表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奈々子の異世界冒険  作者: 結愛
異世界?
2/8

第2章: 草原の出会い


異世界の森を抜けた菜々子は、広大な草原に出た。

太陽は煌めくように輝き、空はクリアな青色に包まれていた。彼女はこの新しい世界の探求へと歩を進めた。

程なくして、菜々子はひっそりと佇む小さな村に辿り着く。



広がる草原を抜けて小さな村へと辿り着いた菜々子は、頑丈に造られた門前で立ち止まった。

村は固く門を閉ざし、新参者である彼女を警戒していた。

村には古くから「外の世界は危険である」という信念が根付いており、未知の訪問者は不吉の前兆とされていたのだ。


菜々子が門を叩くと、すき間から老いた村人の一つ目が覗いた。

「誰だ、お前は?」と厳しい声が問いかけた。

菜々子は自己紹介をし、自分がただの旅人であり、宿を求めているだけだと説明した。

しかし、老人は首を横に振り、

「我々は外の世界とは関わらない。お前のような者を村に入れるわけにはいかん」と冷たく拒絶した。


何度も説得を試みたが、門は開かれることはなかった。菜々子は門の外で一晩を過ごすことを余儀なくされた。それでも彼女は落胆せず、この際立った排他主義が彼女の心に挑戦として火をつけた。

彼女は自らの料理と薬草の知識をつかって村人たちの心を開こうと決意する。



朝の光が村を照らし始めたとき、菜々子はすでに小さな火を起こしていた。彼女の手際よく準備された野外キッチンからは、心を和ませる香りが立ち上り、村人たちの好奇心を刺激していた。


「お姉さん、何作ってるの?」と最初に尋ねたのは、元気いっぱいの少年ロイだった。

ロイの瞳は、菜々子が火にかけた釜の中を覗き込みながら輝いていた。


菜々子は微笑みながら答えた。

「これはね、森で見つけた果実と野草を使った特別な朝ごはんなのよ。みんなで一緒に食べませんか?」


ロイの興奮はすぐに他の子供たちにも伝わり、彼らはわくわくしながら菜々子の周りに集まった。

次第に、大人たちもその場に引き寄せられ、警戒心は興味へと変わっていった。


「それはどこの国の料理なんだい?」と村人のマーゴおばさんがたずねた。

彼の表情は疑わしいものから、次第に魅了されるものへと変化していった。


菜々子は、材料を切りながら答えた。

「どこの国というわけではないんです。

私が旅の中で学んだ、いろいろな国の味を組み合わせた新しい料理です。

この世界の食材はとてもユニークで、私の料理に新たなインスピレーションをくれました。」


「新しい味か…」ともう一人の村人ポム婆さんが言い、少し怪訝そうに眉をひそめたが、興味はそそられていた。


料理が完成すると、菜々子は一つ一つ丁寧に盛り付けをして、

「まずは私が味見しまーす!ん〜美味しい!さあ、みんなで食べてみて。どんな味か教えてね。」


子供たちは恐る恐る口に運んだが、すぐに顔が明るくなり、「おいしい!」「もっとちょうだい!」と喜んだ。


子供たちの笑顔を見た大人たちも、いつの間にか箸を手に取り、菜々子が作った料理を味わった。一口食べるたびに、驚きと共に村人たちの間に笑顔が広がり、舌鼓を打つ声が小さな広場に響いた。


「これは本当においしい。ねぇお嬢さんどうやったらこんな味ができるんだい?」

と、初めは疑っていたマーゴおばさんが驚嘆の声を上げた。


菜々子は温かく答えた。

「食材に耳を傾けると、それぞれの食材が最も輝く方法がわかるんです。」

「それはまたとっても素敵な才能だね~」とポム婆さんが言った

この朝の出来事は、村にとって新たな章の始まりを告げるものとなった。菜々子の料理は、彼女と村人たちとの間の壁を取り払い、新しい友情の種を蒔いたのだった。


小さな村で菜々子の料理が徐々に受け入れられ始めたある日、予期せぬ危機が訪れた。太陽が沈みかける頃、空気が突然に振動し、地平線の向こうから魔物の軍団が現れた。


「あの菜々子とかいう女のせいじゃ!あの女が魔物を呼んだんじゃ!だからワシは反対したんじゃ!今からでも遅くないあの女子を村から追い出すのじゃ」


「村長!今はそんなこと言ってる場合じゃないだろう!一人でも多くの手が必要だ!村人全員でこの村を守るんだ!」

村人たちは恐怖に震えなら魔物から村を守るため、防御準備を急いだ。


菜々子は魔物の脅威を感じ取り、自分の新たな力の真価を示す時が来たことを悟った。

「えぇ~っとステータスには全属性って書かれていたから私は魔法を使えるはず!ってか今使わなかったら私も村のみんなも助からないかも?やばいどーしよ~そういえば異世界転生の魔法でやってみたい魔法あったんだよね~できるかわからないけど…やっちゃえ!」


彼女は深呼吸をして魔法の力を呼び覚ますと、自ら前線に立ち、村を守るために魔法を操り始めた。


「雷神よ、我が呼び声に応えて!」と菜々子は天に呼びかけると、彼女の周りに電気が走り、強力な雷魔法が形成された。彼女は空に向かって手を振り上げると、輝く雷の矢が魔物の軍団に向かって放たれた。爆音と共に一陣の雷が地を揺るがし、襲来する魔物たちを一瞬にして焼き払った。

「えぇーー!!奈々子お姉ちゃんって大魔法士さんなの!?すごすぎない?魔物が消し炭みたいだよ!!マーゴさんポム婆さん見てよこれ!!」

ロイに続いて皆口々に奈々子の魔法に驚きが隠せない


「な…なんという威力じゃ長年生きてきたがこんな魔法にお目にかかる日が来るとは…長生きしてみるもんじゃなぁ」

「婆さんそんなこと言ってる場合か!奈々子さん先程は本当にすまないことを言ってしまったどうか許して遅れ…そしてどの面下げて言ってんだと思うかもしれんが…この村のためにその力を貸してほしい。この村には奈々子さん以外魔法なんて使える人はおらんし戦うといっても槍やナイフ斧や石?しかないが一緒に戦うのでどうかお願いします~」

村長が泣きながら奈々子にすがると

「え~っ!できちゃった…ってかそんなこといってるばあいじゃなくて~

村長!もちろん一緒に戦いましょ!っというか戦わないとみんな死んじゃうかも~っとか思って~」

「奈々子さん!本当にありがとう絶対に村を守りきりましょう!」

「あ~はい~」

しかし、魔物たちはまだ無数に残り、村に迫る。

「みんな!話をしている場合じゃないよ~魔物がまたすぐそこまで来てる~」

ロイ達子供が口々に言うと奈々子は再び魔法を繰り出す

「えぇっと次は~守り!守りといえば…」

菜々子は更に集中し、「守護の壁よ、固く結ばれ!」と唱えると、透明な防御障壁が村の周りに展開された。魔物たちの攻撃は障壁に阻まれ、村人たちはその背後で震える手を休めることができた。


戦いは夜を通じて続いたが、菜々子の雷魔法と防御障壁のおかげで、村は一度も侵されることはなかった。夜が明け、ついに魔物たちの襲撃は終息し、村人たちは救われたことを悟った。


菜々子が魔物を殲滅したことで、彼女に対する村人たちの見方は一変した。かつて彼女を疑っていた村人たちも、彼女の力と勇気に感謝し、彼女を英雄として讃えた。村の長は菜々子に深く頭を下げ、「あなたは我々の村を救った。永遠に感謝する」と言った。


菜々子が魔物の襲撃から村を守った後、この出来事はもはや村人たちの間で語り草となっていた。

彼女が初めて門を叩いた日誰もが彼女を拒絶したが、

今や彼女は村の大切な守護者となった。


魔物の襲撃が去り、破壊された村の修復が始まった。

菜々子は、彼女の力が村人たちの命を救ったことに心からの喜びを感じていたが、

彼女の中には新たな決意が芽生えていた。

彼女はただの料理人ではなく、この異世界で何か大きな役割を果たす運命にあると感じていた。


「菜々子さん、あなたは本当に私たちの英雄です」と村の子供たちが彼女に花束を手渡した。

菜々子は優しく微笑み、子供たちの頭を撫でながら、「皆が無事で本当に良かったわ」と答えた。

彼女の目には、子供たちを守るためならどんな困難にも立ち向かう強さが宿っていた。


村の再建に際しても、菜々子は魔法を用いて大いに貢献した。

彼女は瓦礫を一掃し、壊れた家屋を修理するのに必要な材料を鑑定し、分類した。

彼女の無限収納能力は、建材や食料を運ぶ際に非常に役立った。

村人たちは、彼女の技能にただただ驚くばかりだった。


「菜々子さん、あなたなしではこの村は立ち直れなかったでしょう。どうやってお礼を言ったらいいのか…」と村長が感謝の意を表すと、菜々子は控えめに答えた。


「私はただ、できることをしただけです。皆さんと無事に魔物の脅威を退け死傷者0だったこと、

それこそが私にとって最高のご褒美です。」


村長は深く頷き、村人たちもそれに同意するように頷いた。菜々子の料理が村に新しい風をもたらし、彼女の魔法が村を救ったことで、彼女はもはや外部の存在ではなく、村の核となっていた。


数週間が経ち、村は以前の賑わいを取り戻した。子供たちは再び笑顔で広場を駆け回り、大人たちは畑で収穫に励む日々を送っていた。








いつもご視聴いただきましてありがとうございます!

もしよろしければご意見ご感想等いただけると結愛が喜びます( *´ㅂ`* )人(*´ω`*)♡

も…もしかしたら執筆スピードがあがるかも?です(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋

どうぞお手柔らかによろしくお願いします。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ