの既視感は。


「そして最初の質問に戻るわけだが君は子供の頃からの記憶がないだろう?」


僕は目を丸くした。


「どうして、それを…。」


「何故なら君はアトランティス文明の生き残りだからだよ。」


頭に激痛が走った。目の前が真っ白になり僕はそのまま気を失った。












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