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レッスン1(ゲームの進化)Part1

 「ただいまー。やっぱり我が家が一番落ち着くわね~!!」


 「おい、ここは俺の家だぞ。というか、お前は何をしに来たんだよ?」


 キャニスと食事を終えた俺は、下宿先に帰ってきた。そして、なぜかキャニスもついてきた。


 「やー、どうせ家帰っても暇だしさー。駄目だった?もしかして忙しかったりする?」


 「いやまあ、今日明日は暇だけど。」


 「良かった!!それじゃあ、一緒にゲームでもしようよ。私も明日暇だし、徹夜でゲームできるね!」


 「さいですか……何のゲームするの?」


 「うーん、何がいいかな?」


 「二人で遊ぶとなると(Full)(Dived)(Virtual)(Reality)ゲームは無理だよな……家には一つしかダイビングユニットが無いから。となると、|U《Untouchable》(Virtual)(Reality)ゲームか(Augmented)(Reality)ゲームに限られるな。」


 「そうね。そもそも、FDVRゲームするんだったら一緒の空間で過ごす意味もないしね。うーん。なんかいいゲームあるかな……」


 「UVRのゲームで"Drive in the Nature"ってレースゲームあるの知ってる?レトロゲーだけど景色が壮観で今でも人気なんだ。」


 「あ、知ってる知ってる~。ダウンロードしてたはず……」


 そういいながら、拡張現実を機能付きメガネの電源を付ける。手元に仮想の画面が表示される。アプリ一覧を確認して……うん、俺はダウンロードしてあるな。

 キャニスも手元を操作している。ダウンロードしていなかったようなので、今からダウンロードするみたいだ。


 「うへー、850PB(ペタバイト)あるのね……ダウンロードに五分くらいは掛かりそうだわ。」


 「そっか……おやつでも食べとく?俺はお腹いっぱいなんだけど……」


 「さっき食べたばかりだしね、私も無理かなー」


 「だよなあ~。あ、じゃあ早速だけどUVR、AR、FDVRの違いと発展について教えてよ!」


 「え?もう書き出すの?」


 「いや、書き始めるのは許可が下りてからだけど、まあ練習がてらさ。」


 「えーー、今日の事はブログには載せないんでしょう?許可が下りてからで良くない~?」


 「えーー。キャニスの授業受けたかったなあーー。チラ!チラ!残念だなあーー。チラ!チラ!」


 「もー、まあミツニがそう言うなら……」


 「おおーー。いいねいいね、ありがとう!これからはもっと複雑な話題についてとかも講義してもらうつもりだし、こういう具体的で話しやすい話題で講義の練習していこう!」


 「そうね……それじゃあ始めるわよ。」


 「よ!待ってました!ヒューヒュー!」


 「やっぱり辞めとくね。」


 「ごめんなさい、調子に乗りました。」


 「素直でよろしい。じゃあ、まず初めにUVR、AR、FDVRの違いについて改めて整理しておきましょうか。それじゃあ、ミツニ君、説明できるかしら?」


 「えっと、UVRは」


 「はい、当てられたら返事しなさい!」


 「ノリノリだね……はい!キャニス先生。UVRは非接触仮想現実の略です。名前の通り、視覚と聴覚だけしか味わえない物の総称です。ARは拡張現実の略です。これは、基本的には現実世界が見えていて、そこに仮想の物が映って見える形式の物です。FDVRは全身感覚仮想現実の略です。これは全身の触覚、視覚、聴覚を味わう事が出来る物の総称です。」


 「よろしい。すなわち、機械を通して味わう事が出来ない五感は味覚、嗅覚の二つね。」


 「先生!どうしてその二つは実現できていないのですか?」


 「いい質問。触覚、視覚、聴覚の三つと味覚、嗅覚の二つは明確な差があるわ。それは『物理的感覚』か『化学的感覚』かの違いね。接触は言うまでもなく物理的な感覚よね。『触れられた』という物理的な刺激を感じる訳よね。次に視覚、これも物理的な感覚よね。『光』という物理的な刺激を目が受け取ることによって生じる感覚です。最後に聴覚だけど、これは『空気の振動』という物理的な刺激を耳が受け取っているわ。だからこれも物理的感覚ね。」


 「なるほど、では『化学的感覚』とは何ですか?」


 「化学的感覚は化学物質が体に触れた時に生じる刺激ね。例えば味覚は舌に乗っている特殊な細胞が食べ物に含まれる化学物質と結合したときに発生する感覚だわ。また、嗅覚も鼻の中の特殊な細胞が空気中に漂っている化学物質と結合したときに発生する感覚。どちらも細胞と化学物質の結合が感覚のキーになっているよね。」


 「なるほど……確かに、物理的な刺激を機械から生み出すことは簡単ですよね。一方で、化学的な刺激はガスを放出したりしない限り生み出すことは出来ないという訳ですか。」


 「そういう事。」


 「それじゃあ、次に機械はどうやって電子データを聴覚、視覚、触覚に変換しているのかを教えていくわね。」


 「よろしくお願いします。」


 「聴覚はかなりシンプルで実はここ数千年、あまり進化していないわ。」


 「え?!という事は今僕たちが使っているスピーカーと同じものを数千年前の人たちも使っていたという事ですか?」


 「そうなるわね。もちろん、細かい変化は起こっているわよ。まずは基本原理から説明するわね。コイルと言ってどんなものか想像できる?」


 「導線がグルグル巻かれたものですよね?」


 「そうよ。そのコイルに電気を流すと磁石としての性質を持つの。聞いたことはある?」


 「はいあります。電磁石ってやつですよね。」


 「正解。さすがミツニ君、偉いわね。この電磁石を使って空気の振動を起こしているの。コイルに電気信号を流したり止めたりしたとする。そしたらコイルは磁石になったり磁石じゃあなくなったりするわね。そしてこのコイルの近くに磁石を置いたとしましょう。どうなるかな?」


 「そうですね。コイルと電磁石がくっついたり離れたりするんでしょうか。」


 「その通り。その振動が空気の振動を発生させ、音が出るという訳ね。」


 「なるほど。想像していたよりも簡単な仕組みですね。」


 「これが最も初歩的とされている音の発生装置よ。あとはコンデンサ型、イオン型、その他様々な種類のスピーカーが開発されてきたけれども、どれも根底にある原理は同じよ。『電気を流したり止めたりすることで、膜をプルプル振るわせる。』これがスピーカーね。」


 「はい、良く分かりました。」

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