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料理

VR上でチャットできるアプリがあります。それをしてみようと思ったのですが、家の通信環境では厳しかったです。

未来の世界ではこういったこともなくなっているのかな?

 スナック菓子を注文し終えた。待つこと約5分、ベランダに設置してある呼び鈴がなる。扉を開けると、運搬ドローンが荷物を運んできてくれている。受領書にサインすると、ドローンは去って行った。受け取ったスナック菓子を机の上に並べる。


 「うわ、結構な量買っちゃったなあ。」


 「まあ、余った分は適当に分け合いましょう。あ、後で払ってもらったお金送るね。」


 「いいよ、これくらい。お菓子の料金をわざわざ割り勘させるほど器が小さい人間じゃあないよ。」


 「ほんと?じゃあお言葉に甘えちゃおうかしら。それじゃあ、せめて残ったお菓子はミツニが取っておいて。」


 「おっけー。次にキャニスが遊びに来た時用に取っておくよ。」



 俺がジュースを汲んでいる間に、キャニスがお皿の準備をする。


 「「頂きまーす。」」


 「最近、面白いことあった?」


 「そうね……あ、この前人気バンドBlueBerryTeaの最新リリースのCD買ったわ。色々なジャンルの曲が収録されていて良かったわ。」


 「へー、買ったんだ!!どんなのが収録されているの?」


 「前半12曲はポップな雰囲気の曲で、勉強中とかに聞くとやる気が出る曲ね。後半12曲は静かな感じの曲で、寝る前に聞いて心を落ち着けているわね。」


 「なーる。確かにB(Blue)B(Berry)T(Tea)ってポップな曲も静かな曲も良いよね。どっちのジャンルも収録されてるのかーー、俺も買おうかな。」


 「ぜひ買って頂戴!!気に入ると思うわ。ミツニは何か面白いことあった?」


 「そうだなあ。あ、家庭菜園室を増やしたよ。」


 「へえ!前も十分沢山野菜育ててたわよね。さらに増やしたの?」


 「うん。温度と湿度の調節ユニットから出る熱を利用した温室ユニットを買ったんだ。結構高かったけど、いい買い物をしたよ。一気に育出られる野菜のバラエティーが増えたからね。今日の夕飯も楽しみにしといて!!」


 「ええ!」


 そんな風に近況報告をしているうちに日が暮れてきた。


 「それじゃあ、料理を始めるとするか。」


 「待ってました!」


 家庭菜園室に生えている、野菜を収穫する。肉も調理済みの物ではなく、生の物を買う。そして、材料がそろったらキャニスの目の前で調理を始める。


 「手際がいいわよね~。流石、料理のプロだわ。」


 「いやいや、俺は素人にすぎないよ。」


 「素人が高級レストランのバイトなんてしないでしょう!!ミツニは十分プロよ。いや~、こう言うのはなんだけど、私ミツニの友達で本当によかったわ~。いつでも高級なオーガニック料理を食べさせてもらえるなんてほんと恵まれてるわ。これからもずっと友達でいようね。」


 「こちらこそ、君という数少ない貴重な友人を失いたくないよ。キャニスがそばにいてくれたら、場の空気が明るくなって本当に楽しいよ。まあ、たまに騒がしすぎて疲れるけど。ともかく、今後ともよろしくね。」


 「さ、騒がしすぎるって……もうちょっと落ち着いてる方がいいかな?」


 「辞めてくれ、そんなことになったら、逆に心配する。」



 「完成!!今までで一番上手かな!」


 「おおーーパチパチー」


 「本日のシェフの気まぐれサラダはこちらでございます。温かい地域でしか採れない特殊な品種の里芋をメインにしたポテトサラダ。そしてメインディッシュはステーキでございます。」


 「え、えっと。ありがとう。それでは頂くわ。」


 「お味の方はいかがでしょう。」


 「そうね……へえ、ステーキにかかっているソースが絶品ね。おいしいわ。これは秘伝のソースなのかしら。」


 「ええ、秘伝の品ですので詮索は無しという事でお願いします。」


 「あら、残念ね。うちの料理人に作らせようと思ったのだけど。まあ、またここに来ればいいかしら。」


 「是非、また来てください。」


 「一応ノリに乗ってあげたけど、いつもこんな接客してるの?」


 「まあね。かっこいいだろう『秘伝の品ですので詮索は無しという事でお願いします』って。」


 「まあ、プロが言ってそうなセリフよね。それにしても良かったの?秘伝の品を作ってる様子を私に見せて?」


 「ああ、大丈夫。どうせ覚えてないだろう?まあ、覚えてたとしても、公開したりしないだろう?万が一にもキャニスが悪用するんだったら、お前はそう言うやつだったという事で縁を切るだけだし。」


 「さらっとそんなこと言わないで!!まあ、覚えてないし、悪用したりしないけど。」


 「ともかく、俺も食べようかな。うん、自分で言うのもなんだけど、美味しいな。」


 「ほんと。深みがある味で本当に美味しいわ。また作ってよ。」


 「もちろん。」


 その後も楽しく談笑しながら日は暮れていく。



 「今日は楽しかったわ。それとごちそうさまでした。」


 「俺も、久しぶりに羽を伸ばしたよ。またいつでも遊びに来てね。ごちそうするよ。」


 「ありがとう。それじゃあ、明日はFDVRゲームするってことで。」


 「オッケー。取り敢えず、FDVRホームで落ち合おうか。8時からってことでいいよね。」


 「ええ、それじゃあまた明日。」


 ふう。それじゃあ明日に備えて今日は早い目に寝るとするか。

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