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①ルカとの出逢い

エリスは森の中を数時間かけて歩きやっと目的の場所へと辿り着いた。


数ヶ月前やっと見つけたある花の場所まで。


「あった…、良かったまだちゃんとあるわ」

ルカが幼い頃に私に教えてくれた花。


ルカが村を出て大きな街へと働きに行ってしまってから

ずっと探してた。その花を見つけたられたらきっと素直に想いを伝えられそうな気がしたから…


毎日森の中を宛もなく歩きようやく見つけた花。

けれど花は手が届かない崖の下の方に咲いていた…


諦めきれない私はどうしたらいいのもかと悩んだ。


すると、姉が何を悩んでいるのかと聞いてきたので迷ったがつい話してしまった…ずっと姉もルカが好きなんだと思っていたから言うつもりはなかったのに、打開策が欲しくて藁にもすがる思いで相談したのだ。


すると姉はルカの事は好きだが弟のように思ってるだけだと言い、更には魔法薬までプレゼントしてくれたのだ!


今までルカの事もありギクシャクしていた姉との関係を深く反省し今までの謝罪をし、そして感謝した。


姉がくれた魔法薬は何と空を飛べてしまうというとんでもなく凄い物。こんな高価な薬をどうやって入手したのかは疑問だが感謝し少しずつでも姉にお金を返していこうと思った。


ただ、この魔法薬は数分しかもたない。

なので時間をかけれない分かなり危険を伴うのだ。


けれど諦める気はない…必ず花を手に入れルカに届けたい。そして気持ちを伝えたい…


私は崖のギリギリの所に立ち花の位置を再度確認し薬を一気に飲み込んだ。


そして勇気を出して崖から足を一歩踏み出した…





***



何でも父親が重大な犯罪を犯し没落した貴族一家がこの村にやって来るとの噂が日々大した話題もなく退屈していた村人達の間に瞬く間に広がった。


真相が真実かわからないが数日後、本当に村に新しい家族がやって来た。


母親と姉、弟の3人だけ、これは噂通りなのかもしれないと暫くの間はその事で持ちきりだった。


しかし朗らかで優しい人柄の母親に可愛らしい子供達はあっという間に村に馴染み皆がそんな噂もあったっけ?くらいになるのも長くはかからなかった。


私はその頃10歳でその家族の弟ルカと同い年だった事もありよく一緒に遊んだ。


第一印象は色白で弱っちいやつ。


この村の子供は皆元気いっぱいで悪ガキみたいなのが多かったせいかルカはとても目立っていた。

白い肌に品の良さも持ち合わせていて何だかムズムズしたが、私はルカの事が嫌いではなかった。


「ねえねえ、これは何て言うの?」

私はルカの家にあった図鑑を見て指差して聞いた


ルカの家には見たこともないような立派な本が沢山置いてあったのでしょっちゅうお邪魔させてもらっていた。


「それはアスターの花だよ」

ルカは字が読めない私に優しく教えてくれる


「アスター?何それ」


「アスターの花は別名星の花とも言うんだよ、とっても不思議な花なんだよ」


ルカはものすごい博識で知りたがりの私の質問に何でも答えてくれた。


「不思議ってなんで?どう不思議なの?」


「満月の夜に1度だけ蕾が開くんだよ。そしてその美しさは星が煌めいたようにキラキラ光ってるんだって」


「えっ!何それ!すごいっ」

そんな花が存在するのね、なんて素敵なの!


「私、いつか絶対探してみせるわ、それでルカにプレゼントする!必ずよ」


「あはは、それは嬉しいなぁ、楽しみにしてるよ」


そして満月の夜に2人で一緒に見れたらいいな…って、これは内緒!


それからもほとんど毎日のように2人で会う日々が続いき、いつの間にかルカのお姉さんのリーシェさんやお母さんのジルさんとも仲良くなり私達一家との家族ぐるみの付き合いも増えていった。


お互いの姉も歳が近かったのかすぐに仲良くなったみたい。


その頃は何も考えずそんな関係が楽しくて仕方なかった。





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