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プロローグ『空を飛ぶなんて、笑い話だった』

 「お客様、ご搭乗ありがとうございます」


 そう言って深くお辞儀をするたび、私の中の“昔の私”が何かを噛みしめている。


 ーーあの頃の私は、誰にも挨拶すらできなかったのに。


 空を飛ぶなんて、昔の私からしたら笑い話だった。CAの制服に袖を通した自分の姿を、鏡越しにじっと見つめる。


 ーーあんたが?あの凛が?キャビンアテンダント?


 鏡の中の私は、そんなふうに鼻で笑ってる気がした。


 地べたを這うように生きてきた私が、まさか空の上に立つ日が来るなんて思いもよらなかった。

 でも、あの日、確かに思ったんだ。「このまま終わるのは、ダサすぎる」と。


 誰にも必要とされなかった教室。メイクとピアスで心を守ったあの時代。世界から見捨てられたような気がして、夢なんて怖くて持てなかった。

 だからこそ、あの日、機内で見たCAの笑顔は眩しかった。


 ーーこれは、「CAになんてなれるわけない」と笑われた言われた、笑えるくらいに不器用で、少しだけ誇らしい私の人生の物語。

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