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5話:朝食から同居が始まりそうです

 翌日、翔矢が目を覚ますといつもと変わらぬ自分の部屋だった。


 昨日の出来事は夢だったのだろうか? 着替えなどををしながらそんな事を考えていた。


 しかしリビングに入るとすぐに夢でなかったと理解する。


 ペネムエが薄黄色の雲の上でスヤスヤ寝ていたのだ。


 この雲も魔法の道具というやつだろうか? フワフワしていて気持ちよさそうだ。


 美少女が使ってる寝具だからだとか嫌らしい意味ではなく、純粋に寝心地を確かめてみたい。


 頼んだら少し貸してくれないだろうか?


 などと考えながらジッと見ているとペネムエが目を覚ました。


 「あっ、翔矢様。おはようございます。申し訳ございません。ノーマジカルに来たばかりで疲れてしまったのか寝過ごしてしまいました」


 ペネムエは少し顔を赤らめ起き上がった。基本無表情な印象を持っていたが無感情だとか不愛想な子ではなさそうだ。


 「おはよう。別にまだ朝早いし気にしなくていいよ。そういえば朝食とかってどうする?」


 昨日は父も仕事で、どうしても帰ってこれなく、翔矢の夕食はコンビニのおにぎりを買い済ませたのでペネムエの食事までは考えられなかった。


 というかやっぱり、このまま一緒に住むんだろうか?


 父も極端な仕事人間といえ流石に家にはちゃんと帰ってくる。


 見つかったら面倒なので同居は大変そうだ。


 それに天使って何を食べるんだろうか? 肉は食べちゃいけないとかあるのか?


 「お気遣いありがとうございます。しかし天使は食べなくても生死に影響は出ない種族でございます。翔矢様に迷惑は、かけません」


 と言ったがペネムエのお腹がグーーーーーーっと鳴った。


 「こっこれは……実は生死に影響がないだけで空腹は感じるのでございます」


 恥ずかしそうに白状するペネムエ。正直超可愛いと思った。


 それは置いといて、その体質は餓死してしまう普通の生物の体より辛い気がする。


 「そういうことなら飯は作るよ。タダ飯が気が重かったらボディーガード代と思ってくれ」


 実感はわかないがペネムエは翔矢を護ると約束してくれた。


 生活費はだいたい翔矢が管理しているし、まぁ1人分食費が増えても父に怪しまれたりはしないだろう。


 「ありがとうございます」


 ペネムエは笑顔で翔矢に礼を言う。


 数分後テーブルに、ごはん、納豆、味噌汁、目玉焼き、焼き鮭、ソーセージが並ぶ。


 「朝から品数が多いですね。うれしゅうございます」


 「昨日は俺も夕食少しだったから、朝がっつり食おうと思ってな。口に合うか分からないけど」


 「このネバネバした豆は初見ですが他の物は近い食べ物を食べたことがあります」


 ソーセージが大丈夫なら肉が禁止ということはないのか。


 だが、やはり納豆はミスチョイスだったか? 同じ世界の外国人ですら嫌いというか日本人でも好き嫌いが分かれる食べ物。人間ですら無いらしい? ペネムエに出すのは厳しかったか。


 「納豆っていう発酵食品だ。無理して食べなくていいけど、こうやって混ぜてごはんにかけるんだよ」


 「なるほどなるほど」


 ペネムエが納豆ご飯を一口食べる。


 口に合わなかったらどうしよう。めっちゃ緊張してきた。


 「こっこれは……臭みがあって粘々として、とても食べ物とは思えないのに不思議と、お米に合い美味でございます。ナットゥーと言いましたか。この世界のご飯のお供。最高でございます」


 なんかすごい絶賛された。『この世界の』と言われると、そこまで広い地域で食されてる食べ物ではないが黙っておこう。

 

 そこまで極端に愛国心が強いわけではないが、自分の国の文化が、全く異なる種族の人天使に受け入れられるのは気分がいい。


 「食事中に悪いけど、今日から具体的にどうするんだ? 俺は飯食って少ししたら学校行くけど?」


 ペネムエは翔矢の死亡、まぁ転生は約束されてるらしいが、それを阻止するために来た。


 この前のトラックみたいな出来事がこれから毎日起こるということだろうか?


 それでは護ってもらえるとはいえ生きている心地がしない。


 「スクールですね。存じております(モグモグ) わたくしもご一緒させていただきます(モグモグ) 翔矢様は2週間ほどは命を狙われる心配はございません。しかし、わたくし個人的に、この世界の文化に興味があります(モグモグ)」


 めっちゃ食べながらしゃべるな。まぁちゃんと聞き取れたからいいけど。


 理由は分からないが命も、常に狙われる訳ではないようで安心した。


 「学校に一緒にって、こういうのでお決まりの転校生で学校に来る的な?」


 「いえいえ、日本は戸籍のシステムが完璧すぎて色々面倒なのでこのまま参加します」


 このままとはどういうことだろうか?


 翔矢が意味が分からずポカンとしているのを見てペネムエが続ける。


 「わたくしの姿は、普通の人間には見えません。魔法のブレスレットで姿を隠しています」


 ペネムエは左腕のブレスレットを翔矢に見せる。


 よく見るとペネムエは装飾品が多いような気がするが全部魔法の道具ということなのだろうか?


 「この手の道具は、身に着けただけで効果があるのですが、条件を満たしていない相手に効果がなかったりします」


 発動条件があるということか。


 「このブレスレットは、装着したものに命を助けられた者には効果が発揮されません。後は同じ天使や上位の存在にも効果はありません」


  つまり、ペネムエに事故から助けられた翔矢は姿を確認することができるが、ほかの人間からは姿は確認できないということか。


 天使なら姿が見えないとか消してるイメージだったが、


 「ちなみに、声も聞こえません。これでわたくしも問題なく授業に参加することができます」


 問題なくではない気がするが、もう好きにやってもらうようにしよう。


 ここまで読んで下さりありがとうございます。


 ストーリは一生懸命練って執筆しております。


 少しでも続きが気になったらブクマ登録して頂けると励みになります。


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