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67話:天の頂から女神の戦闘が始まりそうです

この話を読む前か読んだ後に是非36話を読んでいただきたいです!!

 女神アテナは翔矢達との通信を終えると、天の頂の廊下を血相を変えて歩いていた。


 天の頂きは山よりも高い巨大な塔で敷地の総面積も離島などよりも大きい。


 しかし天使たちの出入りは少なく、この廊下も人通りはゼロに等しかった。


 アテナは長く静かな廊下を黙々と速足で歩いていた。


 「アイリーン!!」


 アテナは十二神官のアイリーンを見つけるなり巨大な白い火の玉を放った。


 「あらあら。女神と言う立場にありながらずいぶんと乱暴ね?」


 しかしその攻撃はアイリーンの体を包む無数の泡に防がれてしまった。


 「ここは天の頂。真の神の御前よ? 女神が争うべき場では無いと思うのだけど?」


 アイリーンは落ち着いた様子だが、アテナは怒りを抑えきれないようだ。


 「黙りなさい!! わたしに掛けた呪いを今すぐ解きなさい!!」


 「いつもの『のよー』はどうしたの? あまり怒ると小シワが増えますよ?」


 挑発するかのような笑みを浮かべたアイリーンにアテナは2発目の火の玉を放った。


 だが、またしても無数の泡にあっさりと防がれてしまう。


 「そんなに怒らなくても解いてあげますよ? 人形が死んだらね」


 「あなたと言う人は!! 【九狐ノ焔】」


 アテナが呪文を唱えるとアイリーンの足元に白い炎で形成された9つの狐の尻尾が現れる。


 その尻尾が次々とアイリーンを襲う。


 この攻撃には身を守る泡も再生が追い付かず攻撃は確実に捕えているかのように見えた。


 「あらあら、火傷でもしたら危ないじゃない? あなたの炎で焼かれた火傷って治らないから嫌なのよねぇ?」


 それでも余裕の表情で服に付いた煤を払うだけでダメージは受けていないようだった。


 「私の掛けた呪いなんて、天の議会の決定にしたがってくれれば無いのと同じだけど?」


 「あの子は……ペネムエは勉強熱心で人を思いやれる立派な天使よ!!

 嘘の処分で命を奪おうなんて許さない!!」


 「だったら天の議会での決定を教えてあげれば?

 あっ教えたら死んじゃう呪いを掛けたの私だったわね。

 でも自分の命を捨てて教える覚悟も、呪いを解く技量もないなら諦めなさい?


 私が辞退したから女神になれた貴方では人形を救えない。

 そんなんだがら人形はアルマ様に就いたのよ?


 それに本当に嘘を付いてるのは誰なのかしら?」


 「黙れ!!」


 アテナは叫びとともに自らの肉体を白い炎を体にまとう九尾へと変化させた。


 「あらあら、それはちょっと厳しいかも」


 九尾となったアテナは灼熱の白い炎を噴き出した。


 アイリーンは天の頂から吹き飛ばされ、地へ落下していった。


 「はぁ……はぁ……ここまでしても呪いを解かないなんて……

 これは試験を止めてでもペネムエを守るしかないのよー」


 女神の姿に戻ったアテナは、落下し見えなくなったアイリーンを見下ろし、この場を立ち去るのだった。





 *****




 「いやー熱かったわぁ。髪が縮れちゃったわ。

 火傷は治らないけど髪ってどうだったか忘れたわねぇ」


 天の頂から地上まで落ちたアイリーンは何事もなかったかのように立ち上がっていた。


 「で? どうだった?」


 そんな彼女の元にボロボロのローブを着た天使が近寄り話しかけてきた。


 金髪でツンツンした髪が特徴的だ。


 「ゼウ君は冷たいわねぇ。あそこから落ちたんだから少しは心配してくれてもいいんじゃない?」


 アイリーンは天の頂を指差した。その頂上は雲で覆われて肉眼では確認できない。


 「怪我の心配が必要な奴の心配はするさ。どうだったと聞いている」


 「失敗よ。さすがに女神の記憶は覗けないわね。

 怒りで我を忘れさせれば少しは見えると思ったんだけど」


 「アテナ様が無理ならアルマ様も無理だろうしな」


 「あんな1万年以上生きてるお化けには、私は勝てないわよ。

 ところで、あなたの話って本当なの?」


 「俺の記憶を覗かせただろう? 俺はマキシムに派遣されていた」


 「オーソドックスというか、特に特徴のない世界よね?

 あなたから名前を聞くまで把握してなかったわ」


 「あぁ。だがある日突然、マキシムに滞在する全ての天使に帰還命令が下された。

 今、マキシムのゲートは厳重に塞がれ渡航は禁止されている。

 女神2人がかりでの封印だ。そうそう破れるものではない」


 「あの2人が協力するなんて有りえないわよねぇ?

 心当たりは無いの?」


 「……いや。全員撤退も前例のない事だしな。

 俺程度の身分では把握しかねるな」


 「わたしも、もう少し調べてみようかな?

 こっちは失敗したけど、私のお願いは聞いてくれるの?」


 「問題ない。俺も人形には恨みがある。

 奴は俺が地獄に叩き落とす!!」


 ゼウのローブが風で捲れ右手の雷鬼の腕があらわになった。

 ここまで読んで下さりありがとうございます。


 ストーリは一生懸命練って執筆しております。


 少しでも続きが気になったらブクマ登録して頂けると励みになります。


 下の星から評価も、面白いと感じたら、入れてくださると嬉しいです。

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