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46話:助っ人から女神対面が始まりそうです

 ペネムエが帰って来ることがないまま朝を迎えた。早朝の翔矢の部屋には黒のゴスロリ衣装に身を包んだグミが来ていた。


 「で? ペネちゃんの居場所分かった?」


 昨日は、ほとんど眠ることができなかった翔矢は身を前に乗り出し問いかける。


 「まぁ落ち着くニャ。ってか学校はどうしたニャ? 悠ニャは出かけたけど」


 翔矢と違い落ち着いた様子のグミは正座しながらホットミルクを飲んでいる。


 「ちょっと遅れてだけど登山の代休で休みだよ!! 悠菜は部活か何かだろ」


 「ならいいニャー。あっ悪いけどペネムエのことなら全然分かってニャイ」


 「マジかよ……オラ強い魔力を感じるぞー。みたいなので分からないのか?」


 どこかのアニメで見た気がする探し方を提案してみた。


 「それ探索魔法使えないと500メートルとか得意な人で1キロくらいの範囲でしかできないニャ」


 「そうか……」


 逆に言えば1キロくらいの範囲にはいないという事か。隣の駅には無事たどり付いたのだろうか?


 「とりあえず助っ人は呼んであるから、そう落ち込むニャ」


 「助っ人?」


 その話をしていると、キンコーンとチャイムが鳴った。


 「噂をすればニャ」


 玄関を開けるとそこに立っていたのはリールだった。いつもの露出の多い服ではなく何故かメイド服を着ている。


 「今日は服着てるんだな」

 「今日は服着てるんだニャ」


 リールを見た瞬間、翔矢とグミが同時に発した言葉がそれだった。それだけいつもの服のインパクトは強い。


 「人が普段、服着てないみたいに言わないでくれるかしら!!」


 リールはかなり不満そうにしている。目は半泣きに見える。


 「それはそれで変わった格好だけどな」


 「ペネムエのみたいにデザイン変えれる服は持ってないからバイト先の服で来たのよ。この世界の服だし、アテナ様によるとメイド服って神聖な服でしょ? 超天才の私にピッタリじゃない?」


 「おっおう」


 色々と言いたい事はあったが、本人が良いと思っているならそれ以上は何も言わない事にした。


 それにしても、これがバイト用の服とは、いったい何処で何のバイトをしているんだろうか?


 「ってそれどころじゃないでしょ!?」


 「そうだった!! ってかなんでお前が?」


 「グミに呼ばれたのよ」


 「この前、翔矢にマキシムを疑似体験させたときの対価を、貸しにしてたからニャー」


 「まぁ緊急事態だから、対価とか関係なく来てたけどねー」


 そんな事を話しながら玄関からリビングへ向かう。







 テーブルに着いた瞬間リールは水晶玉を置いた。すると中からザ・女神といった雰囲気の女性の立体映像が出てきた。


 大きさは縮小されているのか、その女性の背丈は長財布程度になっている。


 「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンなのよー」


 「あっ初めまして」


 「はっ? 女神アテニャ様? 本物?」


 映し出された女神に、どう話したらいいか分からなかった翔矢は、つい普通に挨拶してしまった。


 一方グミは驚き、すごい勢いで後ろに下がっていった。


 「宮本翔矢君。初めましてなのよー。もう分かってると思うけど私がアテナなのよー。君にとっては黒幕って事になるから、話しやすいように話してくれればいいのよー」


 「あっ。分かりました」


 翔矢の緊張を察したのかは定かでないが、アテナの一言で楽に話せるようになった。


 「女神様が黒幕って翔矢何やったのニャ? とりあえずこっちの世界の警察に自首するニャ!!」


 2人の話を聞いたグミが血相を変え翔矢の体をグラグラ揺さぶってくる。


 「自首するような事はしてねぇよ」


 「えっと、その黒い子が悪魔?」


 「はい!! こっちの世界ではグミって名乗らせてもらってますニャ」


 「猫型悪魔ねぇ。耳も尻尾も猫の痕跡が無い純粋な人型なんて、かなり上級の悪魔とお見受けするのよー」


 「いやー師匠がデタラメに強くて扱かれましたからニャー」


 「でも猫耳や尻尾があった方が可愛いしキャラが立つと思うのよー。翔矢君もそう思うのよー?」


 「俺に振らないでくださいよ」


 見た目は、ザ・女神な感じなのに話してみると、からかい上手なお姉さんという印象に変わってきた。


 「あのぉアテナ様。そんな事を話してる場合では……」


 痺れを切らしたリールが会話に入ってくる。


 「あぁそうだったのよー。ペネムエの居場所は分かってるのよー」


 「マジですか? やっぱり女神様的な千里眼とかで?」


 それどころでは無い状況だが女神であるアテナがどのようにペネムエの居場所を探し出したのか気になった翔矢は少しテンションの上がったトーンで質問してしまう。


 「衛星をハッキングしたのよー」


 「なるほど!! 魔法で衛星の情報を覗いたんですね」


 翔矢のテンションは何故かさらに上がってしまう。


 「いいえぇ。普通にパソコンでハッキングしたのよー」


 アングルが変わり、立体映像で映し出されたアテナの机には大きめのノートパソコンが置かれていた。


 「は?」


 天界にノートパソコンがあったり女神さまがハッキングしたりで翔矢の頭は処理が追い付かず固まってしまった。


 「アテナ様はノーマジカルの文化に興味をお持ちで、天界にネットを繋いでるのよ」


 フリーズした翔矢の疑問にリールが答える。


 「まぁノーマジカルのサイトを見れるようにするのが精いっぱいだったのよー。本当は他の世界の地図や書物をクラウドに保存しておきたいのだけど、そっちの世界に保存されるのはアウトだから積んでるのよー」


 とアテナは付け足した。


 「まっまぁでもペネちゃんの居場所は分かったんですよね?」


 「あらあら。ペネちゃんだなんて、あの子もずいぶん可愛がってもらってるみたいで良かったのよー。」


 アテナはそう言いながらパソコンを操作する。数秒後、翔矢のスマホからピロリンと通知音が鳴った。


 「地図を送っておいたのよー」


 「ありがとうございます」


 なぜアテナが自分の連絡先を知ってるのか、ふと疑問に思ったが気にせず場所を確認した。


 「あっそんなに遠くない」


 「とりあえず一安心ね。私は地図見るの得意じゃないから見てもサッパリだけど」


 「ニャーもこの世界の地図の記号は分からんニャー」


 リールとグミが両脇からスマホをのぞき込んで来る。


 「(近いな)あっあの今更ですけどペネちゃんは、アルマ様って方の女神様に仕えてるんですよね? アテナ様が探してくれて良かったんですか?」


 「あらあら。見くびってもらっちゃ困るのよー」


 アテナは頬を膨らませ不満そうに続けた。


 「あのロリババアは気に食わないけど、天使は女神にとって我が子も同然なのよー。あとロリババアに伝えずにペネムエを救出すれば恩を売れるし悔しがる顔を見れるしメリットだらけなのよー」


 いい話になるかと思ったが後半になるにつれ、天界というか女神の闇が見えた気がした翔矢であった。

 ここまで読んで下さりありがとうございます。


 ストーリは一生懸命練って執筆しております。


 少しでも続きが気になったらブクマ登録して頂けると励みになります。


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