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⑪エリスの夢

私は森の中を1人歩いていた


何だかずっと同じ所をぐるぐる周ってる気がする…


「なんで森から出れないのよっ!」

早くしないと日が暮れてしまうわ急がないと…

しかしどうやっても同じ場所に出てしまうのだ。


「はぁ…花どころか家にも帰れないじゃない」


アスターの花だってせっかく見つけたのに崖の下だなんて、本当についてない。でも諦めない、あの花を持ってルカに会いに行くのだから。


歩きながらふと幼少の頃を思い出す

ルカにあの、アスターの花の事を教えてもらった時の事を…


「満月の夜に1度だけ蕾が開くんだよ。そしてその美しさは星が煌めいたようにキラキラ光ってるんだって」

「えっ!何それ!すごいっ」

「私、いつか絶対探してみせるわ、それでルカにプレゼントする!必ずよ」

「あはは、それは嬉しいなぁ、楽しみにしてるよ」


キラキラした花なんて何て素敵なんだろう…絶対見てみたい!


「後ね、アスターの花は綺麗なだけじゃないんだ。その美しい花を開いた時1度だけ近くにいた者の願いを叶えてくれるって云われてるんだ」


「願いを?」


「うん、でも必ず叶えてくれるわけではないみたい。本当に花の気紛れで、しかも近くにいた者が沢山いた場合も誰の願いが叶うかわからないらしい。まぁ、その話は本当かどうかは不明だけどね、誰かが作った俗説かもしれないし」

「そうなのね…でも私は信じるわ!だって願いが叶うんでしょ、凄いじゃない」


そしたら私はルカとずっと一緒にいれますようにってお願いしたいな…いや、仲良くかな~うーん。

でもルカがいてくれなきゃ意味ないから、そうだなぁ…

ルカが元気で長生きできますように、かな!


そんな事を思い出し思わず笑ってしまった

懐かしいなぁ。


今だったら何を願うのかしら、自分でもわからない

きっとその時にならなければわからないよね。


あぁ、早くルカに会いたい…

そしてエリスはまた1人森の中を彷徨い歩くのだった。



***


「ルカが戻ってこないわ…」


シャノンはルカが王都へ旅立ってから常に情報を集め把握している。新聞には隣国との関係が更に悪化し開戦間近とも記載されていた。

だが新しい魔道具が開発されたなどの情報は全くない…


「いったいなにが起きてるの…ルカは無事なのかしら」


ルカがいなくなればエリスがどれ程悲しむか…もうあの子にそんな思いをしてほしくない


とにかく情報が欲しいわ

シャノンは王都に知り合いがいるというアランの元へ向かった。


アランの家へ行くと村長が出てきた

「おお、シャノンどうした?アランか?」

「ええ、アランは?」

「今裏の畑にいるからそっちへ行くといい」

「わかったわ、ありがとうおじさん」


そう言って畑へ行こうとすると


「シャノン、アランとはどうかな?」

「え…?」

「その…お互い年齢の事もあるし、一緒になるならわしは大歓迎だからいつでも良い報告待ってるよ」

「………ええ、その時は、また。じゃあアランの所へ行くわまたねおじさん」


おじさんの中でもアランと私はすでに恋人同士になってるらしい。いや、多分村中で思われているのだろう… 

アランの事は嫌いではない、むしろ…でもだめなのだ。


裏の畑へ行くとアランが水撒きをしている所だった

「アラン」

「シャノン!?どうした、ここへくるなんて珍しい」

「うん、ちょっと聞きたい事があって」


それから王都の実情を聞いたみた

もし可能ならルカの居場所も


「俺も聞いた話だから詳しくはわからないんだけど、王都は今かなり混乱してるらしいよ。それと、やはり新しい魔道具なんかは出てないみたいだね」

「そう、新聞に載っていたのと同じね」

「後…これがルカ君のものかは不明なんだけど、数人の反逆者が捕らえられていると聞いた」

「反逆者…?ルカは国へ逆らうような事はしないわ」

「うん、俺もそう思うけど。ルカ君は戦争が有利になる魔道具を作れという王命を()()()()()、と言って王都へ向かったんだよね…?それって国に逆らうって事にならないかな?」


シャノンはハッとする

ルカは戦争へ加担する物は絶対に作りたくないと言ってた…命令に背けばそれは国への貢献を拒否したってことよね。

今国全体が混沌としている中、少しでも国王の意に沿わない者がいればそれはすなわち…


「まさか…ルカが捕らえられている?」


私はすぐに王都へ行く事を決心する

今動けるのは私しかいないのたから…










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