プロローグ
西洋風の城の玉座の間で、勇者と黒い鎧を身にまとった男が剣を交えていた。勇者のほうは鎧も壊れボロボロだが黒い鎧の男は全く傷を負っていない。
「勇者アーベルよ!! 我は命を奪うことは好まない。おとなしく立ち去り二度と我の前に姿を現さぬと約束するのならば治癒魔法で、そなたを回復させ安住の地まで転送してやってもよい」
鍔迫り合いをしながら黒い鎧の男はアーベルという勇者に問いかける。
「ふざけるな!! 魔王ベルゼブ!! お前がいる限りこの世界に安住の地なんかあるか!! 【超高速Lv100】」
アーベルは鍔迫り合いしながら呪文を唱えると一瞬で魔王ベルゼブの後ろに回り込み後ろから切りかかろうとする。
「悪政に苦しめられている者、大切な人を殺された者、そして戦いに散った仲間のためにもここでお前を倒す!! 【火炎神剣Lv100】【氷結神剣Lv100】【雷鳴神剣lv100】」
アーベルは持ちうる最大級の呪文を剣に付与して最後の一撃にかける
「……おろかな【無敵Lv999】」
しかしベルゼブは呪文を唱えると黒いオーラをまとい、そのオーラに触れると一瞬でアーベルの剣は消滅してしまった。
「化け物め……みんな……すまない……」
アーベルは圧倒的力の差に死を覚悟した。
「よくぞ勇敢に戦った……英雄よ!! さらばだ!!」
次の瞬間黒いオーラがアーベルを飲み込み後には何も残らなかった。
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