もしも空から
「もしも。もしもある日突然、空から美少女が落ちてきたら栞、お前ならどうする?」
「はい?ちょ、いきなり何ですか?」
「俺は相当びっくりすると思う。ブスでも美少女でも関係なく、とりあえずびっくりすると思う」
「……私としては自分の彼女にそれを尋ねる島太郎さんにびっくりです」
「とまあ、そんなことを二時間目の十七分過ぎた頃からずっと考えてたんだ」
「また微妙な時間帯から……。ていうか長っ。もう放課後ですよ。どれだけ囚われてるんですか」
「そうなんだよ。頭の中でずっと『いった~い…。はっ!!わたし落ちちゃったんだ!?』(CV:千草栞)っていうのが永遠リピートしてるんだ」
「それはそれで大変そうですけど、(CV:千草栞)って私の声使うのだけはやめてくれません!?スゴイ恥ずかしいので」
「いや、なんか栞以外の声は嫌だったから」
「おっ…えっと……なら、別に、良いんですけど…」
「…………プッ」
「何で鼻で笑ったんですか!?」
「まあ、それはいいとして」
「良くないですよ…」
「話が逸れたから戻すぞ。栞、お前は男だ。テストを受ければ平均点ぴったり。身長体重も平均ぴったり。友達もそれなりに、くらいものっそい普通のな。そんなお前の元にある日の朝、突然見知らぬ美少女(金髪希望)が落ちてきた。さあ、どうする!?」
「……結構設定作りこんできましたね。でも、どうするっていうのは周りの状況によると思います」
「ほう!!なかなかに冷静な答えじゃないか!!して、その状況とは!?」
「どこでテンション上げてるんですか…。ま、一番最初に確認するのは天井ですよね」
「なぜだ?」
「だって空から落ちてきたんでしょう?必然的に天井ぶち抜いちゃってるじゃないですか」
「ふむ、なるほどな。では、空からではなく単に寝ているところに美少女が落ちてきただけ、という状況ではどんな対応をするんだ?」
「対応もなにも、朝いきなり見知らぬ女がダイヴしてきたら即110番ですよ」
「くっ、ああ言えばこう言う。なんて嫌な女なんだ……」
「島太郎さんそれは彼女に言っていい言葉じゃない!!」
「あー。ゴメリンコ」
「腹立つ!!何でしょう、この人スゴイ腹立つ!!」
「とりあえずゴメリンコと天井のことは忘れろ。会話は原点に立ち戻り『美少女が空から落ちてきた』ということ
についての会話とする。なお、次の議題はその美少女の『美少女度』だ」
「無理矢理ですね……。私はたまに島太郎さんの彼女であることに若干の不安を覚えます。それと、『美少女度』
って何ですか?」
「その女性(13才~18才限定)の美しさ、可愛さを総合して数値化したものだ」
「一見、頭よさそうに聞こえましたが良く聞くとバカの妄言ですよ!?」
「基準はクラスのちょっと気になるアノ娘くらいの感じで数値は50だ。因みに数値が10上がるごとにH、G、F…A、S、SSとなる」
「細かい!!絶対にいらない設定じゃないですか!!そのランク付け!!」
「栞、お前は勿論SSだぞ」
「えっ……ってやめてください!!その冗談で人をドキドキさせるの!!もう引っかかりませんよ」
「俺が冗談言ってるように見えるか?」
「ぅあ……ちょ…っと…顔近いですよ?島太郎さん?」
「俺の目をしっかり見ろ」
「島太郎さん………」
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………プッ」
「笑うんじゃなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!」
「いや、だって顔近づけただけで目ぇ閉じて、唇突き出して……プッハ」
「わかってたのに!!こういう人だっってわかってたのにぃ!!!」
「ナニ?発情したの?」
「オブラートに包んでください。発情してないけどねっ!!」
「まあまあ、落ち着けよ」
「誰のせいだと思ってるんですか」
「栞と喋るのは楽しいな。毎回何か新しい発見があるよ」
「私の話聞いてませんよね?島太郎さんが一方的に喋ってるだけですよ」
「やっぱり美少女の声は(CV:千草栞)に限るな!!」
「やっぱり会話の流れガン無視じゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」