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奈々子の異世界冒険  作者: 結愛
異世界?
8/8

第5章:皇后様を救え(後編)2/3

皇后を救えの後編で終わりのはずが…

1/3・2/3・3/3と後編を3部作にさせてください。

よろしくお願いします。

菜々子は王様、宰相夫婦と医師たちに向けて、

解呪魔法の最終段階について説明した。


「今日が解呪魔法の最後の日です。今までの治療で呪いはかなり弱まっていますが、残るは呪いの核の部分です。これは一気に取り除かなくてはなりません」と菜々子が宣言した。

「これより最後の解呪に挑みます。」

菜々子は皇后様の病室に入り、深い集中を始めた。

医師たちは周囲に静かに立ち、緊張した面持ちで見守った。

「いきますっ」


彼女の手から光が放たれた。

放たれる光は次第に強くなり、部屋全体を照らし始めた。

光は皇后様の体を包み込み、神秘的な輝きを放った。


「これは…まるで光の海の中にいるようだ」と一人の医師が小声で言った。


菜々子は呪いの核心部分に集中し、更に強力な光を放ち続けた。

「これで、皇后様の呪いは解けます。今、全ての力を…っ」


光が最高潮に達した瞬間、皇后様の体が軽く震え、

その後、部屋の光は徐々に弱まり、やがて静かになり消えた。


「…っこれで完全に解呪できました。

ついでに解呪した呪いを収納してっ…っと」


「おぉ…なんという奇跡だ…奈々子様本当にありがとう…っ…」


「っ…よかった…っ。マリー本当に…っ」

王様やミランダが泣き崩れているのをロベルトが支えながら


「一体呪いをどちらに収納されているのでしょうか?

奈々子様のことなので大丈夫だとは思いますが…」


「実は私時間停止付きの無限収納という魔法を使えるんですけど…なんと説明したら…

ん~簡単に言うと空間魔法で容量を拡張しつつ時空魔法で時間を停止して…って話なんですけど、

このまま続きの説明してもよろしいですか?」


話を聞いていた皆が一堂に驚愕し

「えっ?!…空間魔法に時空魔法っておとぎ話に出てくる子供のためのお話でとばっかり思ってました」


と皆口々に話し始めた


「っ!なんとっ失われた古代魔法のうち空間魔法と時空魔法だなんて…すまん奈々子様のお話は私にはとても理解が追いつきそうもありませんっ。

後で我が国の魔術を専門としている者たちにお話を聞かせていただけませんでしょうか?

恐らく卒倒してしまうかもしれませんが私がお話を聞くより国のためになると思います。」


あまりの事態にこめかみを抑えながらロベルトが言うと国王陛下が、

「奈々子様お疲れのところ申し訳ないのですが、

皇后陛下のご様子がどうなったのか心配で念のため鑑定をお願いしたいのですがお願いできますか…?」といった


「はいっもちろんです!」

奈々子は再び集中しなおして鑑定魔法を使い皇后の体の状況をもう一度確認した。


名前:マリアベル皇后

種族:人間

能力:国民の声の代弁・人心掌握

状態:(長年の呪いの影響により)衰弱

魔力:100


「…っ…鑑定魔法の結果呪いが完全に解呪できたことがわかりました。

しかし、皇后様の体は長い間かけられた呪いによる影響で完全に回復するには、

特別な魔法が必要です。」

「そんな…っそれでは呪いが解けても皇后陛下はこのままだということですか…っ?!」

「ロベルトさん落ち着いてください。手立てはあります。

私はこれから最上級回復魔法を用いるつもりです」


王様と医師たちは驚いた表情で彼女を見つめた。

「最上級回復魔法ですか?それは今では使えるものがいないと聞く失われた魔法だったはずだが…?」

と王様が尋ねた。


「はい、この魔法によって、皇后様の体は最大限の回復を遂げることでしょう」

と菜々子が自信を持って答えた。


医師たちは畏敬の念を抱きつつ、

「あの伝説の魔法を見ることができるなんて…どうか皇后様を助けてください」と願った。


菜々子は皇后様の側に立ち、深い集中を始めた。彼女の手から放たれる柔らかな光は、皇后様の全身に広がり、穏やかな癒しのエネルギーを注ぎ込んでいった。


部屋の空気が変わり、静謐な雰囲気が広がった。

光は皇后様の体を温かく包み込み、その輝きが徐々に強くなっていった。


「これが最上級回復魔法…」と医師の一人が小声でつぶやいた。


「皇后様…!」と主治医が驚いて叫んだ。

光が最高潮に達した瞬間、皇后様の体に微細な変化が起こった。

まず、彼女の顔が健康的で艶やかな輝きを取り戻し始めた。


そして、最も顕著な変化は、皇后様の瞳だった。

彼女はゆっくりと、しかし確実に目を開き、初めて周囲を認識するような視線を投げかけた。

その瞳には新たな生気と意志の強い瞳の光が再び戻っていた。


光が消えた後、皇后様は深い一息を吐き、

小さな声で「ありがとう」とつぶやいた。

その声は弱々しかったが、明確な意識の復活を示していた。


一瞬の静寂の後病室にはみんなの歓声が響き渡った

「マリアベル…っ!早く助けてやれなくてすまなかった…っく…苦労をかけたな…」

「アラン…っ」

「おぉ!!!皇后陛下万歳!!!」

医療チームはみな喜び抱き合いながらむせび泣いていた


国王陛下の皇后様を思い献身的に尽くす姿と皇后陛下の慈悲深い微笑みに

奈々子は改めて皇后様をお救いで来てよかったと思っていると

ミランダが皇后陛下に泣きながら謝罪した。

「…っマリーごめんなさいっ。わ‥私がマリーが風邪をひいたときに聖国の教皇様にご祈祷いただいた人形に呪術が施されていると気が付かないまま回復を願ってあなたのもとに何度も…人形をっ持ってきてしまったの。

そのせいでマリーにこんなに苦しい思いをさせてしまいました。

本当にごめんなさいっ!

でも神に誓ってあなたに害を与えようとしたわけではないわっそれだけは信じてほしいの…っ」


「そうだったのね…

実はねミランダ私ずっと意識がないとみんなに思われていたけど、

ずーっと意識があったのよ。

だからあなたが私と二人きりの時にしてくれた話も覚えているわ。


春に花が咲き乱れて綺麗だから早く二人で秘密のお茶会がしたいと話したり

夏には暑すぎて子供の頃に二人で噴水にドレスのまま入ってびしょびしょになりながら怒られたあの日みたいにまた二人で噴水で遊びたいと言ったり

秋には皇女のエリザベスがお芋を食べすぎておなかが痛くて寝込んでいる話をしたり

冬には誰も見てないすきにベランダで雪だるま作って寝たきりの私のベランダに持ってきたことを誇らしげに語り早く治して一緒に雪遊びしましょうと言ったこと。

毎日毎日何年も何年も寝たきりのままの私に会いに来てたくさん話しに来て、

毎回早く治ってと願ってくれたあなたが私を呪術で殺すはずないなんて当たり前のことだれも疑ってなんかいないわよっ!」


「…っ…まりー…ごめんなさい・・」

「ミランダあなたって人は本当にそそっかしいんだから…大丈夫ミランダの気持ちを疑ったことなんて一度もないわ。あなたは何があっても私の一番の親友よっ!

ロベルトこれからもミランダをよろしくねっ」

「皇后陛下…っミランダを信じてくださって本当にありがとうございますっ」


泣き崩れるミランダをロベルトが優しく支え部屋の端で慰めていると


主治医のリチャードが皇后陛下の前に膝まづいた

「皇后陛下お救いするのが遅れて申し訳ございませんでした。様々な異国の資料も読み漁り最善を尽くしていたのですが、私では力及ばず結果こちらにいらっしゃる奈々子様にお救いいただきました。」


医療チームの皆が先程とは打って変わって沈痛な面持ちで悔しそうにリチャードの話を聞いていた。


「マリーこちらにいらっしゃる奈々子様がお前の体を鑑定?という魔術で体の状態を言語化して下さったおかげで呪術をかけられていることに気づき、

更に呪術を浄化し衰弱した体に最上級魔法をかけてマリーのを救ってくださったのじゃ」


「そうだったのね…リチャードあなたの顔を見たらあなたが私のためにどれだけ手を尽くして頑張ってくれていたのか、

自分で私を助けられなかったことをどれだけ悔やんでいるかがわかるわ。

でもねリチャード私はあなたにもとっても感謝しているの呪術がかけられているなんて

なかなか気づけるものでもないしましてや気づいたとしても浄化することなんて聖皇国の聖女様でないとできないわ。

そしてその聖女様でさえ最上級魔法なんて伝説の魔法は使えないのよ。

リチャードやサイモン医療チームのみんなが頑張ってくれたから私は奈々子様が来るまで生きていられて奈々子様のお力で助けていただけたと思っているわ。

医療チームの皆本当に大儀でした我らが王国の医療チームとして素晴らしい功績に深い感謝と尊敬の念に堪えません。」

皇后陛下からのお言葉に


リチャードは

「…っ皇后陛下・・本当にご無事でよかったです…っ」

といい泣き崩れてしまい


他の医療チームの面々も

「…っ…ありがとうございます」

「ご…っごぶじで…なにより…で…ずっ…」

などと再び深々お辞儀をしながら泣いていた。


「そして奈々子様。

命を救っていただいて本当にありがとうございました。

恐らく秘蔵されていた秘術の数々を私の命を救うために使ってくださったのでしょう。

本当に申し訳ないことをしました。

しかしご安心くださいこの国にいる皆あなたに深い感謝をしあなたの使用していた秘術に関しては箝口令を敷きます。

奈々子様には特別に是非なにかお礼がしたいのだけど…?」


「皇后様のご配慮に感謝いたします。

しかし私は今欲しいものが思いつきませんのでなにか思いついた時お願いしても宜しいでしょうか?」


「もちろんです。特別なおもてなしをさせていただきます。

お疲れだと思いますのでごゆるりと疲れを癒してください。」


「ありがとうございます。

では最後にもう一度だけ皇后様の体を鑑定させてください。」

「はい。よろしくお願いします。」と皇后陛下が言うと


奈々子はもう一度皇后に鑑定魔法をかけました。


名前:マリアベル皇后(美しい)

種族:人間

能力:国民の声の代弁・人心掌握

状態:健康

魔力:100


菜々子は感動と安堵の表情を浮かべ、

「皇后様、あなたはもう安全です。呪いは完全に解けました」と静かに告げた。


この奇跡に、王宮中が感動の渦に包まれた。


皇后様の回復後、王宮のあちこちでその話題が持ちきりとなった。特に侍女たちの間では感動と驚きが渦巻いていた。


「皇后様がお元気になられたそうですわ!菜々子様の魔法のおかげで!」と一人の侍女が興奮して話した。


「本当に?それは素晴らしいわ!王宮全体が明るい雰囲気に包まれているわね」と別の侍女が目を輝かせて答えた。


貴族たちの間でも、その話題で持ち切りであった。


「聞いたか?菜々子様が魔法を使って皇后様を救ったと!」とある貴族が驚きを隠せずに言った。


「えぇっ?!それはいったいどんな魔法を使ったんだい?」


「どうやら箝口令が敷かれているみたいでさ~誰に聞いても教えてもらえないようなんだよ~」


「ええ、今朝、医療チームから直接その話を聞きましたわ。

皇后様が再び歩き始められる日も近いそうです。」と別の貴族が興奮しながら話し出した。


王宮の廊下では、菜々子の勇気と能力を称賛する声が絶えず聞かれた。


「菜々子様は本当に私たちの救世主ですわ。彼女がいなければ、皇后様の命は…」とある侍女が言い、他の侍女たちも頷いて同意した。


「そして、彼女の謙虚さと優しさにも感動しましたわ。あれほどの力を持ちながら、いつも控えめで…」と別の侍女が感慨深げに付け加えた。


貴族たちの間では、菜々子の将来についての憶測も飛び交っていた。


「菜々子様は今後どのような役割を果たされるのでしょうね。

彼女のような才能は王国にとって非常に貴重ですから」とある貴族が考え深げに言った。

そして誰もが皆奈々子をどうやって自分の派閥に取り込むかについて思案していた。


皇后様が回復し、その報せが王宮に届いた時、皇女様は急いで母親のもとへ駆けつけた。皇女様は、皇后様がベッドに座って微笑んでいるのを見て、涙を溢れさせながら彼女の元へ走り寄った。


「お母様!」と皇女様が叫び、皇后様に抱き着いた。

「お母様、本当に元気になられたんですね!信じられませんわ!」

皇后様は優しく皇女様を抱きしめ、

「私の愛しい娘。あなたに再び会えて、どれほど嬉しいかしら」と感慨深く言った。

その後、皇女様は菜々子の方へ振り向き、涙を浮かべたまま彼女に近づいた。

「菜々子様、あなたが母様を救ってくださったのですね。ありがとう…本当に…」と言い、菜々子に強く抱きついた。

菜々子は皇女様を優しく包み込むと、

「皇女様、皇后陛下を救うことができて、私も嬉しいです。あなたのお母様は強い方です。あの状態でも生きていたのは皇后陛下のお力以外何物でもありません。本当に間にあってよかったです」と言った。


「菜々子様のおかげで、家族で再び笑いあえる日が来るなんて、本当に夢のようです。

ありがとうあなたのおかげでまたお母様にお会いすることができました。ほ…本当に…ありがとう」と皇女様が涙ながらに言った。


皇后様は二人を見つめ、

「エリザベス・・心配させて本当にごめんなさい・・大切な家族と再びこうして話ができるなんて…これほど幸せなことはありませんわ。奈々子様ありがとうございます。」と微笑みながら言った。


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