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やりたいこと。

いつものように放課後図書室へ向かう。

高校での生活にも慣れ、委員会の仕事にも慣れてきた頃、図書委員会では

「図書委員おすすめの本」

と言う図書委員が好きな本やぜひ読んでほしいというような本を図書室内に掲示するといったイベントをするらしい。僕は本が好きで図書委員会に入ったわけではないので、少し困っていると

「柊くん!」

といつものように月待さんが声をかけてきた。

「ん、どうしたの』

「いや、もうすぐ自分のおすすめの本、紹介するでしょ?柊くんはなにか決めたのかなって」

「あー、まだ悩んでるよ」

正直悩んでいると言うところまで至っていない。なにしろ好きな本どころか題名が浮かんでくる本すらない。なので適当にネットで調べた本でも提出しようと思っていた。

「そうなんだ。私はね、もう決めたよ」

「え、もう?どんな本にしたの?」

もう決めたと言う彼女の発言に少し焦りを覚えながらおもわず聞いてまった。

「この小説!」

彼女は嬉しそうに一冊の本を見せてきた。その表紙に書いてあった題名は

「私と君の儚い青春」

というものだった。いかにも恋愛小説といった感じの表紙には高校生の男女二人が浜辺で肩を寄せ合っているイラストが添えられていた。

「恋愛小説なんだね」

「うん!この小説ね、すごいキラキラした青春が書いてあるの。私が送りたい青春が全部詰まってる。だからこの本すごい好きで、みんなにも読んでほしいなって」

月待さんはとても愛おしそうな目で本を見ながら言った。

「好きなんだね、その本」

「うん、大好き。ね、柊くんも読んでみてよ」

「え?」

「まだ本決まってないんでしょ?ならこの本が一番好きな本になるかもしれないよ?ね?ほら」

月待さんはそう言って僕にその小説を差し出してきた。僕は彼女の勢いに負けて渋々本を受け取ると、月待さんは満足そうに笑った。

「その本にはね、私がやりたいことが書いてあるの。この小説に書いてある出来事、場所、風景、全部味わってみたい」

そう言った彼女の横顔はどこか悲しげだった。

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