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灰色の空  作者: 灰色の猫
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勉強会 二時間目



「「「お邪魔しま〜す」」」


「どうぞ、入って」



 どうやら、期末で赤点だったら夏休みも補習があるため部活最優先のカズにとってはなんとしても回避したいところだったらしい。


 すんなり商談成立して、そしたら場所はと俺が聞いたら、皆が俺を見るからこれ以上の提案は諦めて現在に至る。



 なんだかんだ、俺とミナとカズとユリカという初めての組み合わせで学校からの道中は男子同士、女子同士で会話が進んでいた。


 たまに俺がカズとユリカの中継役になるのだが、俺の技量不足によりぐだぐだになってしまった。


「ミナ、部屋に案内しといて」

「はーい」 この会話を聞いたカズとユリカが目を点にしてた。

「そんな仲良かったの、二人は」


 カズが意外そうな顔をして俺に聞いてきた。


「そーなの」


 そしたらミナが他人事の様に同意して、俺があわてて何故か訂正する。

「い、いや幼なじみだしね」


「ほら、早く部屋に上がりな、二階だから」


 何故、俺一人が慌てているのか自分でも混乱してしまい急いで台所に向かう。

 二階に上がったミナがもう一度「そーなの」と言いながらケラケラ笑っていた。


 にゃろう。





 俺とミナはジンジャーエール。カズとユリカはオレンジで良いか。


 俺が飲み物を準備して二階に上がったら姉が三人に挨拶してた。



 すれ違い様に、「青春だね〜」とおっさんくさい事を呟いていたな。




「あの人、ソラのお姉さんなの」

 カズが珍しく女性関係で質問してきた。


「そうだよ」


「きれいな人だな」


 カズ、お前に責任はないがその発言はやめて欲しかったよ。


「ただ垢抜けてるだけだよ」


「うちのクラスの女子の方が可愛い子いるだろ」  と言いながら、オレンジジュースをユリカの所に置く。

 我ながら見事な誘導だと思った。したり顔で座ろうとしたら


「そうかぁ」


「なんか印象に残らないんだよなぁ」


 手を床に置こうとしたら、何故か滑り慌てて態勢を建て直す。

 ユリカを見たら、ガックリと頭を下げてうなだれていた。ミナが場を仕切り直そうと


「さあ、とにかく勉強はじめよ」


 そしたらカズが、


「そうだな」

「今日はよろしくね、ユリカちゃん」

 と爽やかな笑顔でユリカに微笑んだ。


「う、うん」

「よろしくね、カズ君っ」


 ユリカにはそれだけで充分だったようで。



 なんか俺要らない子だな。



 さあ、勉強しようっと。


 一足遅れて俺もノートを開いた。

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