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50. 成功の秘訣は繰り返し見てもらう 前編

【第50回 2022.6.1】『成功の秘訣は繰り返し見てもらう』 前編を配信


 【ロックインや、ザイオンス効果といいます】

 アメリカのIDC社の調査によると、西暦2000年の時点で世界に流れた情報量は1ゼタバイトを超えたのだそうです。


 ゼタとは10×21乗のことで、地球上の砂浜にあるとされる【砂の粒の数】とおよそ同じ量とのこと。

 月日が流れ、2020年は40ゼタバイトに到達したのではないかと予測されています。地球上の砂浜にある全砂つぶの40倍ですから、まさに天文学的数字。


 それだけの情報の大洪水の中で、こうして私がつたないコラムをしたためても、わざわざ注目してクリックしてもらう、読んでもらうのは至難の業でしょう。

 ということもあり、昨今のマーケティングの理論では、


 ・新しいお客様を常に獲得し続けるのは、ムリゲーしんどい

 ・無数の生まれては死ぬコンテンツの中から、自分を見つけてもらうのは難しい

 ・そこで、ずっと応援してくれる固定客をつかむのが大事なんじゃよ


 というように「固定のファンを得る」ことの重要性が叫ばれています。

 ファンであれば、お気に入りに加えてくれたり、定期的なチェックを習慣化してくれるでしょうから、お得な情報発信も目にとまりやすいだろう。

 一期一会、奇跡的に1度、来てくれたお客さんは意地でも放さねえぞ! という理屈ですね。


 じゃあ、「固定ファンを得る」ためにはどうすればよいのか?

 という疑問が生じますが。あるマーケッターの先生は「お客さんに店に3回来てもらう」ことを目標にするのだと仰っていました。


 例えば、ラーメン屋などで配布されているスタンプカードとかが挙げられるでしょうか。1杯食べると、スタンプが1つ押され、10個スタンプが溜まるとラーメンが一杯無料。とかのあれですね。

 繰り返しラーメン屋に来てもらうことで、愛着を持ってもらう。

 いわゆるロックインや、ザイオンス効果が生じる状況に持ちこもうとしているわけですが。(※1)(※2)

 しかし、最初の目標が10杯ではさすが遠すぎます。よほどのラーメンマニアでなければ、スタンプを溜めるまで何か月(あるいは何年)かかるか分かったものではない。ですので、


 ・スタンプ3つ:味玉1つ無料

 ・スタンプ5つ:麺大盛か好きなトンピンク1つ無料

 ・スタンプ10つ:ラーメン一杯無料


 というようにまずは、達成が容易な3回お店に来てもらう(3杯ラーメンを食べてもらう)という目標を提示するとよい。

 それから、5回、10回と足を運んでもらい、我が店自慢のラーメンの味の虜になってもらう。

 心理学でいうシェイピング法といわれるもので、やる気がない人には簡単な課題から挑戦してもらうことで、途中でフェードアウト(挫折)することなくお店に通い続けられる環境を整えるわけです。


 脳科学でも『2週間に3回、ある快・不快な記憶を思い出すと――その記憶が脳に、長時間固着させる』とされているようで。

 ならば、2週間で3回、そのサービスを利用してもらえれば、良くも悪くも記憶に、印象付けられるだろう。という仮説も成り立ちそうです。この『2週間に3回』理論は、


 ・ソーシャルゲームのログインボーナス(※3)

 ・ホームページの更新頻度

 ・プロYoutuberを目指す方の動画の投稿頻度

 ・カクヨムへの投稿頻(以下略)


にも応用できそうですね。


■ 今日のまとめ ■

・自分の作品を見つけてもらうのは難しいよ

・固定ファンをつかむのが、今のマーケティングの主流っぽい

・まずは3回、あなたのコンテンツに触れてもらうのが大事だよ



(※1) ロックイン

 一度お気に入りの商品やお店ができると、新しいものを試すのがおっくうになり、後に類似したサービスが表れても同じ商品を使い続ける心理のこと。お気に入りの銘柄のシャンプー、携帯電話のキャリアを変更しないこととかも該当するでしょうか。


(※2) ザイオンス効果

 接触する機会が増えるほど、その人への好感度が増す法則のこと。単純接触効果とも。ただし一説には、好意を持っている対象には接するほど好感度が増すが、嫌悪感を抱いている対象には出会うほど逆に嫌悪感が増すとか。

 

(※3)

 3日目とか5日目のログインボーナスにちょっと豪華目なものをしこんでおくのは、たまに見かけますね。


【自己紹介 板皮類 学名:ニョロリマス・オパーイスキー】


 ばんぴるいと読む。美少女ゲーム業界で14年。

 その後、一瞬だけソーシャルゲーム業界にいた、元企画屋&シナリオライター。

 毎週、新作エロゲを300円で8週間連続発売するなど、コンフォートゾーンから飛び出す、変わり種企画が持ち味だった。

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