0 period -それぞれの夏-
この度、趣味で執筆させていただきました。「なばゆー。」と申します。
今回私が執筆させていただく小説は、私の高校時代での体験に基づいた、
半分フィクションであり半分ノンフィクションのバスケットボール小説です。
あ、登場する人物は性格、特徴等は私の友人を参考にしていますが架空の人物ですのであしからず(笑)
私の高校時代にかかわってきた人は、「あ、この登場人物あいつそっくりやww」とか「このエピソード知っとるww」とか思いながらぜひ読み進めてみてください!
なにぶん初めてこういった長編の文章を書かせていただくので、稚拙な点も多々あるとは思いますが、その辺は温かい目でご覧になっていただけると幸いです(笑)
それでは、前書きはこの辺にして...。
個性豊かな21人と彼らに関わっていく人々が織り成す青春バスケ物語,
「WEST BOYs」の幕開けです!
-進藤 翔-
(この問題は大丈夫そうだな。)
小学生のころから勉強しかしてこなかった。
勉強することが当然のことのように思っていた。
勉強は楽しいかそうでないかと言われると僕は趣味といえるほどの楽しいものではないと思う。
たまに「勉強が趣味だ。」というようなやつもいるが、あれはがり勉通り越してもはや変人の域だ。あ、もちろん僕ががり勉であることは自覚している。
勉強しかしてこなかった僕だが、高校へ入学したら何か趣味を持とうと思う。
そうだなぁ...。卓球でも始めてみるか。
...いかんいかん。今は"西高"に受かるためにも勉強しなければ。
「カラン」
コップの中の氷が溶けて鳴った。
-南波 悠馬-
焦げ付くような夏の日差し。
少しばかり周りより高い小さな丘。
まるでここだけが周りとは別世界のようなこの場所が俺は好きだった。
これが最後だからであろうか。
これまでの記憶がまるで走馬灯のように次から次へと頭の中をめぐる。
そんな思考を遮り俺は汗のしみついた赤黒いグラブのなかで白球を握りしめた。
俺の一挙手一投足に皆の目線が集う。
相棒の出すサインに迷いはない。
様々な思いがグラウンドに渦巻く中、俺は最後の一球を大きく振りかぶった。
-相沢 克典-
ここに立つといつも胸が高まる。
スターターの合図を待つこの時間、なぜか気が遠くなる程長く感じる。
緊張、不安、勝利への希望...。いろいろなものが俺の頭の中をめぐる。
「ピー」
「ザバァーーンッッ!!!」
合図がされるや否や8人が一斉に水中へと飛び込む。
水を掻く手に力が入る。
(力むな...。力みは命取りになる。)
残り50m。
誰よりも速く、数十秒前飛び出したあの壁へ。
隣の選手がトップに躍り出るのを横目でとらえた。
(負けて...たまるかッ!!!)
「誰よりも速く」
ただそのことのみを思い、俺は水の中を駆け巡った。
-守屋 圭人-
あつい。
(シュパッ!)
なぜ日本の夏はこんなにも暑いのか。
(スパーンッ!)
なぜこんな暑い中俺はこの蒸し風呂の中でボール追いかけてるのか。
(シュッ!)
今日の晩飯何かな。
(スパッ!)
あつい。
高校入ったらバスケやめるか。
守屋 圭人、中学総体でのある試合での総得点62。