眠っていた記憶2
レベッカーーーー。
転生前の名前は美雪だった。
私はどこにでもいる普通のOLだった。
ホラー映画やホラーゲームが好きなこと以外はーーー。
物心がついたときから怖いものが好きだった。
持っていた絵本もお化けや妖怪ものが多かったし、大人から怖い話を聞くのが好きだった。
大学に入り、自分でお金を自由にできるようになってからは、大学までの勉強生活で"ホラー"絶ちをしていたのもあって、タガが外れたように"ホラー"にのめり込んだ。毎日のようにホラー映画を観た。
動画サイトでホラーゲームの実況を見てからは今までしたこともないゲームにまで手を出し、、、、そして、、、ハマった。
その中でも"クリムゾンホラーショーシリーズ"は特別好きだった。
呪われた館を中心に繰り広げられる殺人鬼と主人公の攻防。可愛いヒロイン。初見殺しのトラップ。不穏な空気を漂わせながらも美しく作り込まれた世界観。
そしてーーー
なによりも個性豊かな殺人鬼たち。
クリムゾンホラーショーは呪われた館に過去に住み着き、その呪われた場所に住んだが故に狂気に取り憑かれた殺人鬼たちが時代をも超えて主人公たちを襲うホラーゲーム。
呪われた館はシリーズによって病院だったり、城だったり。私が死ぬ直前に発売された最新作はもはや館ではなく遊園地だったはず。
今いる世界はクリムゾンホラーショーシリーズの第1作目、、、、クリムゾンホラーショー・レイクサイドマンションの世界だ。
レイクサイドマンションはシリーズの中でも1番好きだったからなぁ、、、。
そう、私がホラーゲームにはまるきっかけとなった作品なのだ。
クリムゾンレイクという湖の湖畔に佇む洋館を舞台に物語は進んでいく。そして私達は主人公やヒロインでは無い。主人公とヒロインが館にやってる前に館にやってきて、"死をもって"物語のヒントを与える役割。
唯一、生きて主人公にヒントを与えることができるのが、レベッカ。そう私1人だけなのだ。
そんなレベッカも最終的には悲惨な死に方をしてしまう。
いくつかルートはあっても、死に方が変わるだけで生存ルートは無かったはず、、、、。
詰んだ。この人生、確実に詰んだ。