部屋の写真(意味怖)
ある日、俺は友達を家に呼んだ。最近引っ越したばかりで落ち着いたら何人かで宅飲みをしよう、という話をしていたからだ。夕方頃に友人を何人か呼び馬鹿騒ぎしたりその様子を撮ったりしていた。その日は一晩中騒ぎ倒して日付が変わる頃に眠った。
解散してもう一眠りしようかと思った。先程解散したメンバーの中の1人から「心霊写真じゃね?」というメッセージと共に一枚の写真が送られてきた。
そこにはベッドを背景に映る俺と友人たち。そのベッドの下には男の顔がこちらを睨みつけていた。そして俺とメッセージをくれた友人の頭の間から覗く女と思われる虚ろな顔。
俺はまさかと思いつつも霊媒師に鑑定して貰えるようにネットで検索をした。幸いその日のうちに見つかり会ってくれるとのことで、近くのファミレスで霊媒師と会った。
その人は写真を見るなりこう言った。
「この方は、幽霊ではありません」
あぁ、よかった。なら、この2人はなんなんだろうか。そういえば、と俺の頭はとある話を思い出していた。この手の話で幽霊ではなく実は知らない人間が部屋に入り込んでいた、というものだ。
俺はその足で警察署に駆け込んだ。実を言うと心当たりがあったからだ。ものが少し移動していたり、ドアが開いていたりしたからだ。
警察官と一緒に部屋に戻る。ドアを開け警察官が先に入る。部屋を捜索するとやはりというか、ベッドの下には見知らぬ男がいた。おや?と俺は思った。確か写真には女も写ってたはず。もしかして、もう部屋にはいなかったのか。男は事情聴取のためにパトカーに乗せられて行った。パトカーに乗せられる前に男は逮捕される恐怖のためか真っ青な顔色をして小さな声でこういった。
「金を盗む目的で入った。だが、俺はベッドの下から出てない。女が……女が昨夜から部屋にいたからだ」
俺は、すぐに霊媒師に電話した。
複数なら「この方たちは」になるはずですが、霊媒師は「この方は」と言っています
つまり女性の方は本物の幽霊です