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自覚の足りない邪神さんは、いつもどこかで迷走しています  作者: デブ(小)
第三章 邪神さん、華麗に羽化する
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19 神前試合1

 かつてない規模となった神前試合は、大盛況の内に幕を閉じた。


 今回の参加者は1,248人で、希望者は軽くその十倍を超えたらしい。

 その多くは参加費の金額を、若しくは参加者の錚々(そうそう)たる面々を見てすごすごと引き下がったようだけれど、不運にもお祭り気分で参加してしまった人たちは、新年早々本気(ガチ)勢によって痛い目を見せられるという、酷い年明けになったようだ。


 全体としては、決して手際が良いとはいえない催しだった。

 それでも、昼夜を問わず試合が行われて、参加者のレベルも高かったため、観衆を大いに喜ばせて、それに応えるように参加者も奮い立った。


 そうして勝ち残った8人の勝者を、王都中の――王国中の人々が称えた。


 子供たちは彼らに憧れ、大人たちは更なる王国の繁栄を確信したとかどうとか。

 閉会のスピーチで、アルがそんなことを言っていた。



 もちろん、それは一般に向けた話であって、本番――というか、茶番はむしろこれから始まる。


 勝ち残った8人と私が戦うのだ。

 戦う……?

 戦いになるのか?



 彼らの事前の《鑑定》による能力値は、平均するとレベル三十強。実力的にはリリーの十分の一程度らしい。


 評価基準がおかしい――いや、毎日タックルを受け続けている私に分かりやすいようにしたつもりなのかもしれないけれど。


 とにかく、全員一緒に相手をしても0.8リリー。

 連携次第で変わると思うけれど、単純計算ではリリーひとりにも及ばないということだろう。

 やはり戦いになるかどうかも怪しいけれど、あまり一方的な展開はなしにしてほしいと注文をつけられているので、そう見えるようには努力するつもりではある。

 相手の頑張り次第だけれど。


 なお、その8人のうち、公爵の息がかかっている人は3人だそうだ。


 いくら使って、何人送り込んだのかは分からないけれど、正攻法以外にも買収に妨害工作にと、盤外戦でも派手にやっていたとも聞いている。

 神前だというのに恥じることもなく、何だかもういっそ清々しい。


 彼らに羨望の眼差しを向けていた子供たちには気の毒だけれど、子供たちも大きくなれば大人の汚さが理解できるだろう。

 正々堂々なんて、言葉だけのものだ。


 これから起こる茶番もそうだし、彼らよりは強いらしい公爵本人が参加していないのもそういうことだ。


◇◇◇


 これから臨む茶番に際して、アイリスがせめてもの景気づけにと、リリーがプレゼントしてくれたリボンで髪をふたつに結んでくれた。

 いわゆるツインテールというものだ。

 私も幼い頃の妹たちにやってあげた記憶がある。


 今日の衣装であるチャイナドレスに合わせたとか何とか、服のチョイスも含めてよく意味が分からないけれど、ふたりの何かしらの想いが込められているなら頑張らねばならない。


 それがたとえ茶番だとしても、全力で演じるのみだ。


 それで私がどんな道化に見えたとしても、ドレスのスリットの深さに比べれば大体のことはどうでもいい。

 というか、スリットが腰の上まであるのだけれど、こんなに必要?


 とにかく、今のアイリスは王族でも巫女でもなく、前世の分まで自由を満喫しているところなのだ。

 水を差すのは気が引ける。


 余談だけれど、アイリスは非常に不器用で、髪を結うだけのことにとても苦戦していたのだけれど、楽しそうにしていたので好きにさせた。

 最終的にはそれを見兼ねたミーティアの手を借りて仕上げたのだけれど、上機嫌の彼女に水を差すのは野暮だと思ったのか、誰も何も言わなかった。




 試合前の最後の打ち合わせのために呼び出された部屋には、既に8人挑戦者が着席していて、私の姿を目にすると、ひとりを除いて激しく動揺していた。


 そして、戦う順番について激しく争い始めた。


 雇い主から、私について詳しく聞かされていなかったのだろうか。


 まあ、聞いていたとしても、見た目はどこにでもいる小娘である。

 舐められるのも無理はない――とはいえ、嗜虐的な色を瞳に宿して、欲望のままににやけている口元は、正直見ていて気分の良いものではない。



「彼女が今日君たちと戦ってもらうことになるユノ様だ。棄権する者は今のうちに申出ること」

 今日の進行を務めるアルが、私の入室を確認したところで説明を始めた。

 というか、なぜ私に「様」を付けた?


「基本的に何でもありだが、戦う順番については各々で相談して決めるならそれでもいいし、そうでなければこちらで決める。ただし、ジョーダン閣下は最後になります」

 この場には、アル以外に見たことのある顔がひとつあった。


 デレク何とかジョーダン将軍――国王陛下夫妻と面会した時に後ろにいた人で、アルから渡された「間違っても殺してはいけない」リストに入っていた人だ。

 関係者の前で残りの7人と戦った後に、彼とはある程度一般人にも公開する形で戦うことになる。


 もっとも、一般人といっても有力な商人とか冒険者とか、一定の知名度や影響力のある人だけらしいけれど。

 つまり、噂を広めてもらうための人選で、デ……ジョーダン将軍はそのための生贄枠なのだろう。



「全員同時でもいいですよ」

 しかし、私としては、ここのところの激務でやつれてきているアルに、楽をさせてあげたいと思っている。

 もちろん、私が楽をしたいという理由もあるけれど。


 正直、0.8リリーと聞いて想像していたより、もっと駄目っぽくて困っている。

 所作が雑すぎて――いや、強さを勘違いしてイキっているとかそういう感じだろうか。

 自信があるなら、他人を牽制するとか、威嚇するとかしないで、もっと落ち着いていればいいのに。


 アルからは良い試合に見せかけろと言われていたけれど、強い弱い以前に何かが駄目な、更に慢心しているような人にどう立ち回れというのか。

 せめて、数でも増やせば見栄えもするかもしれないけれど……。


「お嬢ちゃんは面白いことを言うなあ。でも、世間知らずも程々にな」

「今は雇われの身なれど、寄って集ってひとりの婦女子を襲うなど言語道断」

「ははは、それじゃあ俺が楽しめないじゃないか。お嬢さんこそ、俺と戦うまでに負けないでくれよ?」

 まあ、いろいろ言われるのは想定内。

 大体の人は、私が強さとは無縁に見えるそうだけれど、私の所作にも気づかないレベルだと、人を見る目には期待できない。

 誰かひとりくらい犠牲にならないと分からないか。


◇◇◇


 何だかんだで時間になったので、控え室から舞台へ続く通路を歩いていく。


 観客はよほど楽しい催しだと思っているのか、開始前から非常にテンションが高い。


 今現在の観客は、大貴族とかその関係者だけのはずなので、もっと大人しいのかと思っていたけれど、魔物との戦いが日常のような世界では、闘技に対する関心が強いのかもしれない。

 それか、野球やサッカーのような競技の代わりの娯楽となっているのか。


 舞台へ近づくほどに、喧騒が強くなっていく。


 人前に出るのは好きではないけれど、特に苦手ということもない。

 注目されるのには慣れている――というか、いちいち気にしていたら何もできない。


 しかし、この雰囲気はさすがに異質すぎて少し戸惑ってしまう。

 みんな興奮しすぎじゃないかな?



 会場の中央には、直径30メートルの円形の舞台が、地面より50センチメートルの高さに設置されていて、更に舞台より10メートル離れたところから客席が設置されている。

 全体的な雰囲気は円形闘技場というものだろうか?

 舞台や屋根があるせいで国技館のような感じもするけれど、どちらにせよ舞台と客席が近すぎるような気がする。


 恐らく、結界か何かが張られているのだと思うのだけれど、結界が役に立ったところが記憶に無い私には不安で仕方がない。


 舞台に上がって客席の方を見ると、歓声が一層大きくなる。


 貴賓席らしき場所には、国王陛下と王妃殿下、そしてアイリスの姿も見える。


 リリー、ミーティア、ソフィアの3人は、舞台から一番遠い最上段にいるのが見えた。

 リリーは私と目が合うと大きく両手を振ってアピールをしていたけれど、ミーティアは両手一杯に食べ物を抱えてそっちに夢中、ソフィアは《鬼殺し》で酔っているようだった。

 まあ、今日は彼女たちを楽しませるようなものは見せられないと思うので仕方がない。


 とにかく、何かあったときに、アイリスとリリーを守ってくれればそれでいい。



 リリーに手でも振リ返すべきかと考えていると、ようやく反対側の通路から挑戦者たちが入場してきた。

 あれ? よく考えると、普通は挑戦者が先に入場しているものなのでは?

 もしかして、私が挑戦者枠?


 しかし、8人揃って入場してきたのに、舞台に上がったのは、豪華な装飾の付いた紫紺のローブを纏った細身の男の人がひとりだけ。

 いい歳して、イキッて「楽しみたい」とか言っていた人だ。

 ひとりくらいは見せしめが必要だと思っているのだけれど、楽しめるといいね。



「お集まりいただいた方々には以前にご説明とお約束したとおり、ユノ様に挑戦する機会を作りました」

 少し遅れてアルも舞台に上がって、舞台と客席にいる全ての人に対して宣言を始めた。

 というか、やはり私は挑戦される側じゃないか。

 段取りおかしいよ。


「ユノ様の立場は王国の臣民ではなく、王国に対する協力者です。よって、今回の試合以降彼女に手を出した者は、王国と協力関係にある方に対する罪人、最悪は王国に対する反逆とみなされます。その場合、王国として反逆者は即刻ユノ様に引渡し、ユノ様の行う報復にも関与しません」

 公に「報復なら殺しても構わない」というお墨付きをもらった。

 要らない。


 アズマ公爵に対する布石なのは分かっているけれど、何だか私が危険人物であるかのように聞こえるのはどうかと思う。


 当の公爵は、アルの宣言に不満だったようだけれど、「要は勝てばいいのだ!」とか「負けたとしても従う義理などない!」などと、大きな声で喚いた。

 後者は、思っていても黙っていた方がいいのではないだろうか?


「まあ、そういうことだ。ユノ殿の色香に惑わされるのも分からぬではないが、この無謀な挑戦者の数は些か残念に思う。……ユノ殿は銀竜を制したのだぞ? 正気か?」

 陛下がアルの後を継いで、手勢を送り込んだ人たちを軽く非難する。

 というか、当初とは状況が少々(邪神分)変わっているので、非難にも熱が籠っている気がする。


「とにかく、今日の試合でよく見極めることだ。―――では、始めよ!」




 陛下の合図で試合が開始されたと同時に、舞台上にいたローブ姿の人が《飛行》魔法で空へ舞い上がった。


 力を出し尽くさせろとの指示があるので、隙だらけのそれをただ見送るしかない。


 ところで、なぜこの世界の人はすぐに飛びたがるのだろう?

 そこに空があるから?

 個人的には、地に足をつけて生きた方がいいと思うのだけれど。



 さておき、飛んでいるというより漂っているという表現がしっくりくる男の人が、無軌道に動き回りながら上から魔法を撃ち込んでくる。


 飛行速度も魔法の速度も遅すぎて話にならないけれど、勝ち誇ったような表情には若干イラっとさせられる。


 こんな人に経験値を進呈するのは嫌なので、全て躱す。

 というか、それほど速く動いているわけでもないのに照準が追いついていないので、《爆炎》の魔法の爆風にすら巻き込めない有様で、私はひとりで踊っているだけの状況だ。


「ははは、手も足も出ないかい? 早めに降参すれば痛い思いをしなくて済むぞ!」

 しかし、彼は目が悪いのか頭が悪いのか、どう見ても私にはダメージも消耗も無いのにこの言い草である。


 そもそも、王国中から集めて選び抜かれた人のすることが、空から魔法バラまくだけ?

 しかも、魔法の種類が、中級の《炎槍》と一応は上級の《爆炎》だけ? 

 行動を制限するような使い方とか、時間差によるフェイントとか、アルのような工夫も何もない。

 というか、アルやリリーと比べても発動や弾速は遅いし、威力もとても弱いので、彼もまだ本気を出していないのだと思いたい。



 いつになったら本気を出すのかとしばらく様子を窺っていたところ、彼はなぜか息切れし始めて、徐々に手数が少なくなっていった。

 まさか、ずっと本気だったのか?

 何の冗談だろう?

 いや、でも、明らかに顔色が悪いし、あれが演技とか魔法だとすると、空を飛ぶよりずっとすごいと思う。


 今になって思えば、クリスさんのところのホムンクルスはそこそこ強かったのだとか、アイリスの護衛をしていた騎士さんたちも、本当に手練れだったのだと理解できる。


 彼が空中で魔力回復薬を口にしている隙に、アルに「もういいよね?」と視線で合図を送る。

 これ以上同じことを繰り返しても、結果が変わることはない。



 アルが頷いたのを確認して、スカートの裾から投げナイフをひとつ取り出す。

 刃は潰してあるけれど、恐らくあまり意味は無い。


 そもそも、彼の飛行高度が低いので、鎖で拘束することもできるのだけれど、不可視であっても領域を使うつもりはないし、不完全なものであっても領域の展開を見せるつもりはない。

 リリーのように勘が鋭い人がいれば、何かに勘づかれるかもしれないし。


 もちろん、跳んで捕まえるのも簡単なのだけれど、観衆にパンツを見せるつもりもないので、跳ばない。

 ついでに、腰より高い位置を蹴ることも封印する。


 何かの拍子に見られるのは仕方ないとしても、わざわざ見せるつもりはない。

 見せなければいけないのは力の差なのだ。


 無駄に怪我をさせるつもりはなかったのだけれど、チャレンジャーなのに空を飛んだ自分を恨んでもらおう。



 彼が《爆炎》を放った瞬間に合わせて、ナイフを投擲する。

 攻撃のタイミングに合わせたのは、変に避けようとして致命傷を負わないようにとの配慮だ。

 避けられないとは思うけれど、移動時は本当に無軌道で、攻撃時には足が止まる。

 空にいる場合は何というのだろうか?

 とにかく、攻撃時に居着くので、そこを狙った方が確実だ。


 しかし、そんな配慮も空しく、彼の目では追うこともできなかったそれは、彼の纏っていた結界を破壊して、さらに片足を吹き飛ばした。

 おまけに、観客席を覆う結界も貫いて空の彼方へ消えていった。

 やはり結界は役に立たなかったか。

 次からは射線に気をつけなければならない。


「あれほどの結界をいとも容易く!?」

「まさか、魔法の武器か!?」

「確かに、これだけの破壊力ならば竜を倒したことも――」

「早まるな! あれほどの魔剣を大量に用意できるはずがない!」


 とか何とか、観客席の方から騒めきが聞こえるけれど、投げたのは在庫処分で大安売りしていた粗製品である。

 こんなものでは、ミーティアの装甲に傷を付けることはできないだろう。


 それでも、それがどこに落ちるのかを考えると少し恐ろしい。


 まあ、消えていったのは公爵領がある方角なので、彼の家にでも当たってくれることを祈ろう。

 さすがにそこまでは飛ばないと思うけれど。



 それはさておき、片足を失ってバランスを崩し、《飛行》魔法を持続するための集中も途切れた彼は、当然ながら落下してくる。


 普通の人なら死んでもおかしくない高さでも、レベル補正とやらのおかげで死ぬことはないだろう。

 多分。

 システムの補正のおかげで、「打ちどころが悪ければ」というのはあまり発生しないと聞いているし。


 それどころか、痛みに対する耐性もつくのだとか。

 それを証明するように、彼も片足を失いながらも新たな結界や障壁を掛け直したりしながら、着地に備えている。


 システム補正っていえば、何でも通ると思っていない?


 まあ、ソフィアの剣術――刀線や刃筋のでたらめな剣術でも、それこそ刀が鞘に収まったままでも、スキルレベルが高ければ何でもかんでもスパスパ切れるらしいし、理不尽だけれど、この世界はそういうものだと認めるしかない。


 というか、彼はこの状態でもまだやる気なのかな?


 ああ、地上戦なら、投擲は射線上に観客がいるから封じられるとでも思っているのかな?

 今現在、絶賛隙だらけなのだけれど、それ以前に勝負がつくとは考えていないのかな?



 さすがにそこまで莫迦ではなかったのか、着地の瞬間を狙われないようにするためだと思うけれど、彼が稲光のような眩い閃光を放った。


 仕掛けのタイミングが遅すぎて、むしろ今更かと逆に驚かされたけれど、残念ながら、私の身体はとても丈夫である。

 日光で肌が焼けることもなければ、太陽を直視しても目が眩むこともないので、太陽以下の光量では本当に意味が無い。

 むしろ、この閃光のおかげで、いろいろ見られることがないと思うと、逆に都合が良いまである。


 遠慮なく、着地寸前の彼をボレーで舞台の外まで蹴り飛ばした。


 さきの投擲での足の吹き飛び具合から判断した、絶妙な力加減で、彼は良い感じに瀕死になった。

 これが「全身を強く打って、意識不明の重体」という状態だろう。


 ちなみに、「即死」とは、死亡の原因となった外的要因を受けた時から比較的短時間で亡くなることを差すので、この状態は後々即死と判断される可能性がある。

 ただ、この世界ではここからでも回復するらしいので心配は要らない。

 多分。


◇◇◇


 私と同じく目くらましに引っ掛からなかったアルが、ぐったりして動かない物体の様子を確認して、首を横に振ると、応急処置を施して係員に搬出させた。


「では、次の者。舞台に上がれ!」

 結構な衝撃映像だと思ったのだけれど、切り替え早いな。

 さすが、一国の王?


 しかし、挑戦者さんたちはそうではないらしく、あからさまに動揺していて、互いに目配せをしている。


 そんな彼らひとりひとりに向けて、手招きして挑発する。

 そうして舞台に上がって来たのは6人。

 やった、大漁だ。


 観客席は大きくどよめいているけれど、純粋に私の心配をする人、勝者をどう決めるかを心配している人など様々だ。


 しかし、さっきの彼の有様を見ても彼らの心配をする人が皆無なのは、さっきの人が捨て駒なのか、雇い主に人の心が無いかのどちらかだろう。

 私としては前者であることが望ましい。


 本当はもう少しマイルドな感じに仕上げるつもりだったのだけれど、当たりどころが悪かったせいか、許容範囲ギリギリになってしまった。



 さておき、舞台上で対峙している6人の手には、剣、細剣、槍、短剣、刀、棍と、やはり近接戦闘を主体にする人が多い。


 魔法の強みは、その多様性と絶大な効力であって、アルのようなイレギュラーな存在でもなければ、

限定された空間での一騎討ちなどは不向きとされているのは事実のようだ。


 むしろ、さっきの魔法使いの人は、この状況で戦った方が真価を発揮できたはずだ。

 まあ、目の前の彼らからしてみれば邪魔だろうから、仲間外れにされたのかもしれないけれど。

 とにかく、レベルを上げて物理で殴るというのは、どこの世界でも有効なのだろう。

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