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106話:探し物から襲撃が始まりそうです()

 「あれ? 俺どうして寝て……」


 気が付くと翔矢は、自分の布団の上で横になっていた。

 少し息苦しさを感じたが、これは鼻にティッシュを詰められているからだった。


 「ん? 血? そうだ!! 風呂場にいた占い師は!?」



 ティッシュに付着した鼻血を見た翔矢は、さっきまでの出来事を思い出した。


 

 「翔矢様、お目覚めになられましたか!!」


 近くにいてくれたのか、ペネムエが声を掛けてきた。


 「あっ、ペネちゃん、あの占い師は?」


 「逃げられましたよ!!」


 「ごっごめん……」


 ペネムエが、いつもになく強い口調だったので翔矢はビクッと怖気づいてしまった。


 「なぜ謝っているでしょう?」


 

 だが、ペネムエは自分の話し方が、いつもと違う事に気が付いていないのか首を傾げている。

 ここの表情だけ見ると、確かにいつもと変化はないように思える。

それでも、最初の一言は、明らかに不機嫌だったのは翔矢にも分かった。


 

 「えっと、ペネちゃんなんか怒ってらっしゃいます?」


 「いえ……大丈夫です、お気になさらず」


 「そうですか……」



 明らかに気にした方が、良さそうな反応なのだが、ペネムエの迫力に押されてしまい、それ以上の追及はできなかった。



 「あっそうだ、占い師の事は、探してたゼウにも教えておかないと!!」



 必死に話題を考えた翔矢は、アタフタしながら、もらいたての通信用の黄色い魔法石でゼウに連絡を取ろうとする。



 「あれ?」


 「どうかなさいましたか?」


 「なんか連絡が着かない……」


 

 動揺と焦りで、使い方を間違えたのかとも思ったが、何度やってもつながらない。



 「先ほど、出ていかれたばかりなのに、少し妙ですね」



 話が変わっている間に少し機嫌を直したペネムエも首を傾げる。



 (まぁ逃げられちゃったし、連絡取れても進展はないんだよなぁ)



 そう翔矢は思ったが、少しでもペネムエが機嫌を損ねそうな話は、今はしない事にした。



 「所で翔矢様、机に置いてあった赤メリが、無くなっているように見えるのですが……」


 「あれ!? さっき女神さまから赤メリについての手紙もらって、そのまま一緒に置いたはずだけどな」


 

 2人で机の下などを探してみるが、見つかる事は無かった。



 「ここまで探して見つからないとなると……まさか、あの女が盗んでいったのでは?」



 ペネムエは、また機嫌の悪い表情になってしまい、翔矢もヤバいと思い言葉を探す。



 「まっまぁ壊れてたし、構造が機械だったから天界でも直せないんでしょ?

 無くなっても、支障ないよ……


 というか、ペネちゃんさ、あのサヤって子に厳しくない?」


 

 「はい? あの女ののせいで、人が亡くなっているんですよ?

 しかも天使が、人間の争いの手を貸すような真似は、ありえません!!」


 「ごっごめん……ペネちゃんが、あの女とか言うのにビックリしちゃって……」


 「それだけ許せないのです!!」



 翔矢はペネムエの迫力に押されて追及はできなかった。

 その後、念のため、赤メリを部屋中探したが、やはり見つかる事はなかった。



 (うぅ……わたくしが怒っている理由は、他にもあったのに……

 翔矢様には、酷い態度を取ってしましました……


 ですが翔矢様の唇を奪った、あの女に対する、わたくしの私怨は抜きにしても、天使の身でありながら、あの女のせいで人の命が奪われたのは確かなのです!!


 あれ? 何か肝心な事を見落としているような?)



 ペネムエは、大事なことを忘れているような違和感を感じたが、その正体に気が付く事はできず、その後も赤メリを探すのだった。



 

 ***




 ゼウは、翔矢・ペネムエと別れた後、雷の速度で移動していた。



 (あの占い師を見かけたのは、この辺りだが……さすがにもういないか)



 人に見つからないように、建物の上を使って移動していたが、1番高い建物の上で、ひとまず足を止める事にした。


 

 「まいったな……この世界の住人は珍妙な服を着ている。

 俺の服では目立ってしまうな……俺は姿を隠せるような魔法の道具を持っていないし、この速度で移動しつつ、人気のない場所を拠点にするか」


 

 考え事をした後に、また移動を始め、今度は拠点にできそうな場所を探し始めた。



 「女神からの任務だったら、事情を知ってる人間の家を紹介してもらえるんだがな。

 アイリーン様の独断の任務を受けた影響が早くも出てしまったか」


 

 しばらく飛び回っていると、シャッターが閉まったような建物が多い個所を見つけた。



 「この辺にしておくか」



 候補を見つけたゼウは、近くに人がいないのを確認した後で、地上に降りようとした。



 「なっ!!」



 地上に向かって高速落下していたゼウの体を鞭を打つような痛みが襲った。



 「くはっ」



 不意を突かれたゼウは、受け身を取る事も出来ずにゴロゴロと転がりシャッターに直撃してしまった。



 「確かに人がいないのを確認したんだがな……何者だ?」



 しかし、すぐに体勢を立て直し体制を立て直した。 

 


 「俺は渡辺健吾、お前に恨みは無いが、そろそろ戦っておかないと兄貴がうるさいんで……消えてもらうぞ?」


 「噂の北風エネルギーとかいう連中か? ちょうどいい寝床候補を潰された恨み分くらいは相手になってやろう」



 人気のない路地で二人は睨みあうのだった。

 ここまで読んで下さりありがとうございます。


 ストーリは一生懸命練って執筆しております。


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