第十話 ハンター登録完了
「てっきり僕は、魔導師か大賢者を選択すると思ってたよ」
当てが外れたと、苦笑しながら、カンナは登録したてのハンターカードを俺に手渡す。
「……銀色?」
返ってきたカードは銅色から銀色に変化していた。
「上級職だからね。才能から言えば、ゴールドでもおかしくないけど、さすがに、レベル1でゴールドは無理だからね」
まぁ、普通そうだよな。
「で、どうして、その職を選んだの?」
「一番、バランスがとれてたからな。魔導師や大賢者のように、魔法を特化する必要性を感じなかったのも、理由の一つだ」
無難なのは、カンナの言う通り、魔導師か大賢者だろう。
で、その職を選んだとして、メリットは何だ?
魔力の増加。魔法攻撃の威力アップか。魔法攻撃の耐性のアップもそうだな。でも、今の俺のステータスなら、別にアップする必要はない。実際、魔力は測定不可能だし、魔耐も同じだ。
それに、【スキル】に記載されてる魔法は使えるのだから、魔法系の職に敢えて就く必要はない。
といって、剣や槍等の武器を装備するのも何だしな~~。絶対、肩こるだろ。
とまぁ、そんなことを考えた結果、俺は【冒険者】の職を選んだ。
マスターっていう職も気になったしな。魔導師と大賢者の先に、【マスター】という職が繋がっている気が、どうしてもしなかった。まぁ、これは俺の勘だけど。
「…………魔法を特化する必要がないね……そんな台詞が言えるのは、アキラ君だけだよ(ほんと、嫉妬しちゃうな)」
何とも言えない顔をしながら、カンナは力なく呟く。
「…………」
俺は答えに困る。
しばらくの間沈黙が続いた後、復活したカンナが微笑すると、
「でもまぁ、これで正式にハンター登録完了した訳だし、とりあえず、アキラ君おめでとう!!」
「ありがとう」
一応、礼を言っておく。
「で、これからの事なんだけど、レベル15になるまでは、一か月に一回、ギルドに顔を出してね。安否確認のために。係員に提示するだけでいいから。
もし、二か月提示がなかったら、ハンターカードの登録が凍結されるから気を付けて。凍結解除にはお金が掛かるし、ペナルティーが科せられるからね」
「ペナルティー?」
「ギルドの無料奉仕と、カードの備考の欄に記載されるよ」
それは地味に嫌だな。気を付けないと。
反対に、レベル15になったら自由ってことか……
カンナは安否確認のためって言ってたが、おそらくそれだけじゃねーな。身分証明書にもなるんだ、ハンターカードの転売と悪用を禁止するための策でもあるんだろう。
「アキラ君、他に何か質問ある? なければさ、お願いしたいことがあるんだけど……聞いてくれるかな?」
黙っている俺に、カンナは上目遣いで尋ねてくる。
相変わらす近いな。オイ!!
「……それは、ギルマスとしての依頼か?」
「う~ん、半々かな」
「依頼内容は?」
「薬師の護衛と薬草の運搬と護衛」
薬師?
『ポーションなどの薬を生成する、特別職のことです。かなり、レアな職ですよ』
ルセが念話で解説してくれた。
「薬師の職を持つ者は、すごく珍しいんだよ。ポーションなどの薬を作れるのは、薬師だけだからね。だから、誰もが欲しいんだ。彼らは金の卵を産む鶏だからね。囲い込むことが出来たら、莫大な富を手に入れる事が簡単に出来ちゃうね」
確かにそうだろうな。薬の代金も好きに操作出来るしな。
「だから、薬師は国の保護を受けているんだけど……。今回、その薬師が、急遽、ここグリーンメドウにやってくることになってね」
「その護衛を俺に頼みたいって、ことか?」
「うん。アキラ君にも、その護衛の一員に入って欲しいんだ」
「一員?」
「そう。あまり目立ちたくないから、私とアキラ君、それからゼン、この前僕と一緒にいた大男の三人で護衛に当たりたい」
初めて会ったあの日も、護送ルートの確認のためだったらしい。小数精鋭で当たるって訳か。しかし、
「話は分かった。だが、会ったばかりの俺に頼んでよかったのか?」
「勿論!! 僕はアキラ君を信用してるからね!」
そこまで言われて、正直嫌な気はしない。それに、カンナには色々と厄介になってるしな。
『いいだろ、ルセ?』
『はい!』
ルセの了承も得たことだし、
「分かった。その依頼引き受けよう。で、半々ってどういうことだ?」
「……薬師って、僕の双子の弟なんだよね」
微妙な何とも言えない表情で、カンナは答えた。
お待たせしました(〃⌒ー⌒〃)ゞ
最後まで読んで頂き、ありがとうございますm(__)m




