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奈々子の異世界冒険  作者: 結愛
異世界?
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第5章:皇后陛下を救え(中編)


菜々子は皇后様の手を優しく握り、目を閉じて集中した。

彼女の手からほのかな光が溢れ、皇后様の身体に静かに浸透していった。



名前:マリアベル皇后

種族:人間

能力:国民の声の代弁・人心掌握

状態:呪い

魔力:呪いにより封印




数分後、菜々子は目を開けて言った。

「皇后様は病気ではありません。

これは…強力な呪いです。

なんでこんなに強い呪術が…回復魔法では治せません。

私のもっている解呪魔法で治療することは可能ですが、

それでも少し時間がかかるでしょう。」


王様は驚きと希望の混じった表情で言った。

「なんと…呪いだったのですか…

えっ!!

ということは、あなたのいう解呪魔法なら皇后は助かるのですか!?

っ…どうかお願いします!妻を救ってください。」


菜々子は深く頷き、

「私にお任せください。皇后様を必ず助けます」と決意を新たにした。


菜々子は皇后様の手を優しく握りながら、王様にだけ聞こえるように静かに語り始めた。

「皇后様にかけられた呪いは非常に強く昔から何重にも重ねがけされている複雑なものです。」


王様は緊張した面持ちで尋ねた。


「そんなに昔からかけられていたものなんですか!?」


「はい…しかも最近新たに呪術をかけられた形跡があります。

この意味わかりますよね…?」


「…っ!今もなおこの城のどこかに呪術をかけたやつがおるということか!

そして今奈々子様が私にのみ聞こえるように話をしていることから推測すると…」


「そんな…っ…だってあの人は昔から…」


「王様…おそらくかなり前から用意周到に計画されていたということだと…」


「く…っ」


「まずは皇后様をお救いしましょう!そして安静にされている間に焦った犯人に暗殺されないように本当に信頼のおける部下の選定と護衛騎士の配置さらに皇后さまが召し上がる飲食物への検分の徹底をお願いいたします。」


「わかりました直ちに手はずを整えます。」


「王様、奈々子様?先程から何のお話をされていらっしゃるのでしょうか?」


「…っ! ロベルトさん!すみません。

王様には皇后様が呪術にかかった経緯に心当たりがないかを確認しておりました。

しかし、やはり巧妙に隠されているようで今のところ心当たりがないそうです。」


「そうですか‥まさか呪術だったとは…私も全く気が付きませんでした。

その呪いを解くには、どのような手順が必要なのですか?」


「まず、皇后様の体全体に私の解呪魔法を行き渡らせ。

それから、呪いの核となる部分を特定し、解呪魔法を施すことで、徐々に呪いを解いていきます。」と菜々子が説明した。


「それはどれほどの時間がかかるのですか?その…本当にまだ間に合うのだろうか…?」と王様が心配そうに尋ねた。


「正確な時間は言えませんが、数日から数週間を見積もっています。

しかし、皇后様の命は必ず助けて見せます!ご安心ください」と菜々子が答えた。


王様は深く頷き、

「あなたに全てを託します。

我が妻を救ってください!何かあれば遠慮なくいってください!」


菜々子は深い決意を持って言った。

「王様大丈夫です、必ず皇后様を救ってみせます。私を信じてください。」


「妻をお願いします」と王様が力強く答えた。


菜々子は皇后様の側で静かに魔法の準備を始め、

治療の準備を進めていると、


ロベルトが王宮の主治医等を連れ現れた。


「待ってください、これは一体どういうことなのですか?

私たちはこれまでの医学に基づいて治療や回復魔法を進めてきました。

このような非現実的な方法には疑問を感じます」と主治医のリチャードが言った。


菜々子は静かに答えた。

「私の解呪魔法は伝統的な医学とは異なりますが、

皇后様にかけられた呪いを解くにはこれが最善です。」


「しかし、私たちにはそのような呪いの存在すら確認できません。

それをどうやって解呪するというのですか?」と助手のサイモンが引き続き反論した。


「私も医師たちに説明したのですがご納得していただけず、

奈々子様に直接ご説明していただいたほうがよろしいかと思いこちらにご案内してしましました。

私としてもこのまま奈々子様に魔法を使用していただいてもよろしいものなのか判断しずらいところもありましたので医療チームに専門家としての意見もお聞きしたく、準備中にお邪魔して申し訳ございません」とロベルトが悪びれもなさそうに言った。


「そうでしたか…私の鑑定魔法によって皇后さまに呪いがかけられていることが明らかになりました。

回復魔法や医術では対処できません。

皇后様を救うには、解呪魔法が必要なのです」と菜々子が強調した。


王様が

「医療チームの皆には本当にいつも感謝している。

ただもう皇后に残された時間はわずかになってしまっているということも事実じゃ

私は最後まで皇后を救う方法を探すことを諦めたくないのじゃ…

私は菜々子さんを信じることに決めた。

彼女の解呪魔法が皇后を救う唯一の希望だ。

皆どうか私のわがままだと思って彼女の治療に協力してほしい

いまこの国で一番皇后の体調について把握している君達と奈々子様が手を組んでくれたらどんなに心強いか。どうか頼む」と言った。


医師たちはしぶしぶ承諾し、

「国王陛下…わかりました。

しかし、治療には細心の注意を払い、皇后様の安全を最優先に考えてください」と忠告した。


菜々子は笑顔で頷き、

「もちろんです。皇后様の安全は私にとっても最優先事項です。皆さんの協力に感謝します」と言い、治療の準備を進めた。


主治医のリチャードは眉をひそめながら言った。

「しかし、私たちの知識と経験からは、あなたの言う呪いというものが理解できません。どうやって見つけ出したのですか?」


菜々子は落ち着いて答えた。

「私の鑑定魔法は、通常の医学では見つけられない微細な異変をすべて言語化してくれます。皇后様の体の状態のところに呪いと書かれています。」


「鑑定魔法とは聞きなれないものですが、それ以外今は皇后様を救う手立てが思いつかないのも事実。

であれば、我々も協力します。ただし、何か異変があればすぐに報告してください」と助手のサイモンが言った。


「もちろんです。私の治療は皇后様に何らかの負担をかけることはありません。進捗については、定期的に報告します」と菜々子が約束した。


王様は菜々子に向かって言った。

「あなたの力を信じています。必要なものがあれば、遠慮なく申し出てください。」


菜々子は感謝の言葉を述べ、

「ありがとうございます。皇后様の治療には、静かで落ち着いた環境が必要です。

できれば、邪魔が入らないようにしていただけると幸いです」

と王様にアイコンタクトを取りながらお願いした。


「それは問題ありません。皇后の治療室はあなたのために最適な環境を確保します。すべての準備が整い次第、治療を始めてください」と王様が承諾した。

王宮内には、菜々子が皇后様の治療を行うという知らせが広まり、多くの人々が皇后様の回復を心から願っていた。菜々子の治療は、王国にとって重要な出来事となり、彼女の能力に対する期待は日に日に高まっていった。


菜々子が皇后様の治療に着手した日、王宮の主治医リチャード達も静かにその様子を見守っていた。


菜々子は深く集中し、手を皇后様の上にかざした。

彼女の指先からは微かな光が放たれ、皇后様の体を優しく包み込んでいった。


「これが解呪魔法ですか?」と主治医のリチャードが小声で尋ねた。


「はい、これによって皇后様の体内の呪いを解いていきます。この光は、呪いを中和し、やがて消滅させる力を持っています」と菜々子が静かに説明した。


「すごい…こんな魔法は初めて見ます」と助手のサイモン達が驚嘆した。


菜々子は集中を続けながら、

「この魔法は非常に繊細で、完全なる平穏と集中が必要です。少しの間、静寂を保っていただけますか?」と頼んだ。


医師たちは頷き、部屋には深い静けさが訪れた。

菜々子の手から放たれる光は徐々に強くなり、皇后様の身体全体を優しく照らしていた。


しばらくして、菜々子は手を下ろし、深呼吸をした。

「呪いの核心部分にアプローチしました。これから解呪のプロセスを加速します。」


「皇后様の顔色が少し良くなってきたように見えます」と医師の一人が喜んで言った。


「まだ油断はできませんが、順調に進んでいます。皇后様の体内で呪いが徐々に弱まっているのを感じます」と菜々子が答えた。


皇后様の病室では、菜々子の集中と魔法の力が徐々に呪いを解きほぐしていき、医師たちもその奇跡的な光景に心を打たれていた。


治療が始まってから数日後、菜々子は王様と医師たちに向けて報告を始めた。


「皇后様の体調に顕著な変化が見られます。呪いの影響が少しずつ弱まっているようです」と菜々子が語った。


「それは素晴らしい知らせですね!」と王様が喜んだ。


「ええ、しかし、完全な回復にはもう少し時間が必要です。おそらく一週間程度かかると思われます」と菜々子が続けた。


主治医が疑問を投げかけた。「呪いが弱まっているというのは、具体的にどのような変化なのですか?」


菜々子は説明を始めた。「最初は皇后様の呼吸が浅く、脈も弱かったのですが、今は呼吸が安定し、脈も強くなっています。また、皇后様の顔色も良くなり、全体的に生気が戻ってきているのが感じられます。」


「私の魔法は着実に呪いを弱めています。確実に回復へ向うと信じています。完全な回復には時間が必要ですが、私は皇后様が元の健康を取り戻せると確信しています」と菜々子が強調した。


「奈々子様!!ここ最近で一番の朗報だ本当にありがとう…っ」と王様が泣きながら感謝を表した。

数日が経過し、菜々子は皇后様の微細な変化を医師たちに説明していた。


「皇后様の皮膚の色が徐々に健康的な色合いを取り戻しています。

以前の青白い色から、より自然な肌色に変わってきているのがわかります」と菜々子が続けた。


「確かに、その変化は確認できます。しかし、これは本当に呪いの解除によるものですか?」と別の医師が確認した。


「ええ、呪いが弱まっている証拠です。また、皇后様の脈も少しずつ強くなってきています。これは彼女の全身に生命力が戻っている証です」と菜々子が応えた。


「それは確かに回復の兆しだと言えますね。しかし、まだ慎重に見守る必要があります」と主治医が言った。


「もちろんです。」と菜々子が言った。

翌日、菜々子は皇后様の微笑む姿を見つけ、医師たちに報告した。

「皇后様が微笑んでいらっしゃいました。

これは意識が戻りつつある証拠かもしれません」と菜々子が喜びを表した。


「本当ですか?それは非常に良い兆しです。皇后様が意識を取り戻す日も近いかもしれませんね」と医師たちが期待を寄せた。

翌日、菜々子は王様と医師たちに、皇后様の更なる改善を報告した。


「皇后様の呼吸が以前よりもさらに規則正しくなっています。これは、彼女の全身の機能が正常に回復している証拠です」と菜々子が語った。


「それは心強いですね。他には?」と王様が期待を込めて尋ねた。


「皇后様が時折、目を開けるようになりました。まだ完全に意識が戻ったわけではありませんが、回復の途中です」と菜々子が応えた。


「それは素晴らしい進展です!我が妻が目を開ける日を心待ちにしていました」と王様が喜んだ。


菜々子は続けて、

「また、皇后様の手足に温かさが戻ってきています。これは血行が改善され、全身にエネルギーが行き渡っている証拠です」と報告した。


「これはまさに奇跡のような回復です。菜々子さんの魔法には驚かされます」と主治医が感嘆した。


「皇后様の回復は私たちの励みです。しかし、まだ慎重に状態を観察し続ける必要があります」と菜々子が言い、全員が同意した。


数日後、菜々子は皇后様のさらなる回復を報告した。


「皇后様が初めて言葉を発しました。まだはっきりとした言葉ではありませんが、これは意識が回復している明確な兆候です」と菜々子が明らかにした。


「それは本当に素晴らしいニュースです。我が妻が再び話す日が来るなんて…」と王様が涙ぐみながら喜びをかみしめていた。


菜々子の治療と皇后様の回復は、王宮内外で大きな希望をもたらし、多くの人々が皇后様の完全な回復を心から願っていた。


いつも見ていただきましてありがとうございます!

満足していただけてますでしょうか?

いつも不安に思いながら投稿しています(ノД`)・゜・。

ブックマークしていただけると指標になるので

よろしくお願いします。m(_ _)m

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