第二十三話 巫女長
明けましておめでとうございますm(__)m
白い花畑が一面に広がっている。その白い花は、遺跡の側でひっそりと咲いていた花と同じだった。
蘇生草がこんなに……
俺はその光景に言葉を失う。
心地好い風に、過ごしやすい気候。温かな陽の光。
ここは、確かに五聖獣スザクが住まう土地。
いや、空間か……
どちらにせよ、おそらく隔離された空間だろう。
明らかに、自分がさっきまでいた朱の大陸上じゃない。僅かに、次元がずれた世界。その場所にあるようで、ない場所。そこに、俺とルセは立っている。
「そろそろ、行きましょうか? 護りて様」
村長が促す。
「……ああ。行こうか」
そう答えると、村長は歩き出す。勿論、俺とルセは村長の後を付いて行く。
花畑を過ると石畳の街道に出た。街道を道なりに五分程歩く。
里の入口だろうか。俺とルセを待っているのか、二人の男性と朱色の髪をした幼稚園児が立っているのが見えた。遠目からでも、艶やかな朱色の色が目立つ。
朱色の髪……。珍しい髪の色だ。朱の大陸では見ない色だった。
「アキラ様。朱色の髪をした幼子は、スザク様の巫女長を務めている者です」
ルセが足下から声を掛けてきた。
「巫女長?」
あんな子供がか?
「はい。五聖獣様が生まれ変わると同時に、巫女長も次代に代わります。そして、五聖獣様が生まれ変わるために眠りにつかれた時、その役目を終えます」
疑問が顔に出ていたのか、ルセが答える。
そうか……巫女長とは、五聖獣と共に同じ時を過ごす者なのか。
「巫女長とは、五聖獣様の世話をするだけでなく、五聖獣様の声を直接聞き、眷族たちに伝える役目も担っています。
五聖獣様にそれぞれ一人就いていて、五聖獣様の御身体の色を身に纏っています」
御身体の色を身に纏う。
つまり、あの艶やかな朱色の髪は、スザクの体色(羽の色)なのか。
そんな説明を聞いているうちに、俺とルセは里の入口に到着した。
「お待ちしておち、りました。護りてちゃ、様、精霊獣様」
ち、ちゃ? 思いっきり噛んだぞ、このお子ちゃま。慌てて言い直す所が微笑ましい。
慌てて言い直した、真っ赤な顔をした朱色の髪のお子ちゃま巫女長は、最初に俺とルセに挨拶し頭を下げた。次に、男性たちが同じ様に挨拶を述べ、頭を下げる。彼らは眷族の長老と名乗った。
因みに、やはり村長は長老の一人だった。
観察して気付く。巫女長が長老よりも立場的に上だと。
「先に戻って来た者から聞いておりゅます。我々眷族を庇って下さゃり、ありがとうございまゃす。神殿に、護りてちゃまと精霊獣ちゃまの部屋を御用意しておりまゃす」
よし!! 所々、擬音が入るけど、何とか言えた。
よしよし。俺はお子ちゃま巫女長の頭を撫でる。
瞬間、ビクッと体を強張らせ、顔を真っ赤に染めて長老の後ろに消えた。少し涙目になっている。
俺、悪いことしたみたいだな。
「……馴れ馴れしかったな。すまない」
こんな子供を泣かしてしまって慌てて謝る俺に、長老の影に隠れたお子ちゃま巫女長は首を横に振った。
「……護りて様はわるゅくないでしゅ(悪いのはわたちだから)」
「アキラ。護りて様ってかたぐるしいから、名前で呼んで欲しいな」
俺はしゃがむと、お子ちゃま巫女長に微笑み掛ける。
「いいの?」
大きな目を見開き尋ねる。
「うん」
俺は頷く。お子ちゃま巫女長はにっこりと笑った。
「それではどうぞ、神殿に御案内致します」
背後に隠れたお子ちゃま巫女長を優しい目で見下ろしてから、長老は俺とルセを神殿へと案内する。
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大変、お待たせしましたm(__)m
2018年最初の更新です。
昨年から引き続き頑張っていきますので、これからも宜しくお願い致しますm(__)m




