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剣神と黙示録 ~農村の少年が一柱の神になるまで~  作者: わたあめとは哲学である
約束をした日

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第30話 タイタン上位種討伐作戦

「んっん……これより! タイタン上位種討伐作戦を開始する! 進めぇい!」


 列の後方から第三小隊隊長と呼ばれている男の声が聞こえてくる。ここに来てから一週間、それなりに待ったがいよいよ始まりのようだ。


「いやぁー朝早くに集合したのに、随分長く待たされちゃったね」


「流石にくたびれたな」


 約束の時間は一般的な仕事に行く時間より早い。それなのに今はもう昼前だ。作戦の説明していた時間を除いたとしても長すぎる。


「ま、私の寿命が延びたと思えば嬉しいもんだよ」


 その待ち時間、ずっと話していたのが目の前にいる奴隷の女。見た目は、戦う前だと言うのにズタボロ、本人曰く、主人に捨てられるついでにこのクエストを受けさせられたとか。


「……そうだな。何にせよ頑張るぞ」


 肉壁として雇われている少年達冒険者は、何十人と騎士が続く隊列の一番前にいる。

 ジャイアントタイタンとの先陣を切らされるためだけでなく、それまでの荒野に生息する魔物との戦闘での騎士達の消耗を抑えるためだろう。


「うん! せめてデッカイタイタンを一目見てから死んでやるんだ」

 

「そこは生きて欲しいんだが……とっ、まずは普通のタイタンからだな」



 歩き始めて十数分、少し先にはタイタンが見える。それも位置取りからして必ず戦闘になるだろう。それに気付いた騎士団の者が、声をあげる。


「冒険者左翼! タイタンが近づいてくる! 頼んだぞ」


 今回この作戦に参加している冒険者は12名ほど、それが左翼と右翼として半分に分けられていた。そしてその左翼と言えば少年と女が所属している方、初戦は任されたようだ。


「うへぇ、あんなのがゴロゴロいるの? ここ。怖ぁー」


 ヒトに気付いたタイタンは、こちらへ突進してくる。援護として放たれている矢も重くは効いていないようだった。


「へへ、あれくらいなら俺らにでもどうにか出来そうだぜ。行くぞお前らぁ!!」


 左翼に所属している残りの四人は一つのパーティーらしく、リーダーの男が仲間と共にタイタンの前へと出ていく。


「俺は行くけどフィーリー、お前はどうする?」


「えー、まぁついてくよ。後ろの騎士さん達も怖いしね」


 もう少しタイタンを走らせて僅かでも疲労させておきたかったけれど、他のパーティーが戦いを始めようとしている。それに置いてかれる訳にはいかなかった。



 

「うおっ、重てぇー。頼んだ!」


「おうよっ! てぇっぁ!!」


 少年が追い付き参戦しようかという時には、戦闘はもう始まっていた。


「中々やるなー」


 ダングジジイが最低限の実力を確認していると言っていたのは本当のようだ。おとな数人がかりでも蹴散らされるというタイタンの相手も、連携をとってしっかり行っている。


 戦闘前にはやや不安気味だった少年も、このスムーズさには少しばかり驚いていた。 

 

「見てるばかりじゃなっ!!」


 少年は、連携の間を読みながら、滑り込むようにしてタイタンの右足を切りつける。それによって膝をついたタイタンは、両手を振り回して牽制するけれど、迫りくる何本もの武器は止められない。即座に蜂の巣にされていた。


「おぉう、ガキンチョ! ガングの爺さんに勝ったって言われてたけど中々やるじゃんかよ」


「お前らが隙を作ってくれたからな」


 変に噂が変わっているように聞こえたが、少年はスルーする。


「へへっ、そうかもな。まあ良かったぜ、そっちの女も次は戦って……くれるよな?」


「その時が来ればね」


 奴隷の女フィーリーも、持っているのは量産品の槍だが、少年の目からしてタイタン一匹相手なら、どうにか戦えそうな雰囲気を持っていた。

 しかし、依頼を受けたのはガングのいない早朝だったそうで、分かりやすい指標が無い。

 本人の様子からしても強いのか弱いのか判断がつかなかった。


「冒険者ども! 仕留めたのならさっさと次の準備をしろ! 後処理はこちらで行う。お前らはつっかえないようにしろよ!」


「へいよー」


 冒険者の男が返事するのを横目に、少年は全く錆びる気のしない自身の剣を布で拭う。


「特別製って凄いなぁ……」

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