闘技場-2
エビルワールド 赤の戦士2
——マオウの城に着いた彼らは闘技場での出来事をマオウに報告した。
「そうか、赤の戦士は見つからなかったか」
さすがに一日で見つけられるとは思ってない、とマオウは笑いながら言った。
ルーナは預かった赤い石を返そうとポケットから取り出した。
「マオウ、これ返すよ」
するとどうだろう。赤い石は淡く光を放っていた。
「これは!」
これにはマオウも驚いた。そこにいた誰もが驚いた。赤の戦士が近くにいるのかもしれない。
淡い光は、ゆっくりと、とある方向を示した。
示した光の先は——クウサだった。
「ク、クウサ、ちょっとこれをもってくれ」
「え、ええ……」
マオウはルーナの手から石を取り、クウサに渡した。
すると石は、クウサの手の中で強く光った!
まばゆいその光はまさしく彼女が赤の戦士である事の証だ。
「クウサ、赤の戦士として覚醒したのか!」
これは喜ばしいとマオウは拍手喝采。しかしクウサはどうにも納得がいかなかった。
「覚醒!? でも、いつ?」
「ハハっ!! 細かいことは気にするな! 赤の戦士になれたのだ、めでたい!」
「え、えー……」
突然赤の戦士となりクウサは困惑していた。マオウの祝福ムードにもだが。
そんな中、ルーナは冗談っぽく笑ってみせた。
「石がクウサの闘いを見ていたのかも……なんてね」
「そうかしら……それにしても、まさか私が赤の戦士だなんて……責任重大だわ」
クウサは落ち着かずそわそわしていた。
「大丈夫なんじゃねぇの? クウサ、強いし」
「そ、そうね、孝太郎」
孝太郎は至って落ち着いていた。というより安心していた。クウサの強さなら間違いなく赤の戦士として活躍してくれるだろう。むしろ自分の弱さの方が心配になるのだった。
「よーし、今日は祝杯だ! 酒飲むぞー!」
マオウはとてもいきいきとしていた。赤の戦士の登場が余程嬉しいのだろう。では早速と酒とグラスを取りに行き、人数分のグラスをテーブルに並べていた。魔法でワインを注ぎ、それぞれの元へ浮かせたグラスを渡す。
「さぁ皆! 赤の戦士クウサの誕生を祝って乾杯だ!」
マオウの音頭で乾杯。皆クウサにおめでとうと声をかけた。
「ありがとう……まだ全然実感はないけど、私、がんばるわ!」
照れ隠しだろうか、そう言うと彼女はグラスのワインを一気に飲み干した。
「おお、いい飲みっぷりだ! ほらほら、皆も飲め飲め!」
マオウはクウサのグラスにワインのおかわりを注ぎ、皆にも飲めと進めた。
この日の夜は城が祝福ムードに包まれた。




