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第二十二話 薄暗い通路の先に

 遺跡編スタートです!!



 一見、それは遺跡に見える石造りの建造物だった。



 正面には、十段程の階段がある。階段を上った先は遺跡の内部に繋がっていた。僅かに、入口付近は陽の光に照らされて確認出来るが、奥はさっぱり見えない。



「それでは、行きますか?」



 ルセの叱責から立ち直った村長が、石段に足を掛ける。



「ああ」



 俺は短く返事を返すと、ルセと共に階段を上る。



 中は真っ暗だった。陽の光が入らない。松明等の人工の光も全くない。暗闇が、ただ続いている。

 通路の入口にいるのか、それともこの先が、部屋になっているのかも分からない。



 まぁ、ついて行くしかないよな。



 村長について三歩程進んだ時だった。

 急に周りが明るくなった。明るいといっても、薄暗いけど。

 村長とルセ、そして、今いる場所が通路内だって事は確認出来た。それでも、通路の先がどうなっているかは分からない。



 遺跡自体、それほど大きくない筈だ。裏に回って確認していないが、拓けた土地から考えてもおかしい。

 とするなら、この入口は結界の一種か。鍵(案内)があって初めて通れるタイプ。



 これ程の強固な結界を、森全体と遺跡の入口に張れ、維持出来るだけの力ーー。



 さすが、五聖獣。生まれ変わったばかりでも、大陸を守護する聖獣だと、俺は感心する。



 目で見た距離を歩かなくてもいいかもしれないが、



「結構、歩きそうだな……」

 ちょっと、ぼやく。俺は肉体派じゃない。



「思っているよりは近いですよ」

 微笑みながら、村長は答える。



「だったらいいけどな」



 そう願いながら、俺は溜め息を付く。

 それを見たルセが、「休憩しますか?」と提案してきた。



「大丈夫だ。それほどやわじゃない」

「しんどくなったら、遠慮なく言って下さいね」



 心配そうに声を掛けられる。

 俺、そんなにやわに見えるのか? おい!



「護りて様は儚く見えますから」

「儚い?」



 誉め言葉のつもりで村長は言ったかもしれないが、それ、ちげーから。俺の声は自然と低くなる。チッと舌打ちした。

 俺の機嫌が急降下したことに、村長は顔を青くする。



 マジで筋肉が欲しいぜ。筋トレしてもつかないし。顔に傷でもあれば、せめて儚いっていう印象は持たれなくてすむか。マジで、そう考える。



「駄目です!! 美しい顔に傷を付けようなんて、もっての他です!!」 

「申し訳ありませんでした!!!!」



 声に出てたのか……。ルセと村長が凄い勢いで俺を止める。あまりの必死さで、少し引く。



「……はぁ~~分かった。しないから、先に進むぞ」

「「本当ですね!!」」



 ルセと村長に念押しされた。



 さっきまでの、神妙な雰囲気は一体どこにいった!?

 そう突っ込みたかったが、五月蝿そうなので止めた。代わりに、低い声で先に進むように言った。もう黙ってろ。

 俺の気持ちが伝わったのか、ルセと村長は黙って歩く。



 暫く薄暗い通路を歩いていると、不意に村長が足を止めた。



 俺は足を止め、顔を上げる。

 目の前の空間に、僅かだが歪みがあるのに気付いた。

 ーーここから先に、スザクと眷族たちが住む里があるのか。



 村長が腕を伸ばし、手を前にかざす。

 水面に波紋が広がるように、透明の壁に波紋が広がるのが確かに見えた。



「開門」



 静かに発せられた声に反応するかのように、薄暗い通路は一瞬で消え去った。



 光が目を刺した。眩しくて、目を庇うように手をかざす。

 花の匂いがした。雨が降った後だろうか、土の匂いもする。そして、心地好い風が頬を撫でて行った。



「着きました。護りて様」



 村長の声に俺は目を開ける。



 俺とルセは、白い花が一面に咲き広がる花畑の中に立っていた。




 

 遺跡編スタートしました("⌒∇⌒")


 もう一話、年内に更新出来たらいいなぁ。


 それでは、次回をお楽しみに(*^▽^)/★*☆♪

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