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全応探偵  作者: 龍宮路・零・夜斗
第1章 狙われる探偵
3/8

ただし1ついや、2つ、条件がある。

「ほう、ならば警察が動いているのでは」

「はい、事件が起きた当時は警察がいろいろ調べてくれてました。でも、結局は自殺ということで結論づけて捜査は終了。あとは想像通り、彼の家族や親族、僕を含めた友人数人で葬儀を執り行いました」


一ノ宮は当時のことを思い出しながら、ゆっくり話した。

「でも、僕はヤマが自殺をするなんて、考えられないんです。あいつは確かにインドアで臆病な性格だけど、だからこそ、自殺なんて非合理的な手段はとらない。。。そんな度胸は無い、、、と僕は思うんです」

一ノ宮は自分の感情から声に力が入っていることに気づきながらも、言いたい事は言うべきだと、目の前にいる、遷宮路なら話をちゃんと聞いてくれると直感的に感じていた。

「だから、ヤマは殺されたんです。怪しい奴は居るんです。でも、、、証拠がない」

一ノ宮の声は徐々に尻すぼみになり、しばらくの沈黙が2人を包む。そして、遷宮路が口を開いた。


「よくある話だな」

「!な!」

話しながらいつの間にか下を向いていた一ノ宮は、驚きと少しの失望を抱き、顔を上げる。


一ノ宮が見た遷宮路の顔は静かに笑っていた。

「要するにこう言うことか。

ある1人の男が死んだ。

現場は明らかに自殺。警察もそう判断した。

しかし、男をよく知る友人は、

彼が自殺なんかしないと言う。

怪しい人物はいるが、物的証拠が無い。」


遷宮路は自身の椅子から立ち上がり、部屋を舞台の様に歩きながら、一ノ宮の話を要約し再び投げかける。

「だから、遷宮路よ、犯人を見つけ出してくれと!」

遷宮路の動きに呆気に取られる一ノ宮だったが、最後の問いにかろうじて反応した。

「そ、そうです!お願い出来ますか?」


遷宮路は再び静かに笑い、答える。

「依頼人、一ノ宮零弍くん。初めにも言ったが、依頼は既に承っている。この私が引き受けたと言ったら必ず解決する。どんな手を使ってでも、それが私の流儀だ。ただし1ついや、2つ、条件がある。」

遷宮路は、一ノ宮の座るソファの横に立ち、指を2本立てる。


「条件?なんでしょうか、僕に叶えられるのであればですけど、、、」

一ノ宮は条件と聞き背筋が伸びた、とんでもない依頼料をふっかけるとか、ここでの記憶を消すために薬を飲ませるとかだろうか。

遷宮路は親指を立てる。

「まず1つ目は、これからの行動を私と共にする事」

続けて、人差し指を立てて2つ目をカウントする。

「2つ目は、依頼料だ。もちろんタダで受ける訳では無い、慈善団体では無いのでね。半分前金、残りは解決後に支払う事」

遷宮路は一ノ宮の顔をみて、自分のデスクに戻った。

「以上、質問は?」


一ノ宮は内心ホッとしていた。もっと悪い想像していたから。そして同時に1つ疑問が生じた。

「1つ目の行動を共にするって言うのは、遷宮路さんのやり方なのは、何となく想像がつきます。2つ目の、前金と解決後に支払うのはどうしてですか?」


遷宮路は少し嬉しそうに答える。

「いい質問だ!1つ目は一ノ宮くんの言う通り、私の独自のやり方だ、過去に色々あったのでね。2つ目の前金と後金だが、前金は支払われた私の責任だ。一律五万としている。そして後金は事件解決の報酬だ。額は一ノ宮くん、君が決めることになっている」

「僕が決めるんですか!?でも、分かんないですよ、相場とか、、、」

遷宮路はこの話をした時の相手の反応を見るのが、毎回の楽しみでもあった。

「はは!確かに、相場なんて無い。と、言いたいところだが、言ってしまえば前金と同額が1番多い。だが、あくまでも解決結果に対する報酬だ、だから結果に満足できない人もいる。例えば1000円2000円の時もあった。逆に結果に満足した人もいた。過去の例で言えば300万現金即金の時もあった。よって言いたいことは、一ノ宮くんが結果に納得出来るかどうかが1番大事だと言うこと、それを金額で表すただそれだけの事だ」

「わ、わかりました」

一ノ宮は金額に驚きつつも、了承した。


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