夏嫌い
カラカラカラカラカラ
古い扇風機から変な音が僕の部屋に響き渡る。体中汗だくであった。起きる時間はとっくに過ぎている。頭ではわかっていても体が動かない。しかし僕は知っている。もう起きなければ母親の「いつまで寝ているの」という雷が落ちることと、起きないことと天秤にかけてところ起きることを選んだ。窓からセミの大きな声が聞こえる。僕は夏が嫌いだ。小さいころから嫌いであった。暑いし、虫も嫌いだし、友達とわいわい遊ぼうとも思わなくなる。何より汗をかくのが、嫌いである。今七夕に願いを書くなら間違いなく、夏をなくしてくださいである。そう考えながら、いつものように文房具と勉強のしなさすぎで新品同然の教科書を入れ、階段を下りた。
「おはよう、たくや。やっと起きてきて、昨日も夜遅くまでゲームしてたでしょ。」
母が言った。
「だいぶ前から起きてたよ。降りてきたのが遅かっただけさ。」
嘘をついたがばれるのは嫌なので、すぐ食卓に座り、用意してあった食パンをかじり始めた。
「おはよう、お兄ちゃん。」
今日は午後からの授業なのか、普段は早起きの妹の優子が起きてきた。
「夏休みだからってだらだらしないで勉強しなさいね。」
「もちろんだよ。」
と軽い返事でかわす優子。あんたもよという目線が送られたのを後ろで感じた。
「ニュース速報です。立て続けに住民が留守の家が何者かに燃やされるという事件が起こりました。警察では詳しい・・・」物騒の事件だなと思いつつ、時間がギリギリだったので、いってきますと言い、家を出た。
出る時はぎりぎりだったが、意外と余裕で学校についた。校門をくぐったところで、担任が呼び止めた。
「今日転校生が来るんだが、卓也の席の隣が空いているだろ?いろいろわからないことがあるだろうから仲良くしてあげろよ。」
「めんどくさいですよ、隣がいないので、優雅に過ごせてたのに。」
窓際の一番後ろの席は卓也の席だった。勉強が嫌いな卓也は授業中によく景色を見るのが好きだった。隣がいないので、一人だけの時間だったので、それが壊されるのがとても嫌だった卓也は、変更は無理とわかっていたが、抗議してみた。しかしよろしくと軽く流された。今日は最悪な一日になりそうだと思った。転校生が来るのは、本来ならばとてもうれしいが、隣でなおかつ世話係ときたら、話が違う。仲良くしないで、冷たくいこうと考えていた。
そう考えているうちに、ホームル-ムのチャイムが鳴り、転校生の高田拓斗が来た。サラサラヘアーが特徴的な真面目そうな子であった。卓也の隣に来ると、
「初めまして。わからないことばかりで迷惑かけるかもだけど、よろしくね。」
と言った。自分がさっきまでのことを恥ずかしく思い、めいいっぱいの元気な声でよろしくと返した。休み時間、二人でしゃべっていると、共通点がとても多い。ゲームの趣味が全く同じで、好きなキャラも同じであった。さらには好きな食べ物、好きな芸能人まで同じであった。仲良くなるのに時間はかからなかった。卓也はなかなか友達を上げないのだが拓斗だけは例外であった。気がつけば休み時間はいつもお一緒であった。転校してきたのは、一週間ぐらいしかたっていないのに、幼馴染のような中であった。
ある日もいつものように遊ぶ約束をしていたので、拓斗の家に自転車で向かっていた。家に着いたら、拓斗は不在だったのか、親が出てきて何の用ですかと尋ねてきた。どうやら拓斗も家に自転車で向かってきてくれていたみたいだった。同じことを考えていたんだなと思い、うれしく感じ、来た道を戻った。三丁目の角を曲がったところで、とても人が集まっており、嫌な予感がした。
人が集まっていたのは自分の家の前であった。そしてその中心にいたのが倒れている拓斗であった。背筋が凍り体が動かなくなった。何が起きているのかわからなくなり、パニックである。何も考えれなくなり、頭には遠くからこちらに聞こえてくる救急車の音だけであった。それからのことはよく覚えていない。卓也が家出た後に、それを見ていた例の放火魔が卓也の家を燃やそう放火しようとしたのだった。しかしすれ違いで、来た拓斗は放火魔から守ろうと必死に戦ったという。現在拓斗は病院で意識はまだ戻っていない。卓也は毎日病院に通い続け、反応のない拓斗に話しかけた。例の放火魔が捕まったらしいのだが、そんなことはどうでもいい。拓斗が無事であれば。神など信じたことはなかったが、神頼みもした。何が何でも生きてほしかった。
毎日考えているので、卓也はとても寝不足になり、その日はすぐ眠りに落ちた。そして、卓也は夢を見た。拓斗と楽しく遊んでいる夢だ。拓斗はとても元気であった。サッカー、野球、ゲーム、そして勉強。たくさんのことを過ごしていた。が、目を覚ますとそれが夢であったことをすぐに理解した。拓斗といかない学校はつまらないものだった。このままずっとなのかなと嫌なことを考えてしまう自分がいる。学校帰りに拓斗の好きなアイスを買って、いつものように病院に向かった。病院の扉を開けると、夕日の光と一緒に、聞きなれた声が聞こえてきた。
「俺の好きなアイスじゃねーか。ありがとな。」
やっぱり僕は夏が嫌いだ。
どうも、就職活動真っただ中の大学生です。犬好きです。たこ焼きも好きです。彼女大大大大募集中です。そんなことはどうでもよくて、小説って書くと難しいですね、、、舐めてました。初めて書いたのですが、自分でも笑うぐらい下手ですね。
小説書ける人は天才だなと改めて感じました。また暇だったら、書いてみようかな、、、いや、無理だろうな。就職活動頑張ります。