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4次元って何だろう。異空間って何だろう。

 パラレルワールドって聞いたことがあるだろうか?今生きている世界とは異なる別の世界が存在するという考え方だ。異世界に行って活躍したいという願望も言わばパラレルワールドへの憧憬かもしれない。他にも、「人が遭難するエリアがあり、そこに入った人は異界へと飛ばされる」といったオカルトもパラレルワールドと関係がある物であろう。

 また、異世界と似たような意味で用いられる「異空間」という概念がある。「スキル『異空間収納』は様々な物を無限に収納できる!!」というようなチートスキルとしてライトノベルに登場する他、「異空間を使うことで瞬間移動できる」というような逸話も「異空間への憧憬」と言えるだろう。

 さて、なぜそんな話になったのかと言うと……


 ロボットの進化や歴史についてキャニスに教えてもらったその日、彼女の要望通り、俺の手料理を振舞うことになった。こういう料理に使う野菜は俺が家の野菜栽培室で作っている物なのだが、なにせ一般家庭で作れる野菜の量というのは限られている。


 だから、こうつぶやいたのだ。

 「なんか、この先が無限の敷地が広がる異空間だったらいいのになあ。」

 と。


 それを聞いていたキャニスが俺にこう返した。

 「いわゆる縦横高さ以外の次元があってほしいという事ね?でも、異空間やパラレルワールドの存在があったとしても、使える物とは思わないわ。」


 「いやまあ、今の技術では無理だけどさ、数千年後にはきっと異空間収納が実現されているかもしれないだろ?」


 「私はそうは思わ無いわ。そもそも、異空間や四次元のことどう捉えているの?」


 「え、どうって言われても……この世界とは異なる世界がいくつもあるという事くらいの認識だけど?」


 「そうなのね……せっかくだし、ご飯食べ終わったらそのあたりの話をしましょう。」


 「は、はあ。お願いします。」


 という事になったのだ。



 「まずは、次元の定義から話したいのだけど、まず0次元、1次元、2次元、3次元ってどんなものか分かる?」


 「0次元が点、1次元が線、2次元が平面、3次元が空間ってよく聞くけど、いまいちよく分かっていないんだよね。というか、この認識自体正しい物かな?」


 「あっているけど、補足説明をするね。0次元が点とは言うけれども、ビジュアル上の"()"とはちょっと違うかな。どちらかと言うと、0次元の世界とは移動が許されない世界の事を指すと言えばわかりやすいかな?」


 「移動が許されない?」


 「いったん0次元はおいておいて、1次元の話をしようかしら。一次元の世界とは動ける方向が一つだけの世界ね。数直線上の点と考えてくれたらいいかな。人間で言うならば、ものすごく細い隙間しかない通路で前に進むか後ろに進むかしかできない。そんな空間が一次元の世界かな。ここで注目したいのは前に進む・後ろに進むというように移動という概念が存在するわ。さらに言うと、自分のいる地点のすぐ前には『別の地点』が存在しうるわ。数直線で言うならば0地点、1地点、2地点......というような感じね。」


 「なるほど?」


 「0地点、1地点、2地点って三か所を挙げたけれども、実際には無限の地点があるわ。だから一次元の世界というのはある意味あり得る概念ね。果てしなく伸びる超細い世界みたいなイメージかしら。」


 「うーん。そうすると、0次元の世界とは自分のいる地点以外が存在しない……というよりかは地点という概念が存在しえない世界になってしまうよね。」


 「そう。だから、0次元とは何かと聞かれると『なにも存在しない空間』という事になってしまうかしら。」


 「なるほど。じゃあ同様に2次元とは高さがなくて、前、後ろ、右、左にしか進めない平坦な世界という事になるのかな。」


 「そうなるかな。そういえば、アニメや漫画の事を2次元って言ったりするじゃあない?あれはおかしいよね。」


 「どうして?平坦な『スクリーン』の上でしか動けないから2次元じゃあないの?」


 「だって、キャラクター同士が重なったり、背景があったりするじゃあない。重なり合う事が出来るという事はスクリーンの手前と奥という概念が存在する事になってしまうでしょう?実際、プログラミング上でも、ああいうキャラクターを操作するシステムは基本的には3次元データとして扱っているわよ。」


 「え、そうなの?」


 「基本的なゲームに使われているグラフィックス関連の処理はを司る"Graphic Library"は基本的には3次元データを処理するような使用になっているわよ。」


 「へー、そうなんだ。じゃあ、ゲームやアニメの二次元CGと言われている物も、三次元空間上に平面を配置しているって感じなのかな?」


 「そうね。だから、私はアニメや漫画の事を2次元と表現するのは違和感を感じるけど、まあそれは今はおいておいて。そういう訳で、次元の定義というかイメージはだいたいわかったかしら?」


 「ああ、そうすると四次元とは一体何なんだ?」


 「イメージを伝えるのは難しいわね。分かりやすく3次元+時間の4次元で考えるとすれば、自分がどこにいるのかという情報以外にいついるのかという新たな情報が加わっているよね。こんな風に、自分がいる地点の前後、左右、上下に別の『地点』が存在するだけでなく過去未来にも別の地点が存在するわよね。そんな感じかしら。」

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