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37. 人間の感覚小全集

【第37回 2021.10.1】 人間の感覚小全集 を配信


 【手触り、匂い、味――といった感覚の描写は、表現力の肝!】

 【ならば知らねばなるまい! 感覚の仕組みをッ!】


夏休み特別企画。

秋に公開予定だった『人間の感覚小全集』の第1話を公開しました。

これだけでも貴方の作品の感覚表現の肥やしになるはず…?

続きは、10月の頭に公開予定です。


 1986年より週刊少年ジャンプに連載され、アニメ化もされた人気コミック『聖闘士星矢』に、乙女座のシャカというキャラクターがいました。

 彼の得意技の1つ『天舞宝輪』は、人間にあるとされる五感を1つずつ奪い、やがて、相手を戦闘不能に陥れるという、脅威の大技。

 このように昔から、人間には五つの感覚が備わっているとみなされてきました。

 が、しかし、現代医学・生理学の観点からいって、それは正しい見解なのでしょうか?


 シナリオライティングにおいても、音、匂い、手触りといった描写は、表現力の肝。

 そこで、正しい知見を身につけ、表現力の一助としていただくためにも、本日より3回に分けて、感覚とはなにかという問題に触れていきたいと思います。


 まず、一般的に五感といえば、味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚の5つですが、生理学では以下のように分類されます。


 ・五感のうち【味覚】【聴覚】【視覚】【嗅覚】の4つは、特殊感覚にカウントされる

 ・五感の残り1つである【触覚】の概念は、皮膚感覚または表在感覚にあたる


ざっと、まとめるとこんな感じでしょうか。

さらに、代表的な感覚の分類を図解すると以下のようになるのですが、まぁ、



■ 人間のもつ感覚の分類 ■

  ┃

  ┣━ 特殊感覚

  ┃  ┣━ 【視覚】

  ┃  ┣━ 【嗅覚】

  ┃  ┣━ 【味覚】

  ┃  ┣━ 【聴覚】

  ┃  ┗━ 【前庭感覚】

  ┃

  ┗━ 一般感覚

     ┃

     ┣━ 体性感覚

     ┃  ┃

     ┃  ┣━ 表在(皮膚)感覚

     ┃  ┃  ┣━ 【温度】

     ┃  ┃  ┣━ 【痛覚】

     ┃  ┃  ┣━ 【触覚】

     ┃  ┃  ┗━ 【圧覚】

     ┃  ┃

     ┃  ┗━ 深部感覚

     ┃     ┣━ 【筋肉の伸張】

     ┃     ┣━ 【関節の運動・位置覚】

     ┃     ┣━ 【振動覚】

     ┃     ┣━ 【重量覚】

     ┃     ┗━ 【深部痛覚】

     ┃

     ┗━ 内臓感覚

        ┣━ 【血圧】

        ┣━ 【肺胞の膨張】

        ┣━ 【内臓痛覚】

        ┣━ 【血糖値】

        ┗━ 【血液の成分(O2,CO2,浸透圧)】



 ※ これらの合わせ技として複合感覚(部位感覚、二点識別覚、立体覚、皮膚書字覚など)や、平衡感覚がある。



(´-`).。oO(よく、わかんねぇ…)


 となる方が大半でしょうか。そうだよね。

 だからこそ、このコラムでは順番にかみ砕いてご紹介していきますのでご安心を。




●特殊感覚とは


 生理学では、感覚をまっさきに『特殊感覚』と『一般感覚』の2つにわけます。

 それぞれ、


 ・特殊感覚:脳と直接、神経でリンクしている感覚 (※1)

 ・一般感覚:背骨にある脊髄を介して、脳に神経が繋がっている感覚


 と、説明すれば、なんとなく伝わりますか?

 そして前者の特殊感覚(脳に直接つながっている感覚)は、5つ存在します。

 【視覚】【味覚】【嗅覚】【聴覚】【前庭感覚】の5つです。


 それぞれ、目、舌、鼻、耳――そして、前庭感覚は耳の奥に中枢があり、どれも人の頭部にセンサーが集中しています。

 だから、脳に直接神経が繋がっているわけで……。

 おそらく、ここまでは明快。

 そこで初回では、この比較的イメージしやすい、【視覚】【味覚】【嗅覚】【聴覚】【前庭感覚】から、それぞれの仕組みと豆知識について、触れていきます。


●ざっくりのまとめ


 視覚:眼球で光を集め、『網膜』で感じるよ

 味覚:甘味、苦味、酸味、塩味、旨味の5成分を、味蕾で感じるよ

 嗅覚:396種類の匂い成分を感じた組み合わせで、匂いを判断するよ

 聴覚:鼓膜の振動が、蝸牛の中の液体を震わせるよ

 前庭感覚:半規管、卵形嚢、球形嚢の中の液体の流れ方で、重力や加速を感じるよ


 ※ 前庭感覚は、平衡感覚つまりバランス感覚の中心だよ



●視覚


 視覚は目で感じるものですが、より細かく分解すると


 ・眼球の『角膜』『水晶体』『硝子体』で光を集め

 ・その奥にある『網膜』にある視細胞が光を感じる


 ことになります。なお、視細胞は赤・青・緑の光を感じるヤツ(錐状体視細胞)と、暗闇に順応するためのヤツ(杵状体視細胞)の2つがある模様。

 『水晶体』は、よくカメラのレンズに例えられますね。近くを見るときは厚くなり、遠くを見るときには薄くなり集めた光の屈折率を変えます。(※2)


 その後、目で得た情報は、視神経 → 視交叉 → 視索 → 大脳へと伝達。

 大脳に至った情報は、色々な部位で活用されるのですが、1つ中枢を上げるとすれば高次視覚野のある後頭葉――すなわち、脳の後ろの方で解析が行われます。

挿絵(By みてみん)


 人気格闘コミック、グラップラー刃牙シリーズでは『頭を強打して、景色が歪んで見える』という描写が散見されますが、たいていは後頭部を打った時に発生しているように見受けられます。

 視覚の中枢である、後頭葉に刺激が入ったから景色がどろどろぐにゃぁぁと歪んで見えた。という解釈なのかも。


 なお、目という機能には多くの神経・筋肉がかかわっており、


 ・見た情報を脳に送る:視神経

 ・眼球を動かす:動眼神経、外転神経、滑車神経、外側直筋、上直筋など

 ・まぶたを開く:顔面神経、眼輪筋


 と、それぞれかかわる神経や役割が違います。そのため、


 ・見えるけど、眼球が動かせない。

 ・眼球は動かせるけど、見えない。

 ・見えるし、眼球も動かせるけど、まぶたが開かない。


 と、いった具合にひとえに目の不調といっても、いろいろなパターンがあります。



●味覚


 味覚は、舌に10000個ほど味蕾と呼ばれるふくらみがあり、その中にそれぞれ味細胞というセンサーが50~150個ほどあって識別します。


 味には、甘味、酸味、苦味、塩味、旨味の基本の5種類があり、塩味だったらナトリウム、甘味だったらスクロース(糖分のこと)という風に、対応する成分が存在。

 該当の成分が、舌の味細胞センサーにふれることで、味を感じます。


 なお、5つの味と、代表的な成分の対応はこんな感じ↓


 ・甘味:スクロース(糖分)  舌先で感じやすい

 ・酸味:水素イオン      舌の横側で感じやすい

 ・苦味:デナトリウム     舌の先、あるいは舌の付け根で感じやすい

 ・塩味:ナトリウム、リチウム 舌の先や、舌の横側で感じやすい

 ・旨味:グルタミン酸     感じやすい場所は不明


 併せて、上に示したように味によって、舌でも感じやすい位置が変わります。


 なお、甘味に、酸味、苦味、塩味、旨味ときて、なにか足りない味があるのではないか? と思われたかもしれません。

 本格麻婆豆腐や、カレーライスを食べたときなどにピリリと感じる、辛味ですね。


 中華料理における五味といえば、甘、酸、塩、苦に加えて、辛味であり、我々の舌を楽しませてくれる、刺激的なエッセンスですが。

 生理学、医学上で辛味は、狭義の味に含まれません。


 なぜなら、辛味の正体とは、【痛み】と【発熱】の複合体であり、味細胞とは別のセンサーが受け取る感覚だからです。

挿絵(By みてみん)


 その証拠に、お砂糖たっぷりのアイスクリームを腕に塗りたくっても甘さを感じることはできません。しかし、唐辛子の成分の入った液体を腕に塗りたくると、そこが熱くなり、またピリピリと痛みを生じますよね。

 腕に味細胞はありませんが、痛みや熱を感じるセンサーはあるため、このような違いが現れます。

 (なお、痛みや熱の感覚については、次回で触れます)



●嗅覚


 嗅覚は、味覚と関連づけられることが多い器官です。

 鼻の穴の粘膜(穴の上側にある嗅上皮)に、嗅細胞というセンサーが点在しそこにニオイ成分がふれると、匂いを感じます。


 お気づきかもしれませんが、『成分がふれる』というキーワードが共通するように、舌で感じる味覚と仕組みが非常に似ています。また食べ物は、舌の味覚だけでなく、鼻の嗅覚も使って味わっているのは有名な話。

 味覚と嗅覚は兄弟みたいなもの。2つ合わせて【化学感覚】ともいいます。

挿絵(By みてみん)


 ただ、違う点もあり、味覚の基本は5種類しかないのに対し、嗅覚は40万種類ものパターンをかぎ分けます。

 より正確に表現すれば、嗅細胞は396種類があり、


『甘いニオイに反応するセンサー』が反応 + 『酸っぱいニオイに反応するセンサー』が反応 = 『甘酸っぱいニオイ』と判断


 というように(上記はわかりやすくした例であり、本当はもっと繊細な判定を行っているけど)、反応した匂いセンサーの組み合わせで40万という膨大な種類のニオイをかぎ分けます。


 また、嗅覚のセンサーと大脳をつなぐ嗅神経は、『乳頭体』や、『海馬』『偏桃体』と関係を持ちます。

 『乳頭体』『海馬』は記憶、『偏桃体』は感情を司る。

 結果として、嗅覚は【感覚の中で最も、記憶と結びつきやすい】【トリガーとして、感情(好き嫌い)を大きく左右する】とされています。

 困ったことに、フラッシュバック、トラウマ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)といったイヤな記憶のキーにもなりやすいとか。


 最期に、【成分がセンサーに触れると、匂いや味を感じる】と説明してきましたが、正確には【液体に溶けこんだ匂いや味の成分を、センサーが感じる】ことになります。

 よって、鼻の穴や口内が乾燥してしまうと、匂いや味は感じづらくなります。(※3)(※4)



●聴覚


 『鼓膜が震えると音が聴こえる』というイメージはあると思いますが。

 実際、鼓膜が振動すると、どのようなことが起こるのでしょうか?


 鼓膜が震えると、【鼓膜 → ツチ骨 → キヌタ骨 → アブミ骨 → 前庭窓】という順番に振動が伝えられ(※5)、前庭窓から聴覚の中枢である【蝸牛】に到達。


 蝸牛の中はその名の通り、カタツムリ(蝸牛)の殻のように渦を巻いており。中にはリンパ液という液体がつまっています。

 すなわち、鼓膜が震えれば、蝸牛の中にある液体も震える。

 そして、蝸牛のコルチ器という壁にある有毛細胞から生えた毛が液体に動かされ、それが電気情報を生じて脳に伝えられます。(※6)


 言い換えれば、蝸牛の中のリンパ液、そして毛が震えれば音は聞こえる。

 ということで、鼓膜ではなく頭の骨そのものが震え、それが蝸牛のリンパ液を振動させて、音が聴こえる。というルートも成立します。

 いわゆる【骨伝導】です。(※7)

挿絵(By みてみん)



●前庭感覚


 前庭感覚は、重力や加速度を測っている部分で、いわゆる平衡感覚――バランス感覚の中核を担っている部分です。よって、狭義の平衡感覚といってもいいでしょう。


 具体的には、


 ・半規管:回転加速度を測る (※8)

 ・卵形嚢:前後左右の加速度を測る (※9)

 ・球形嚢:上下の加速度を測る (※9)


 以上の3つの器官が合体したものであり、場所は聴覚を司る蝸牛のそば。というより構造的にはつながっており、聴覚を司る蝸牛と併せて、内耳ともいわれます。


 仕組みも蝸牛(聴覚)に近く、体を動かすと半規管、卵形嚢、球形嚢の中のリンパ液も動き、中に生えている有毛細胞も傾く。(※10)

 その毛の傾きが電気信号を生じ、脳に伝えられることになります。


 なお、聴覚と前庭感覚の信号は、内耳神経という共通のルートで脳に送られます。

 このように、聴覚と前庭感覚は極めて密接に関係しており――大きな音を耳にすると、気持ち悪くなる(頭がぐるぐるする)というのも、大いに頷けますね。

挿絵(By みてみん)



〇オマケ1 平衡感覚とは

 前庭感覚は、狭義の平衡感覚――バランス感覚だと説明しましたが。

 では、広義の平衡感覚にはどのように考えればいいのでしょうか?

 実は、全身に渡るさまざまな感覚の集合体で、


・視覚:見ている風景が傾くと、傾いたと感じる

・足の裏の触圧覚:足の裏にかかる圧が変わると、傾いたんじゃね?と思う

・関節の位置:関節の位置が変わると、傾いたかもと疑う

・前庭感覚:加速度や重力を感じ、体の傾きを(以下略)


 これらを総合して、体の傾きを判断します。

 例えば、TVゲーム(特にレースゲームやVRを使ったもの)をプレイしている時に、体がついつい動いてしまうことがありますよね。

 あれは、視覚から得た情報で『今、俺の体、傾いているんじゃね?』『目の前の地平線と垂直になるように体位を調節しなきゃ』と、判断したから。

 前庭感覚に変化が無くても、他の感覚情報でバランスの変化を錯覚してしまったのでしょう。



〇オマケ2 平衡反射の話

 平衡感覚は普段、あまり認識されておらず。

 人間が無意識のうちに起こす、特定の動作――いわゆる反射に利用されます。

 平衡感覚を用いた反射は、おおむね以下の4種類。


 ・パラシュート反応:体が傾いたとき、とっさに手が出て支えようとする

 ・立ち直り反応:体が傾いたとき、胴体を反対方向に曲げて耐えようとする

 ・ステッピング反応:体が傾いたとき、片足が出て転ばないようにする

 ・ホッピング反応:体が傾いたとき、両足で跳ねて、別の場所に立つ



〇オマケ3 外耳、中耳、内耳

 聴覚を司る【蝸牛】と、前庭感覚を司る【半規管】【卵形嚢】【球形嚢】をあわせて『内耳』と呼ぶ。とご紹介しましたが、内耳があるということは外耳もあるのでしょうか?

 あります。


 ・耳の穴の入り口から鼓膜まで:外耳

 ・外耳と内耳の間、つまり鼓膜の奥の空間:中耳

 ・蝸牛、半規管、卵形嚢、球形嚢:内耳


 という区分。外耳と内耳の間には、中耳があります。

 中耳炎という病名をよく聞きますが、鼓膜の向こう側かつ、蝸牛などの手前の隙間が炎症を起こしていることを指すわけです。(※11)


挿絵(By みてみん)


【オマケ 筆者が雑に描いた内耳・中耳・外耳の図解】

・外耳:鼓膜の手前まで

・中耳:鼓膜の奥、鼓室とそこにある耳小骨(ツチ・キヌタ・アブミ骨)、耳管を指す

・内耳:蝸牛、卵形嚢と球形嚢(耳石器・前庭)、半規管を指す



〇オマケ4 辛味を詳しく斬る

 辛味は、厳密には味覚に含まない。

 辛味の正体は、【温痛覚】であることは前述の通りですが。それでも、食物の風味を楽しむ重要なエッセンスですから、もう少し、詳しく触れておきましょうか。

 辛味には、主に2種類の方向性あるとされているそうです。

 【シャープ系】と【ホット系】です。


 【シャープ系】とは揮発性――すなわち、辛味成分が空気中に発散しやすいもので、代表格はワサビ、マスタード、次いでネギ、ニンニク、大根など。

 ワサビがたっぷりのお寿司を食べたときに、鼻にツーンときますが。あれは空気中に素早く溶け込んだ辛み成分が、気道を通じて鼻の粘膜に届いたがために生じた現象です。

 他にも、【シャープ系】には、


 ・素早く辛味を感じ、早く消える(鋭い切れ味)

 ・熱に弱い

 ・すりおろしたり、水でねったりすると辛味が出る(※12)


 といった特徴があります。


 対して、【ホット系】は辛味成分が不揮発性のもの――空気中に失われづらく、ずっと口の中に残りやすい。代表としては、トウガラシ、次いでコショウが該当します。


 ・やや遅れて、辛味を生じる

 ・辛味が長く続く

 ・熱に強い(※12)


 という特徴が挙げられますね。

 時間差で口の中や喉、胃がカーッと熱くなるのはこの【ホット系】の辛味が働いているからだと考えられます。


 なお、山椒、ショウガは【シャープ系】と【ホット系】のおよそ中間。

 ワサビ、トウガラシらを含めて、それぞれ違う辛味成分を持っているとされていますが、最凶なのは、おそらくトウガラシのもつカプサイシン。

 水にほとんど溶けず、ショウガやコショウの100倍以上の強さの辛味を持つそうです。


 ちなみに、辛味に原理が近いものとして【渋味】もあります(苦味ではない)。

 こちらも、味細胞で感じるものではなく、【触覚】と【痛覚】の合わせ技。

 渋味成分(カテキンなど)が、口の中の粘膜を攻撃した際に、生じる感覚だとされています。



〇オマケ5 嗅覚は特別なのさ

 本文では、嗅覚のセンサーと『乳頭体』『海馬』『偏桃体』が連絡しているため、記憶や感情に繋がりやすいことを説明しました。


 しかし嗅覚にはまだ、特異性がありまして、

 【感覚の情報は大脳に届く前に、視床という部分を必ず経由するけど。例外として、匂いを伝える嗅神経だけはダイレクトに大脳に繋がっている】

 という特徴があります。

 大脳(の皮質)は、長期記憶の中枢ですから、【大脳と匂いセンサーは直接つながっている】という構造面からも、記憶に結びつきやすい説明がつきますね。


 なお、『乳頭体』『海馬』『偏桃体』は大脳辺縁系といって、大脳の一部。

 また、脳から直接生えている神経を【脳神経】といい、12種類×1対ずつあるのですが。匂いを司る【嗅神経】は、もっとも上から生えているため12種類のうちの、1番目にナンバリングされています。



■今日のまとめ■


・視覚:眼球で光を集め、『網膜』で感じるよ

・味覚:甘味、苦味、酸味、塩味、旨味の5成分を、味蕾で感じるよ

・嗅覚:396種類の匂い成分を感じた組み合わせで、匂いを判断するよ

・聴覚:鼓膜の振動が、蝸牛の中の液体を震わせるよ

・前庭感覚:半規管、卵形嚢、球形嚢の中の液体の流れ方で、重力や加速を感じるよ


・前庭感覚は、平衡感覚つまりバランス感覚の中心だよ

・五感のうちの触覚だけは、他の視覚・味覚・嗅覚・聴覚とは扱いが別だよ



(※1)

 脳から神経が直接生えているので、脳神経と呼ばれます。計12種類。


(※2)

 つまり見るということは、光を感じるということ。

 赤・青・緑の3色は、ディスプレイ機器が放つ光の三原色(RGB)と一緒のラインナップですね。


(※3)

 したがって嗅覚が武器である、犬は鼻が濡れていることがとても重要になります。

 鼻と唇をつなぐ、顔の中央の溝を『人中』といいますが。一説には口から吐いた息の蒸気が、人中をつたって鼻に届いて、鼻を濡らすために存在する。と言われています。


(※4)

 なお、動物によっては口の中でも匂いセンサーが発達し、よく確認したいときに歯茎を剥き出しにするような表情を作ることがあります。

 ひょっとして フレーメン反応


(※5) ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨

 3つあわせて俺たち、耳小骨。人体でもっとも小さな骨なんだぜ。


(※6)

 センサーの役割は蝸牛が行うため、鼓膜は行いません。

 音の振動を集め、増幅するのが鼓膜の役割です。


(※7)

 鼓膜を使わないルートを、骨伝導。

 鼓膜を使うルートを、空気伝導といいます。

 なお、ここからは筆者の予想で裏づけがとれていないけど。

 リンパ液が震えれば音は聴こえるということで、体を高速回転させればリンパ液が動いて、音の聴こえ方が変わるのかもしれません。


(※8) 半規管

 かつては、三半規管と呼ばれていたけど、半規管が正しい呼称。

 楕円形に曲がったループ状のホースみたいな形。

 三という数字の通り、3つある。


(※9)卵形嚢、球形嚢

 2つあわせて、耳石器といいます。

 理由は、有毛細胞のカバーとなる膜の上に耳石が乗っているから。

 あるいは、前庭とも。


(※10)

 半規管では膨大部稜、卵形嚢や球形嚢では平衡斑に、有毛細胞があります。

 同じ、有毛細胞でもちょっとずつ構造が違うけど、ややこしいのでここでは割愛。


(※11) 中耳

 中耳は一方通行ではなく、蝸牛に進むルートのほかに、喉に繋がっているルートがあります。耳管といいます。

 つまり、耳の穴の入り口から入った音圧は、鼓膜を震わせ蝸牛に伝わりつつ耳管を通り、喉に抜けることになります。


(※12)

 これらの、シャープ系とホット系の違いを踏まえて考えれば、

 『ワサビは大抵、冷たい食材に合わせて使われる』

 『唐辛子の熱いスープはあるけど、ワサビの熱いスープは稀である』

 『ワサビや大根おろしは、使う直前に使う分だけすりおろす』

 『唐辛子料理を食した後は、胃や直腸がキリキリと痛む』

 『でも、ワサビはそんなことはない』

 『筆者の姉は寿司はワサビ抜きにするものの、辛子を使った料理は食べられる』

 といった、日常の風景の理由も、察せられようというものです。

【自己紹介 板皮類 学名:ニョロリマス・オパーイスキー】


ばんぴるいと読む。美少女ゲーム業界で14年。

その後、一瞬だけソーシャルゲーム業界にいた、元企画屋&シナリオライター。

毎週、新作エロゲを300円で8週間連続発売するなど、コンフォートゾーンから飛び出す、変わり種企画が持ち味だった。

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