表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自覚の足りない邪神さんは、いつもどこかで迷走しています  作者: デブ(小)
第十三章 邪神さんと変わりゆく世界
440/725

07 緊急帰還

 戦挙の準備期間はおよそ一か月半。


 戦挙開始日が決まっていることと、エントリーしてからの準備開始となるため、当然、早めに活動を始めた方が有利になる。

 また、協力者を集める人脈や、人を雇える資金力があれば、更に有利になる。



 ルナさんたちは、参加受付が開始されると同時に参加表明して、私の不参加を条件に、ルイスさんからの金銭的支援を受けている。

 さらに、学長先生からの厚意で、実験室のひとつを陣地に使えることになった。



 実験室は、訓練場ほどではないものの、爆発や化学汚染や呪いなどに備えて強化されている――最後のはよく分からないけれど、とにかく頑丈にできているということらしい。

 さらに、窓や扉は、隔壁で外部からの侵入を遮断できる仕組みになっているので、陣地としては申し分ない。


 もちろん、進入路に罠を仕掛けておくのも定石で、その罠に使えそうな危険物もいっぱいある。

 これらは、上位入賞を狙う彼女たちには大きなアドバンテージだといっていいだろう。



 しかし、私の親衛隊を自称する人たちの大量参加が、場を混乱させている。


 その彼らが狙っているのは、私の公式認定という何だかよく分からないものと、ルナさんたちの現在の地位である。


 ルナさんたちが私と一緒に温泉に行っていたとか、一緒に訓練していたという噂が広がっていて、彼らの嫉妬の対象になってしまっていたようだ。



 そして、その嫉妬している人の中には副学長先生もいるようで、なぜか一部の学生を支援する形で総戦挙に干渉するつもりらしい。

 大人として、教職にある者として、それはどうなのだろう?

 講師混同! なんちゃって。



 とにかく、参加パーティーが増えた分、各陣地の間隔が狭まった――というか、一部は過密状態で、戦局が全く読めない状況になっている。


 ルナさんのパーティーは初期から陣地構築を始められたため、縦深防御も可能なくらいには陣地を確保できているけれど、それも一斉に攻められると大した意味は無いかもしれない。


 もっとも、彼らもあまり露骨なことをやって私に嫌われても本末転倒だろうし、過剰に警戒する必要は無いと思うけれど、どこの世界にも暴走する人はいるものである。


 しばらくは特にすることはないと思っていたけれど、多少は気をつけておいた方がいいかもしれない。




 そんなことよりも、妹たちが突然こっちの世界にやってきたことの方が問題だ。


 詳しいことは何も分からないけれど、ソフィアが吸血鬼の真祖とかいうヌメヌメしたものと戦っていたところに、種子の召喚に便乗したような形でこっちの世界にやってきた。

 ふたりには、こっちの世界に来れないようなプロテクトが掛かっていたはずで、便乗にしても簡単なことではないはずなのだけれど……。

 まあ、バグだらけの世界を創った人たちの言葉を信じたのが間違いだったのかもしれない。




 さて、再会できたこと自体は嬉しいのだけれど、現実はそれだけでは済まなかったりする。

 とにかく、各所への報連相――一番行きたくなかった主神の所には、私が直接行くしかなかった。



「君たち家族は、本当にこちらの段取りを台無しにするのが好きだね」


 などと、なぜか開口一番に私たちのせいのような言い方をされたけれど。


 とはいえ、根が善良な彼らが小言だけで終わることはない。

 今後の協力関係も継続すると明言してくれた上で、ふたりの高度な《鑑定》とユニークスキルの解析を請け負ってくれた。



 もちろん、協力関係というからには私にもいずれ面倒事が回ってくると思うけれど、しばらくはさきの世界創造で足りている――というか、まだそれすら上手く活用できていないようなので、猶予はあるはずだ。


 強いて挙げるとすれば、本来は人間を増長させないための災害の象徴である古竜が、湯の川に集まりすぎていることを気にしているようだけれど、今のところは複合災害が起きる予兆などはない。

 というか、湯の川においての一番の災害は私かもしれない。


 隕石が降ってくるとか、大火災が起きるとか、冷害に水害に疫病に地震にほかにもいろいろ、そういうことを乗り越えて人間は強くなる。

 踏まれて強くなる稲と同じだ。


 その理屈でいくと、湯の川の人たちが強くなったのは、それら以上の何かがあったと考えるのが筋である。

 それが何なのかはさっぱり分からないのだけれど――もしかすると、私の責任ではないのかもしれないけれど、私の対外的な立場と、私の名を冠した町で起きていることで、無関係と主張しても誰も信じてくれないだろう。


 まあ、私が取り乱しても何の解決にもならないので、せめて何の問題も無いと堂々としているのが次善なのだろう。

 病は気からともいうし。




 とにかく、先に対処すべき問題は妹たちのことだ。


 主神に会ったついでに、彼らの下で働いている父さんにも報告した。

 というか、こっちが本命だった。



「はっはっはっ! さすが私たちの娘だね。逞しいにも程がある!」


 父さんは笑っていたけれど、どうやらこの人は親莫迦の気があるので、問題を理解していない可能性がある。

 何しろ、十年以上息子として育ってきた私が、娘になった上に耳やら尻尾やら翼といったオプションパーツをつけて現れても、笑って受け容れた剛の者である。

 理解力というか寛容さというか、ありすぎるのもちょっと怖い。



「ふたりの今後のこと、日本に残してきた人たちのこと、ほかにもいろいろ、母さんとも相談するべきだと思うのだけれど、時間を作れないかな?」


 そして、これが本題になる。


 父さんが忙しいのは充分に理解している。

 分体を出したり分裂したりできないことも知っている。

 それでも、家族の一大事なので、時間を作ってもらいたい。



 なお、父さんが現在修復しているのは、月にいる主神たちと地上の神々を繋ぐ通信手段のようなもので、重要度は非常に高い。

 しかし、種子の力を用いてのものであるため、機械的に繋いで終わりというわけでもない。


 それに、復旧したとしても、万一にも傍受が可能で、それがアザゼルさんたちのような人たちに悪用されると非常にまずい。

 というか、素人集団である主神たちがアザゼルさんたちに勝てたのは、運によるところが大きい。

 そして、次も勝てるという保証は全く無いので、慎重にならざるを得ないらしい。


 もちろん、私の家族に火の粉が降りかかるようなら私も動くつもり――父さんと母さんは大人なので、ふたりの意思を尊重するけれど、未成年である妹たちは守ってあげたい。


 しかし、ほかの人や当人たちにも、最初からそれを当てにされても困るので黙っている。



 というか、私としては、妹たちには一度日本に戻ってもらいたいと思っている。

 こっちに来るのは、学校を卒業してからでも遅くはない。


 必ずしも学力が人生を豊かにするわけではないと思うけれど、そういうのはきちんと修めた人が言うことであって、やらない理由にするのは違うと思う。

 少なくとも、そこには抱えきれないくらいの可能性がある――と思う。

 私が言っても説得力が無いけれど。


 もちろん、人生を懸けるレベルで本当にやりたいことがあるなら応援するけれど、学校とは学力だけではなくて社会性とか協調性とか、多くのことを学べる場である。

 やはり私の個人的な所感なので強制する気はないけれど、ひとつの選択肢として提案したい。



 何にしても、なるべく早く結論を出す問題だと思う。


 父さんは主神たちにお願いすれば、ここまでろくに休みももらっていないみたいだし、大丈夫だと思うのだけれど、そうでなければ出るところに出るとして、問題は母さんの方である。



 母さんの方は、壊れてしまった通信網の代わりに、連絡役として各地を転々としているそうなのだけれど、不定期に帰ってくる以外に連絡が取れないのだ。


 ここと地上では時間の流れが違うため、主神や父さんたちの感覚ではそう問題にはならなかったようだけれど、今回私がここに来てからの数分が、地上ではもう数時間である。

 母さんは老化を遅らせる装備を所持しているため、父さんとの年齢差が開いていくというようなことはないそうだけれど、問題はそこではない。



 地球との時間差で、妹たちの帰還が不可能とか困難になる可能性だってある。

 悠長に待っていられる余裕は無い。



 なので、私が捜しに行こうかと提案した。

 決して、双子ちゃんを見てみたいとかそういうことではなく、それが一番早いからである。


 しかし、却下された。


 母さんが優先的に行っているのは状況が不安定なところらしく、そこに事前の調整無しに私が行くと問題が複雑化するかもしれないとか、それっぽい理由をつけられると無理はいえない。


 一方で、地上での神族間ネットワークは健在なので、母さんを見かけたら帰るように伝えてもらうためにあちこち(おもむ)いていると、ただ業務報告するだけでは済まず、なぜか当然のようにライブを要求される。


 とはいえ、母さんを捜すのは家族の――結局は私的な問題なので、彼らにとっては業務外の案件である。

 多くの神族は、公私の区切りが曖昧なところがあるけれど――いや、だからこそ、対価は支払うべきだろう。


 ……それなら、セーレさんとかアクマゾンに依頼すればよかったのかもしれない。



 とはいえ、一度始めてしまうとやり通すのが私の流儀である。

 初志貫徹とか、石の上にも三年とか、父さんや母さんから教えられた大事な心得なのだ。

 自分でも難儀なものだと思うけれど、いつか役に立つこともあると信じて、地方巡業は分体も使って継続する。



 その甲斐あってか、母さんはすぐに見つかった。


 というか、神族の大捜索に気づいた母さんが、緊急事態かと勘違いして帰ってきた。

 これでようやく母さんとも再会できた。



 しかし、再会を喜ぶより先に「やりすぎ!」と怒られた。

 一応、家族の緊急事態ではあるのだけれど、神族を動かすほどのことではないとのこと。


 まあ、「やってもいい」と言ったのは主神だとしても、やったのは私なので、そこは言い訳しない。

 ただ、神族はいつ訪ねても歓迎会の準備をしていたり、ライブもしっかり堪能したり、まともに仕事をしているところを見たことがないので、ちょっと使うくらいうは大丈夫だと思う。

 公私混同は、悪い方にも出ているのだ。




「なるほど、真由とレティシアがね……。うちの子たちは行動力ありすぎね」


 母さんがそれを言うかな。


 というか、私も含んでいるかのような言い方はどうかと思う。

 母さんも、最初に召喚された時はともかく、今は自発的にこっちの世界に来ているのだし――その是非についてはまた別の話ではあるけれど、現状、「巻き込まれた」といえるのは私だけではないだろうか。



「とにかく、久し振り、母さん。変わってないようで――本当に変わっていなくてびっくりだけれど、また会えて嬉しい。それと、双子ちゃん可愛いね。何か月? こんな小さな子を抱えて旅をするって大変じゃない? よければうちで預かるよ?」


「そうね、久し振り、ユノ。いろいろ押し付けちゃってゴメンね?」


 それはいろいろと事情が――私にも原因があったことだし、謝られるようなことではない。



「子供たちを連れての旅は大変だけど、協力者もいっぱいいるし、何とかなってるから大丈夫よ。それに、まだお乳もあげなきゃだしね。というか、あんたの可愛いもの好きは変わらないわねえ」


「え、いや、そういうのじゃないから。ただ、大変だろうなーと思って。母乳は出ないけれど、乳酸菌飲料とかなら出せるし、多分大丈夫だと思う」


「グイグイ来るわね……。そういえば、真由の時も、『お兄ちゃんになるんだ』って急成長してたし、あんたも変わらないわねえ」


 む、そんなことが……?

 全然覚えていない。



『とりあえず、家族会議をしようかって提案なんだけど』


「あ、貴方が朔ちゃんね? ユノがいつもお世話になってます」


『ボクの方もユノには楽しませてもらってるから、お互い様だよ』


 朔が社交辞令を!

 いや、少しニュアンスがおかしい?



「うちの娘、可愛いから弄り甲斐があるでしょ? 私も娘に戻ったこの娘で何をしようかって、今から楽しみで仕方ないわ!」


 え、母さん、何を言っているの?



「私もだよ! 差し当たっては、可愛く成長した娘にチヤホヤされたい!」


 父さんまで。

 それが《名僧知識》とかいう御大層なスキルを持つ人の言葉なの?


 まあ、親孝行くらいなら、ふたりの都合が合えばいつでもするつもりだけれど。

 とりあえずは、定番の温泉旅行とかだろうか。


 あ、湯の川で完結しちゃう。

 その湯の川では、私の名前を出せば全てがフリーパス。

 むしろ、逆にお供えをされるレベル――これは親孝行になるのだろうか?




「私たちは少し準備をしてから行くから、ユノは先に場を作っておいてくれないか」


 多少の紆余曲折はあったものの、事態は一歩前進。


 ちなみに、「場を作る」というのは物理的な意味だけではなく、話し合いを円滑に行うための、この世界の知識などの基礎知識や現況説明なども含まれている。


 計画が詰めの段階になれば、ふたりにも説明する予定になっていたものだけれど、それより先にふたりがこちらに来てしまったために未済となっている。


 つまり、一番面倒なところを丸投げされたわけだけれど、私も適任に丸投げするつもりなので、偉そうなことは言えない。




 さておき、真由とレティシアにこの世界の一般常識を教えてもらうために、ひとまずアルに声をかけた。

 アルも魔族領から帰ってきたばかりで仕事も溜まっているはずだし、断られても仕方がないと思っていたのだけれど、予想に反して快く引き受けてくれた。

 私としてはとても有り難いのだけれど、領主としての仕事はいいのだろうか?


 実際にはアルがいなくても仕事が回るようになっているのか、余暇を割いてくれているのかは分からないけれど、そんなことを感じさせないところが、彼がモテる理由なのかもしれない。

 ただ、それを妹たちの前で発揮しないように釘を刺しておく必要はありそうだ。 



 また、アルが引き受けてくれなかったときのことも考えて、報告がてらアイリスにもお願いしていたのだけれど、こちらも快諾してもらった。


「ユノのご家族にはきちんと挨拶しなければと思っていましたから」


 少々ニュアンスが違う気がする答えが返ってきたけれど、今更取消しできる雰囲気ではなかった。

 まあ、抜け目のないアイリスなら、アルの手の届かないところまでしっかりサポートしてくれるだろうし、私よりも真由とレティシアのためになるだろう。



 ふたりとも知識は豊富だし、話も上手いので、人選としてはこれ以上ないと思う。

 ただ、ふたりとも上流階級の生まれなので、知識が偏っている可能性がある。

 そして、この世界がどれほど危険で厳しいところかも教える必要がある。


 ふたりの能力がどれほどのものかはまだ分からないけれど、私のようにいきなり森の真っ只中に放り込まれるとか、アルのようにあちこちでトラブルに巻き込まれないとも限らないのだ。


 もちろん、そんなことがあっても対処できるようには備えておくつもりだけれど、ふたりの成長を望むなら、何でもかんでも保護すればいいというものでもない。

 なので、ギリギリまで介入しない姿勢でいるべきだろう。




 だからといって、過酷な現場を知っていて、話が上手い人物にほかに心当たりもない。


 つらい知識――というか経験だけならシャロンとかが該当する。

 ただ、それを頼むのはなかなかの外道――いや、彼女に頼むと喜んで話しそう――むしろ、余計なことまで喋りそう。

 諸々の「不幸」を「試練」に置き換えたり、ただの「偶然」を「運命」にしてみたり。

 最初は、健気に強がっているだけかと思っていたけれど、思いのほかガチっぽくて、最近は少し怖くなってきた。

 彼女たちも、私のことが絡んでいなければ有能なのだけれど。



 ほかには、オーク族のガラハッドとか?

 いや、もっと誤解を生みそうな気がする。


 彼やオーク族が悪いわけではないのだけれど、彼らの種族が女性の敵だという認識がなぜか日本でも定着しているらしくて――というか、主神たちのいた世界の認識が基になっているそうなので、その点においては彼らも被害者なのだ。


 とはいえ、この世界でも多くのオークがそう定められたとおりに行動しているらしく、その被害に遭う人もいるとなると、「主神が悪い」だけで済む話ではない。



 まあ、そもそも魔物自体が人間の敵なのだし、人間同士であっても味方とは限らない。

 どんなに歪に創られた魔物であっても、生きるのに必死なのだ。


 創造者の思惑がどうあったとしても、それまで否定するのはさすがにどうかと思う。

 中にはガラハッドたちのように共存を目指して努力している人たちもいるのだし。


 というか、それを許さないとか宣うような神がいたなら、私はその敵になるかもしれない。


 つまり――あれ? 何の話だったか……?


 とにかく、そんな難しいことを妹たちに背負わせるつもりはないので、種族が遠すぎるのは却下だ。



 ひとまず、アルとアイリスで大まかなところはカバーできるだろう。

 それを理解するのにしばらく時間がかかるとして、家族会議は明日――は実地で見学でもしてもらって、明後日以降にした方がいいだろうか。


 なるべく早くした方がいいことは分かっているけれど、今は疲労や混乱もあるだろうし。

 実物を見ないと理解できないところもあるだろうし。


 特に、ふたりには休息が必要だ。

 現代っ子で体力もないのだし。



 などと考えていると、シャロンが私の許にやってきた。

 ちょうどいいので、小さめの会議室を押さえておいてもらおうか。


「ユノ様、宴の準備が整いました」


 相変わらず先読み能力が高い――って、うた……げ? 宴?


 うん?


 もしかして、ふたりの歓迎会?

 なぜ?

 そんな話はしていなかったような?



 ふたりとも疲れているだろうし、そういうのは日を改めてと思っていたのだけれど――いや、せっかく再会できたのだし、身内だけでささやかにする分には問題無い――いや、するべきだということか?


 家族を喪ったシャロンたちだからこそ気づく配慮だということか。


 ああ、そのとおりだ。


 今あるものが、いつまでもあるとは限らないのだ。

 私もそれを知っていたはずなのに、浮かれていたのかもしれない。



 ありがとう。

 そして、ごめんね。

 貴女のこと、ちょっとアレな人だと思っていた。

 いや、今でも思っているけれど、ちゃんと人の心は残っていたんだね。



 そう思っていたのに、連れていかれたのは城内最大規模の宴会場、その名も【ラプラスの間】だった。


 なお、世界と一体化したかのような万能感に包まれて、《未来視》スキルもないのに未来を予測(みんな幸せ)する人が続出したことがその名の由来だそうだけれど、しょせんは酔っ払いの戯言である。



 さておき、そこには既に多くの料理や飲み物が準備されていて、神や悪魔、竜に魔王に人の王と、錚々(そうそう)たる参加者が今か今かと開始の時を待っている。



 何これ?


 などと惚けてみても現実は変わらない。

 事あるごとに宴会するのを容認していた結果がこれなのだろう。



 さて、どうしよう?


 まあ、なるようにしかならないか。


 いっそ、もっと盛大なものにしてしまえば、喜んでくれたりしないだろうか?

 料理ができるようになったところを見せるのもいいかもしれない?


 気は心ともいうし、おもてなしの精神で頑張ってみよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] OMOTENASHIの精神でご両親を歓待するユノちゃんは親孝行の化身だなぁ... きっと喜ばれるねぇ...
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ