表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/47

午後から休みをもらった慎一郎さんと一緒に買い物をして、家に着いた時は午後3時過ぎたころだった



それから洗濯物を取り込んだり、晩御飯の支度を一緒にして、一段落ついた頃には、今日美智子と話したことを、一通り話し終えていた



「美智子さんも、誰かに話したかったんだろうね」

「うん、そうだと思う」

「それにしても、うちの会社の担当者が、美智子さんなんて、凄い偶然だね。美智子さんの会社って、確か……」

「I企画だよ。」

「今度、うちの会社から新商品発売するって言ってたから、その担当だろうな。それとなく、関係部署に聞いてみよう」


『新商品発売って……

F社は日本を代表する総合商社っていうのは知ってるけど、結局何をやってるのかっていうのは、よく分かんないだよね。

慎一郎さんはそんな会社の海外事業部の部長さんで、36歳なんかでそんな肩書き持ってることが、異例だって結婚式の時にF社の偉い人が言ってたような気がする……

ちょっと待って、F社って海外にも支店とかあったよね

て事は、慎一郎さんが海外にも転勤とかしちゃったら……』



「祥〜子。そろそろ戻っておいで」

「……慎一郎さ〜ん」

「お帰り、祥子。どうした?泣きそうな顔してるけど?」

「私、英語出来ません〜」

「は?」



今の妄想を慎一郎さんに話すと、思いっきり笑われた


「本当に祥子といると厭きないね」


まだ笑ってるし


「大丈夫、25歳から33歳まで海外勤務だったから、しばらく海外に転勤はないと思う」

「海外勤務って……。じゃ、英語なんて当たり前にしゃべれるんですか?」

「そうだね。あと、ドイツ語とフランス語は日常会話程度には」


スーパーマンだ!ここにスーパーマンがいる!


「それって、経験を積んだから本社に栄転したってこと?F社って本社、日本でしょ?」

「そうだね。でも栄転かどうかは僕には分からないけど」

「誰が考えてもそうだと思う……それに……」

「何?たまにはトリップせずに、口に出してもいいよ?」


でも、こんなこと言ったら嫌われそう……


「祥子、大丈夫だから言ってみて?」


私、今の口に出てた?


「祥子は顔に全部出るからね」


慎一郎さん……


「……結婚相手、本当に私でよかったの?」

「……それ、どういう意味?」


ほら、怒ってるし!


「私じゃなくても、もっと慎一郎さんにふさわしい人が、いたんじゃないかって……。私、英語すら話せないんだよ?こんな私より、もっとバイリンガルな人と結婚したほうが、良かったんじゃないかって……」



ダメだ、泣きそうだ


すると慎一郎さんは、私を抱きしめて、背中を優しくなでてくれた

私は我慢できなくなって、やっぱり泣いてしまった



「祥子の涙、結婚式以来」

「う゛〜……」

「僕の奥さんは、祥子なんだから、不安にならないで?」

「だって……」

「祥子以上に僕にふさわしい人なんていないから」

「どうしてそんなことが言えるの?」

「どうしてって……」


慎一郎さんの両手が私の頬を包み、おでこ同士を合わせてこう言った


「祥子を愛してるから」


私は慎一郎さんに抱きついて、また泣いてしまった

慎一郎さんは、ギュッて抱きしめてくれた

私が泣き止むと、慎一郎さんが聞いてきた



「祥子、晩御飯って、まだあとでいいよね?」

「??」


すると耳元で、囁いた


「抱いてもいい?」


顔を真っ赤にして、何も言えない私の返事も聞かず、慎一郎さんは寝室へ私を連れていき、ベットへ押し倒して、深いキスをした



「慎一郎さん……」

「祥子、好きだよ……」

「私も好きです。慎一郎さん……」


そして、今までで一番熱く愛し合った


読んで下さってありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ